東京23区でもっとも自然環境の豊かさに恵まれている世田谷区では「野鳥ボランティア」の方々によって、年間を通じ定期的に同じ方法で、区内を流れる多摩川・野川・仙川や成城みつ池緑地・砧公園・駒沢オリンピック公園・羽根木公園の7か所で定期調査が行われ、このたび報告書『2025年 世田谷区内野鳥調査報告書』〔A4判48pp.〕が発行されました。
報告は上記7か所の年間記録が一覧表で示され、その状況がグラフで紹介され、それぞれの場所での年間でようすを知ることができます。また、2023年度版から掲載されている「トピックス」は具体的でわかりやすく、興味深い内容となっています。今年は“野鳥盛衰記―水鳥の巻―”として、区内で主要なカモ(ヒドリガモ・コガモ・カルガモ・オナガガモ)およびオオバンの変化がグラフ化され、その減少ぶりが一目瞭然です。とくに目立つのは多摩川におけるヒドリガモ。また、コガモ・カルガモでも同様の傾向が見られています。さらに“オナガガモはかつてふつう種だったが、近年は希少種になった”と記されています。一方かつては希少種だったオオバンはふつうに見られるようになっています。なお、ヒドリガモ【写真】の減少原因については、とくに環境が悪化したとは考え難く、しかるべき理由は見当たらないと記されています。
この「トピックス」は前号の2024年版では「外来種盛衰記」・2023年版では「ハシブトガラス・ハシボソガラスの個体数逆転」が紹介されていて、都内での野鳥の動きの一端を知る貴重なページとなっています。 報告書は「一般財団法人 世田谷トラストまちづくり」から発行され、近いうちにネットにアップされると思います。なお、同法人から出されている大書『世田谷の鳥2020』もネットにアップされています。 〔研究部・川内〕