2018年12月27日木曜日

1月の越冬期調査≪タカ類と水鳥類≫のご案内

  

  日本野鳥の会東京・研究部では1月に調査を行います。下記の要領でご参加ください。ひとつは「オオタカ・ノスリの一斉調査」、もう一つは「カモを中心とした個体数調査」です。いずれも任意のボランティア活動ですので事故等ないようご注意ください。                                     〔写真はオオタカ・仲野 遵氏撮影〕

≪オオタカ・ノスリの一斉調査≫
【調査要領】
1. 調査範囲:東京都内および首都圏(場所は限定しません。任意で)
2. 一斉調査日:201916日(日)午前10時~12時〔雨天決行〕
3. 調査方法:日ごろ生息を確認している場所で、午前10時~12時の2時間で、全域を踏査し、オオタカ・ノスリおよび猛禽類の生息・羽数を確認してください。
4. 記録の報告:調査された結果を、調査場所・お名前を明記のうえ、120日までに、メールで下記のタカ係宛にご報告ください。

≪カモを中心とした個体数調査≫
【実施要領】
1. 調査範囲:東京都内全域(島しょ・海上を含む)
2. 調査期間・時間帯:201915日(土)~14日(月・祝)・原則9時~15
3. 調査方法:カモが生息する場所で、カモ類および下記の水鳥10種〔※1〕のカウント調査を行ってください。余力があれば、出現鳥類の種類と概数を記録してください。
1 カイツブリ・カワウ・ゴイサギ・ダイサギ・コサギ・アオサギ・バン・オオバン
・ユリカモメ・カワセミ ※2 ハクチョウ類・ガン類にもご注意ください。
4.記録の報告:調査された結果は、調査場所・月日・お名前を記し、131日までに、メールで下記・カモ係へご報告ください。

【記録の送付先】E-mailoffice@yacho-tokyo.org 日本野鳥の会東京・研究部
両調査の成果は『ユリカモメ』に発表します。その際お名前を記させていただきます。

2018年11月14日水曜日

自然教育園〔東京都港区〕でリュウキュウサンショウクイを観察

  
1113日の午前10時、センサス終了後に、園内の水生植物園を通りかかると、ヒリリリ・ヒリリリと鳴きながら、上空を飛び交う2羽の細身の小鳥を発見。尾が細長く、体色は灰色。鳴声と姿からサンショウクイと判定。幸いなことに、高木の梢に止まったので撮影でき、「リュウキュウサンショウクイ」(琉球山椒喰)と確認できました。〔川内 博〕
 
 リュウキュウサンショウクイは、サンショウクイの一亜種で、『日本鳥類目録改訂第7版』(2012年刊)では、名前の通り、沖縄県で留鳥として分布しているという記載のほか、大分県や愛媛県での繁殖も記録されています。そして近年、その分布域が急速に北上し続けていることが知られています。その勢いは今では関東地方にもおよび、2015年には神奈川県で、2017年には埼玉県と東京都で1月に初記録されています。
夏鳥・サンショウクイが全国的に激減しているのに対し、留鳥タイプ(冬にも生息している)のこの鳥が進入してきたことには何らかの理由があるはずですが、今のところは確たる説明はつけられていません。とりあえず、都内や周辺でのサンショウクイを見かけたら、2亜種を区別して、「研究部」にお知らせください。
       (E-mailoffice@yacho-tokyo.org・研究部あて

2018年10月27日土曜日

報告書『東京の野鳥たち・2』が完成しました・講演会へのお誘い

  
日本野鳥の会東京が実施している10か所の月例探鳥地のまとめを、報告書という形で発行しています。1冊目は2016年に、東京都内で開催している7か所について発行しましたが、その続編の『東京の野鳥たち・2~月例探鳥会3か所・20年間の記録 および 明治神宮・高尾山・新浜の長期記録』がこのたび完成しました。〔写真〕

