2023年7月10日月曜日

「繁殖期2023」調査での発見・オオバンの繁殖ほか

  

   昨年に引き続いて当会研究部が実施しています、都内本土部での全区市町村を対象として「繁殖期2023」調査は7月上旬で終了しました。調査にたずさわれた方々にお礼申し上げます。データの集積・集計などは進行中ですが、興味ある観察がいくつもありました。

  その一つが“水辺” 第一報は6月15日付の本ブログで紹介した「鷺山の誕生」で、23区の山手地域で、新規に形成されることは珍しいことです。その後の観察でも、コサギ・ゴイサギの営巣が続いているようです。 次いで「かいぼり」された水辺でのカイツブリの営巣増です。とくに吉祥寺の井の頭公園(三鷹市)では明らかに増えていて、各所で抱卵している姿やヒナ連れのようすが観察できました。この公園では、2019年からアオサギ、2020年からカワウが営巣を始めています。 さらに今夏は、冬期に急激に数が増えたということで注目されているオオバンがこの池で繁殖しました。情報をもとに6月20日に同池を訪ねたところ、2羽の親鳥と3羽の“赤い顔”のヒナ【写真・川内博氏撮影】が、またその後も7月5日には親鳥2羽と成長したヒナ2羽が確認されています。内陸部の池での繁殖は初めてと思われます

 一方、同じ仲間のバンの姿をこれらの水辺で見かけることが激減しているのは心配です。彼らの生息に何が不足しているのか検討してみる必要がありそうです。                             〔日本野鳥の会東京・研究部