2022年9月30日金曜日

繁殖期2022 5月~6月の東京都内(本土部)で記録された鳥たち≪仮集計≫

  

  東京都内・本土部の全自治体で1か所以上の調査地を設定し実施した「繁殖期2022」調査の結果、100種以上の野生の鳥たちの繁殖状況を記録しました。今回はまだ仮集計段階ですが、その状況をお知らせしま【写真】は“とんぼ公園”として知られている「尾久の原公園」で繁殖したバンの幼鳥。都内では減少傾向が見られる水鳥ですが、ここの池では子育て風景が見られました。 

「繁殖期2022」の調査時に録した鳥(太字は繁殖確認)

ヤマドリ、キジ、オシドリ、オカヨシガモ、カルガモ、トモエガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ウミアイサ、カイツブリキジバトカワウ、ゴイサギ、ササゴイアオサギ、ダイサギ、コサギ、カラシラサギ、クロツラヘラサギ、バン、オオバン、ジュウイチ、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、アマツバメ、イカルチドリ、コチドリセイタカシギ、タシギ、チュウシャクシギ、キアシシギ、ソリハシシギ、キョウジョシギ、オバシギ、トウネン、ウミネコ、コアジサシ、ミサゴ、トビ、ツミオオタカ、アオバズク、カワセミ、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、アオゲラ、チョウゲンボウ、サンショウクイ、サンコウチョウ、モズ、カケス、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キクイタダキ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、オオムシクイ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、ムクドリ、トラツグミ、クロツグミ、アカハラ、コマドリ、コルリ、ルリビタキ、イソヒヨドリ、サメビタキ、コサメビタキ、オオルリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、ウソ、イカル、ホオジロ/ドバト、ホンセイインコ、コジュケイ、ガビチョウ、カオグロガビチョウ、ソウシチョウ、アヒル、アイガモ 

                  〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2022年9月16日金曜日

繁殖期2022 東京本土部の全自治体を対象に繁殖期調査を行いました

  

   野鳥たちの子育て時期の5月~7月にかけて、東京本土部の全自治体を対象に、1か所以上で調査を実施しました。調査は、日ごろその場所での調査・研究を行っている個人・団体の皆さんを中心にも力をいただきました。関係された皆さまにお礼申し上げます。 

その地での繁殖状況を把握するため、調査はそれぞれの場所で2週間の間をおいて2回実施。その結果100種以上の鳥を記録しました。なかには、東京では繁殖記録のないスズガモなどの冬鳥のカモやキョウジョシギなどの旅鳥、また、カラシラサギ、クロツラヘラサギといった珍鳥も含まれていましたが、ルリビタキやビンズイなどの亜高山の鳥からスズメやツバメなどの人里の鳥、オオタカ・ツミ・トビなどの猛禽の営巣も観察されました。