内容は、千葉県内で開催している残りの3か所〔新浜・谷津干潟・三番瀬〕の月例探鳥地についてと、東京湾岸に位置する5か所〔東京港野鳥公園・葛西臨海公園・新浜・谷津干潟・三番瀬〕の出現鳥類の比較をメインとしています。

 自然を対象とした時“
20年”という時間は意外と短いということを前号作成で学びましたので、今回は70年・60年・50年余という長い歴史をもつ探鳥地〔明治神宮・新浜・高尾山〕についても掲載しました。A4版・182ページ・500グラムの報告書のなかに、たくさんの「歴史の重み」が詰まっています。

その報告書の内容を知ることができる講演会を、1028日(日)・午後2時~4時・細田工務店2階会議室〔東京・JR中央線阿佐ヶ谷駅・南口から徒歩3分〕で開きます。
どなたでも参加できます。気軽にお出かけください。

《詳しくは、本HPのトップページをご覧ください》


2018年9月11日火曜日

100年前にカワセミを撮った男・写真展        9月21日~26日

  
“およそ100年前、日本で初めて野鳥の撮影に成功した男がいました。その名は下村兼史(1903-1967)。下村は日本における野鳥を主とした生物写真の先駆者であり、日本最初の野鳥生態写真家と呼べる人物です。”〔「写真展ちらし」〕
山階鳥類研究所には下村兼史に関する写真資料が1万点あるとか。今年は生誕115周年として、その中からオリジナル・プリントや鳥類図鑑の原画など、本邦初公開の約50点が展示されます。 ≪入場無料≫



【開催日時】2018921日(金)~26日(水)11時~19
            (最終日は16時)  
【会  場】東京・有楽町マリオン・11
      「有楽町朝日ギャラリー」   
【最寄り駅】JR有楽町駅、東京メトロ有楽町駅・銀座駅など   
【問い合せ】有楽町朝日ギャラリー ☏03-3284-0131

2018年8月14日火曜日

WANTED!! 標識付きのウミネコ

  


都内のビルの屋上などで繁殖し、問題になっているウミネコの調査にご協力ください。
カラーリングを付けたウミネコを見かけたら、詳細を下記のいずれかにご連絡お願いします。
matsukaze-naturememoad.jp(松丸) saway1217yahoo.co.jp(澤)
tomitayamashina.or.jp(富田)
※ メール送信の際は、★を@に換えてください

2018年7月28日土曜日

報告書『東京の野鳥たち~月例探鳥会・20年間の記録~・2』〔仮称〕を作製中

  

  日本野鳥の会東京が開催しています10か所の月例探鳥会の記録を電子化して、2年前に『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』を発行しました。現在、その続報を作成中です。前報告書では月例探鳥会10か所中、東京都内に所在する7か所をあつかいましたので、今回は、千葉県に所在する3か所(新浜・谷津干潟・三番瀬)の記録を載せます。また、上記3か所と東京港野鳥公園・葛西臨海公園の東京湾岸に位置する5か所の出現鳥の比較をグラフ化して載せる予定です。さらに、新浜(行徳鳥獣保護区)・明治神宮・高尾山の50年~70年におよぶ記録を掲載する予定です。
現在、最終原稿の編集中で、9月発行を目指しています。〔写真は、検討会のようす〕

2018年6月28日木曜日

東京都内でのカワセミの繁殖について調べています

  

東京にカワセミが帰ってきて30年以上経ちます。当初は多摩川や郊外の水辺の多い公園などでのみ繁殖が記録されていましたが、最近は都心部でも繁殖期にその姿を見ることが多くなってきました〔写真・川内 博氏撮影〕。
東京都心での繁殖は、1990年代からの港区の自然教育園や千代田区の皇居での営巣が知られていますが、自然教育園からは最近は営巣のはなしはなく、皇居でも少気味との報告があります。しかし、人を恐れない“としちょう・カワセミ”は案外のところでも子育てをしているようです。
現在、東京都鳥類繁殖分布調査の一環で、東京都内での営巣地を探しています。心当たりのある方は、ぜひ研究部あてお知らせください。メールには「カワセミの繁殖情報」とのみ記してください。研究部から返信し、くわしいお話をお聞きします。
   〔E-mailoffice@yacho-tokyo.org(日本野鳥の会東京・研究部)


