2012年2月21日火曜日

エナガが繁殖活動を始めています

  

東京都心部に進出してきたエナガ。昨日(20日)、渋谷区の明治神宮の境内で巣材のクモの糸を取っているところを見かけました〔写真〕。エナガの繁殖の時期は早く、2月下旬ごろから巣作り行動が見られ、3月には営巣に入ります。東京での繁殖状況についてはよくわかっていませんので、この時期にエナガが定着しているところでは注意して、観察とともに記録をとってください。新宿御苑、自然教育園などでも可能性が高いと思われます。(川内 博)

2012年2月12日日曜日

矢根保氏が遺したもの・人柄を表した心やさしい図鑑

  

今年1月半ば、一冊の本が送られてきました。『楽しいバードウオッチング』というB6判184ページのカラー写真を使った野鳥の図鑑で、著者は矢根 保氏〔写真〕。矢根さんは現在進行中の新しい東京都産鳥類目録作成の伊豆諸島・青ヶ島担当者として、お願いしている方でした。青ヶ島は東京からみると“鳥も通わぬ八丈島”からさらに南へ約70kmも離れた孤島で、人口は200人程度の伊豆諸島最南端の有人島です。東京都といえど、私もまだ2度しか行ったことのない場所で、そこに棲む鳥の情報はあまりありません。矢根さんは小学校の先生として、1996~97〔平成8~9〕年度に同島で勤務され、その間の観察記録を月刊誌『バーダー』の1998年7月号〔12巻7号〕に10ページにわたって報告されています。
2009年6月に、青梅市立河辺小学校の校長室へ、鳥類目録作成のお願いに伺い、快諾をいただいたのが唯一の出会いでしたが、校長のご名刺とともに「日本鳥学会会員・日本自然保護協会自然観察指導員・元尾瀬自然保護指導員」と記された名刺もいただきました。
今回お贈りいただいたご著書に載せられている写真は、身近に見られる鳥だけでなく、北は北海道から南は沖縄・与那国島、そして青ヶ島など日本中で撮られたもので、それぞれに特徴や生態の解説もついています。
本の送り主は実兄にあたる方で、お手紙には昨年七月にご病気で亡くなられたことが記されていました。生前に出版を企画され準備されていたものです。カワセミの幼鳥が表紙を飾っているのは、教師として、児童・生徒たちへのメーセージと思われます。また、鳥の目がやさしいのも、矢根さんの子どもたちとの日ごろの接し方が表れているのでしょう。鳥が主役の図鑑ですが、そんな人柄も垣間見られる力作です。
出版社で購入に対応いただけるとのことですので、ご希望の方は下記にご連絡ください。末尾ながら、故矢根保氏のご冥福をお祈りします。
〒113‐0033 文京区本郷2‐22‐4(株)三誠社 (電話)03‐3812‐0241 (Fax)03‐3811‐2062  定価800円(税込、送料込)        〔川内 博〕

2012年2月3日金曜日

第4回東京湾の水鳥の保護研究会のご案内

  

ツグミなどの冬鳥の姿がなかなか見られなかった今冬。記録的な寒さが続くようですが、1月に東京港一帯で実施しました、水辺の基礎調査の結果を中心に、今冬の越冬鳥の状況の意見・情報交換を行い、今後の活動について話し合っていきたいと思います。
今年はスズガモが葛西沖に来るのが遅く、心配されましたが、ここのところは例年並みの生息状況になったようです。【写真】

日時:2012年2月10日(金)午後6時30分開場、7時~9時
会場:日本野鳥の会東京・事務所 〔新宿伊藤ビル3階〕
交通:地下鉄・新宿三丁目/東新宿から徒歩約5分
    JR新宿駅から徒歩約15分

ところで、このブログでも宣伝しました1月22日(日)のイベント「カンムリカイツブリ・スズガモの数をかぞえる」は、あいにくの悪天候で実施しませんでした。2月ないしは3月の日本野鳥の会東京・定例・葛西臨海公園探鳥会時に実施を予定しています。「参加賞」を用意していますので、家族連れでどうぞ。詳しくは、このブログなどでご案内します。