写真は、調査当日に巣立ちしたチョウゲンボウの巣立ちビナたち。各地で減少しているササゴイの繁殖も記録されました。〔記録は現在整理中〕

調査地一覧

【23区】足立区・舎人公園 板橋区・城北中央公園/石神井川区内域/荒川生物生態園 江戸川区・葛西臨海海浜公園/新左近川 大田区・東京港野鳥公園/多摩川丸子橋付近 葛飾区・水元公園 北区・浮間公園/石神井川区内域 江東区・清澄庭園/中央防波堤埋立地 品川区・大井埠頭中央海浜公園 渋谷区・明治神宮 新宿区・新宿御苑 杉並区・善福寺公園/善福寺川緑地 墨田区・錦糸公園付近 世田谷区・二子玉川付近/砧公園 台東区・上野公園不忍池 中央区・浜離宮庭園  千代田区・北の丸公園 豊島区・染井霊園 中野区・江古田の森公園 練馬区・石神井公園/光が丘公園 文京区・六義園 港区・お台場/自然教育園 目黒区・碑文谷公園 【多摩区】昭島市・多摩川昭和堰/多摩川多摩大橋 あきる野市・横沢入り 稲城市・上谷戸親水公園 青梅市・青梅永山丘陵 奥多摩町・奥多摩湖/雲取山/三頭山 清瀬市・柳瀬川金山調節池 国立市・多摩川石田大橋 小金井市・野川公園市域 小平市・東京都薬用植物園 狛江市・多摩川ニヶ領宿河原 立川市・昭和記念公園 多摩・多摩川大栗川合流点 調布市・ニヶ領上河原堰/神代植物公園 西東京市・いこいの森公園付近 八王子市・高尾山/小宮公園 羽村市・多摩川羽村堰 東久留米市・落合川流域 東村山市・八国山緑地 東大和市・狭山緑地 日野市・浅川多摩川合流点/東豊田緑地保全地域 日の出町・ひので野鳥の森自然公園 檜原村・風張峠 府中市・多摩川府中市域 福生市・多摩橋 町田市・薬師池公園 瑞穂町・六道山 三鷹市・井の頭公園 武蔵野市・小金井公園 武蔵村山市・野山北公園 〔国分寺市は都合により調査できませんでした〕                                                                                     〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2022年8月31日水曜日

普通種・セッカが東京都レッドリストで「絶滅危惧Ⅰ類」に!!

  

  2021(令和3)年4月に「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2020年版」が公表され、セッカ【写真】が区部ではもっとも絶滅の可能性が高い[ CR ]絶滅危惧ⅠA 類、多摩地域でも[ VU ]絶滅危惧Ⅱ類になっています。 

東京都は1998(平成10)年に「東京都の保護上重要な野生生物種 1998 年版)」を公表して以来、おおむね 10 年毎に改定作業が行われ、2020 年版には162 種の鳥類が掲載されています。 セッカは前回の2010年版ではまったく記載されていなかったのですが、 今回初めて掲載されました。30年以上バードウォツチングをしている人には、セッカは「普通種」の印象が強いと思います。「ヒッヒヒヒ、ヒッヒヒヒ、チャッチャッ」という独特な囀りは、夏の暑い盛りにもよく聞くことができました。最近は、確かにこの声を聞くことが少なくなったと感じていましたが、普通種と思っていた鳥が絶滅危惧種となってしまったのは衝撃でした。 

月例葛西臨海公園探鳥会でのセッカの出現状況を見ても、その急激な減少が明白です【グラフ】。
チガヤやススキなど、イネ科の植物が生える丈の低い草原を好み、クモの糸を使った巣を作るこの鳥にとって、鳥類園や東なぎさでのアシの繁茂が著しく、チガヤのような背の低いイネ科植物が少なくなったことが、激減した一因と考えられます。

当会の実施する月例探鳥会の鳥合せの記録は、鳥類の生息状況の変化を証明する上で重量なデータとなっています。    鈴木弘行〕                              

            

2022年8月17日水曜日

繁殖期2022・大田区内の公園でトビが繁殖

  

  大田区の多摩川沿いに位置する公園で、今年はトビが繁殖に成功しました。この公園ではトビがここ数年の間に何度か巣を作り、親鳥が抱卵しているのを観察しましたが、孵化には至りませんでした。今年は過去の失敗経験から学んだのか従来の営巣エリアよりも更に多摩川に近い斜面の松の木に営巣しました。

 抱卵開始は4月中~下旬ごろで、5月上~中旬は目立った動きはありませんでした。528日、巣のある松の木に雌雄が寄り添って止まり、擬交尾のような行動の後に雄は飛び去りました。雌は巣に戻りましたが抱卵姿勢には入りませんでした。この時点でヒナはおそらく孵化していたものと思われます。6月初めには巣の上に初めて灰白色のヒナを確認できました。