2018年5月14日月曜日

オオヨシキリはなぜいなくなった?・・・・・・『続・東京の野鳥たち』編集中

  


現在、一昨年に発行した『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』の続刊、『続・東京の野鳥たち』(仮称)の編集を行っています。今回の目玉は、東京湾岸5か所の探鳥地での出現鳥の比較で、同じ鳥でも探鳥地によって、その数、状況などに違いが分かってきました。
その中で、この5月の検討会で話題になったのはオオヨシキリ〔写真・川内 博氏撮影〕。夏鳥として、湾岸の湿地に広がるヨシ原に渡来し、“行々子・行々子(ぎょうぎょし)”と大声で鳴く声がすっかり聞かれなくなったこと。ヨシ原は青々と広がっているのに“無音”。淋しいとの気持ちになるとともに“なぜ?”という疑問が湧いてきます。
オオヨシキリが減ったのは東京湾だけでなく、全国的な傾向ということは、以前からいわれています。また、ヨーロッパあたりでも同じ状況と聞きます。ポイントは「夏鳥」ということが大きいのかもしれません。彼らの越冬地はフィリピンや東南アジアとされていますが、越冬地の状況がどうなっているのか、今のところ残念ながら確かな情報はありません。
「夏鳥」たちの減少は戦後ずっと続いていて、コアジサシの激減ぶりも話題になりました。
『ユリカモメ』5月号の巻頭言に、大田区の森ケ崎水再生センター屋上で、コアジサシの保護活動を続けられているリトルターン・プロジェクト代表の北村 亘さんが「森ケ崎はひょっとすると日本で最大の営巣地なのではないか」と記されていることが本当ではないかとの見解も示されました。こちらの方は、東京湾岸から彼らが営巣できる場所がなくなったことと、天敵(チョウゲンボウなどの猛禽類やカラス、ネコ)の増加が原因。繁殖地の環境も問題が大きいとのことでした。
『続・東京の鳥たち』は8月末の発行を目指して進行中です。ご期待ください。   (日本野鳥の会東京・研究部)

2018年4月27日金曜日

GW イソヒヨドリ・ガビチョウ・ホンセイインコ調査にご参加ください ~東京都鳥類繁殖分布調査~

  


NPO法人バードリサーチが中心になって実施しています「東京都鳥類繁殖分布調査」。これからのゴールデンウィークは「バードウォッチング? 家でのんびり? それとも家族サービスでショッピングでしょうか? ショッピングに行かれる方は、ショッピングモールにイソヒヨドリがいないかどうか、家でのんびりされる方は、家のまわりにホンセイインコやガビチョウがいないかを、山にバードウォッチングに行かれる方はガビチョウがいないかどうか気にしていただき、情報をお寄せいただけないでしょうか」と呼びかけています。
〔詳しくはhttp://bird-atlas.jp/gw/ をご覧ください〕
この3種は比較的目立つ鳥ですので、ちょっと気にかけていると気づくことが多い種類ですので、ぜひご協力ください。
なかでも、イソヒヨドリ〔写真〕は注目の鳥。日本人は“磯ひよどり”として、どうしても海とか川とか水辺の近くにいるというイメージがありますが、彼らの生息コンセプトは、英名の“Blue Rock Thrash”(青い岩つぐみ)で、ポイントは「岩」のようです。イソヒヨドリは人工の岩であるコンクリート建造物を足がかりに、街のなかにも進出してきています。
都市鳥研究会が全国展開でその状況を追っていますので、興味ある方は同会HPにアクセスしてみてください。