 ヒナが生まれてからは、親の1羽が巣から少し離れた樹上で見張りをし、もう1羽が魚を捕って運んでくる、というパターンが多く見られました。雌雄の協力態勢はしっかりしているようでした。627日には褐色のヒナ2羽が巣の上で動き、灰色頭のヒナも一瞬見えましたが、3羽目のヒナはその後確認されることはありませんでした。大きくなった2羽の幼鳥は78日には巣から出てすぐ横の枝に止まっていました【写真】。 716日の朝、1羽の幼鳥が親の見張っている枝まで飛んで親と合流し、もう1羽はまだ巣の横の枝に残っていました。親が見本を示すように飛び立ち、くるりと旋回して枝に戻りましたが、巣の横の幼鳥はなかなか飛び出す勇気が出ないようでした。その4日後の朝、多摩川の川岸から公園のほうを望むと、巣のある松の木から数十メートル離れた樹上に2羽の幼鳥が止まっているのが見えました。また親はエサを探して多摩川上空を飛翔していました。

 トビの繁殖の様子を観察していると、つがいや親子のメンタルの動きがわかるような気がすることが何度かありました。人の弁当を狙ったりして悪役イメージが固定しているトビですが、今回の観察で私には少し親しみの気持が湧いています。                                    〔川沢祥三〕

2022年8月1日月曜日

繁殖期2022・ぶじ終了しました・越冬期2022の調査結果紹介

  

繁殖期2022の調査終了しました

今年の5月~7月にかけて、本土部の東京都内全域を対象とした「繁殖期2022」調査は、予定通りで終了しました。調査者の皆さま・協力いただいた方々に感謝いたします。

調査結果については、当会会誌『ユリカモメ』で発表します。

 

越冬期2022の調査結果の紹介 (出典『ユリカモメ』No.798799

調査期間:20221月  調査場所:東京都内(本土部)

記録した鳥種:1534103種  調査者・団体:70名・5団体

『ユリカモメ』202289月号に掲載した「調査結果」【下図】

 


 調査場所紹介(23区・多摩区ごとの50音順)

23区 】〔足立区〕舎人公園 〔板橋区〕新河岸川/石神井川①/荒川生態園 〔江戸川区〕葛西海浜公園/新左近川 〔大田区〕東京港野鳥公園/多摩川丸子橋/池上吞川・森ケ崎の鼻干潟 〔葛飾区〕水元公園 〔北区〕浮間公園/石神井川➁ 〔江東区〕旧中川➁ 〔品川区〕大井埠頭中央海浜公園 〔渋谷区〕明治神宮 〔新宿区〕新宿御苑/外濠 〔杉並区〕善福寺公園/神田川/和田堀公園 〔墨田区〕旧中川① 〔世田谷区〕多摩川二子玉川付近 〔台東区〕不忍池 〔千代田区〕皇居外苑濠/日比谷公園 〔豊島区〕神田川 〔中野区〕江古田の森公園/哲学堂公園/神田川 〔練馬区〕石神井公園/光が丘公園 〔文京区〕六義園/小石川後楽園 〔港区〕お台場/自然教育園 〔目黒区〕碑文谷公園/目黒川①/〔東京港〕中央防波堤埋立地

【 多摩区 】〔昭島市〕多摩川昭和堰/多摩川多摩大橋 〔あきる野市〕秋川山田橋 〔稲城市〕三沢川矢野口橋 〔青梅市〕釜の淵公園 〔奥多摩町〕奥多摩湖 〔清瀬市〕金山調節池 〔国立市〕多摩川石田橋 〔小金井市〕野川 〔国分寺市〕武蔵国分寺公園/日立中央研究所池 〔小平市〕上水公園 〔狛江市〕多摩川宿河原堰 〔立川市〕昭和記念公園 〔多摩市〕多摩川大栗川合流点 〔調布市〕多摩川上河原堰 〔西東京市〕いこいの森公園 〔八王子市〕浅川大和田橋/高月浄水場 〔羽村市〕多摩川羽村堰 〔東久留米市〕落合川 〔東村山市〕空堀川野口橋 〔東大和市〕多摩湖 〔日野市〕浅川多摩川合流点/東豊田緑地保全地域 〔日の出町〕平井川町役場前 〔檜原村〕秋川渓谷和田橋 〔府中市〕多摩川市域 〔福生市〕多摩川多摩橋 〔町田市〕薬師池公園 〔瑞穂町〕狭山池公園 〔三鷹市〕井の頭公園 〔武蔵村山市〕野山北公園       コロナ禍のため、荒川区・中央区・武蔵野市での調査は中止しました。    

                  〔日本野の会東京・研究部〕                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

2022年7月16日土曜日

繁殖期2022・大田区内でのオオタカの繁殖

  

 

大田区北部の公園では今年オオタカが初めて営巣し、3羽の幼鳥を無事に巣立たせることに成功しました。その過程を観察しましたので報告します。

3月下旬、オオタカのケッケッケッの声が頻繁に聞こえ、雌雄が公園内の松の枝で仲良く寄り添う姿が見られました。4月上~中旬には松の木の高所に作られた巣上に雌の尾羽が見え、また目障りなカラスを雄が激しく追い回すシーンもありました。4月下旬になると目立つ声や行動が少なくなり、カラスもおとなしくなりました。5月上旬には雌が巣の横で伸びや羽繕いをする姿が見られ、510日に巣の方向からピーピーという細い声が聞こえました。これはふ化したヒナの声だったようです。61日には初めてヒナの白い頭が巣上に見えました。給餌は順調に行なわれ、622日に2羽の幼鳥が巣から10mほど離れた松の木まで飛びました。巣にはまだ頭に白い毛の混じった3番目のヒナが残っていて、雌が給餌に飛んで来ました。発育の差が大きくて心配でしたが、629日には成長の遅かったヒナも巣から出て近くの枝に止まり、ピエーピエーとしきりに声を出していました【写真1。そして75日、3羽の幼鳥が松の枝にそろって立っているのが見られました【写真2】。幼鳥はその後も親から給餌されたエサを地上で食べる姿などが観察されています。

 今年この公園でのオオタカの営巣には散歩の人やバードウォッチャーなどかなりの人たちが気づいていましたが、繁殖行動の邪魔になるような状況にはならず、3羽の無事な巣立ちにつながりました。来年以降も人と鳥の良好な関係を保っていきたいと思います。    川沢祥三    


2022年5月31日火曜日

文献紹介 報告書『中野区北東部の野鳥記録 2005年~2020年』(森の学級発行)

  

  中野区は、東京23区の西部に位置し、新宿や池袋といった副都心に近い都心部の区で、人口密度の高い地域のひとつです。武蔵野台地上に位置していますが、公園や緑地は少なく、一人当たりの公園面積は23区内で22位とされています。池といえる水辺はなく、荒川水系支流の神田川・妙正寺川などが流れています。 

今回紹介する報告書の活動の場は区の北東部にあり、中野区内で唯一まとまった森が残る地域で、調査の中心は「江古田の森公園」(国立療養所中野病院跡地)や「哲学堂公園」(東京都指定名勝)、「平和の森公園」(中野刑務所跡地)といった緑地です。

森の学級」はこれらの地で1999年から活動をされ、今回、中野区の環境変化を知る一つの資料として本報告書が発行されました【表紙写真】。 この地では、2005年~2020年までの間に92種が記録されていて、優占度はヒヨドリ・カワラバト(ドバト)・ハシブトガラス・スズメ・メジロ・シジュウカラ・・・といった順で、東京都心部の鳥相を知ることができます。なかには、コノドジロムシクイやオジロビタキなどの珍しい鳥も記録されています。[ 20222月発行A4判・44ページ] 

                         〔日本野鳥の会東京・研究部〕