2018年3月24日土曜日

「バードウォッチングへのおさそい」・日本野鳥の会東京主催

  
~杉並・細田工務店にて~

パネル展 415日(日)~28日(土)

  講 演 会 422日(日)            入場無料

                                    
                                   主催:日本野鳥の会東京


日本野鳥の会東京では、年間180回の野鳥観察会「探鳥会」(たんちょうかい)を開催し、野外で鳥たちの姿や鳴き声を楽しんでいます。その中で「月例探鳥会」として、毎月第1日曜日は東京湾岸・大田区の東京港野鳥公園と千葉県船橋市の三番瀬、多摩市の多摩川。第2日曜日には府中市の多磨霊園、千葉県市川市の新浜(行徳鳥獣保護区)、第3土曜日午後には下町の清澄庭園。第3日曜日は都心部の明治神宮と千葉県習志野市の谷津干潟。第4日曜日には郊外の高尾山と江戸川区の葛西臨海公園で、定期的に開催しています。
それらの探鳥会には自由に参加できます。そのようすをパネルと講演でご案内します。会場は、JR中央線・阿佐ヶ谷駅南口の(株)細田工務店〔杉並区阿佐谷南3-35-21 ☏0800-170-7700〕です。 

パネル展 

月例探鳥会では観察した鳥の種類とその数を記録しています。一昨年その記録を整理し、報告書『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』を発行しました。今回はそのなかから、興味あるデータをわかりやすいグラフと会員が撮ったきれいな写真とのセットで、午前9時~午後6時までショールームに展示します。

415日(日)~28日(土)の間展示〔途中22日に一部入れ替え〕

講 演 会

バードウォッチングへ行きたいけど、何となくハードルが高いと思われている方が多いとか。まずその一歩は月例探鳥会に参加してみることです。なかには鳥を見て何になるの?と思っている方もいらっしゃるとか。今回は初心者の方へのアピールとして下記の講演会を開きます。ぜひご参加ください。

422日(日)11210分~1310分 第21330分~1430分 〔同じ内容〕

【プログラム】探鳥会に行こう   月例探鳥会から見えたこと                  ③地元・善福寺公園探鳥会へのご案内

2018年2月26日月曜日

冬越しするムクドリの群れ・・・西葛西駅前に3000羽以上

  


首都圏の駅前などのムクドリのねぐら場所は、おもに「夏ねぐら」とよばれるもので、そこでのねぐら形成期間は、かつては初夏の6月ごろから秋10月まででした。しかし、ここのところ冬にもそのまま居残る例が増えています。
東京都内でのねぐらのうち、江戸川区の東京メトロ東西線・西葛西駅南口にねぐらを形成している群れは、今冬はねぐらの規模を維持したまま、冬越しをしています。〔写真〕
その存在は、今年の1月に認め、本ブログの1月30日付では300羽程度と記しましたが、214日の夕方、そのようすをねぐら入りの始めから観察しました。夏・秋と違い、相当暗くなってから(20ルクス以下)になって、ねぐらとしているクスノキに一気に入りました。その数はカウント不能ですが、3000羽以上と見受けました。
「冬越しねぐら」はここだけでなく、同じ路線の行徳駅、東武東上線の朝霞台駅・志木駅などでも2月に確認しました。一方、駅前などでない、竹藪などの“従来型のねぐら”の情報は、今のところ1件もありません。見かけたらぜひご一報ください。〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2018年1月30日火曜日

都内での“駅前ムクドリ”の越冬地・捜しています

  
ここ数十年来の社会的なトラブルに、駅前や大型ショッピング店の駐車場、公共施設の周辺などの街路樹にねぐら(塒)をとる大量のムクドリ問題があります。1980年代は、首都圏の一部だけでしたが、90年代にはドーナツ状に広がり、2000年代には、全国各地の主要都市で見られるようになり、「社会問題」となっています。
いずれも、夕方になると周辺からムクドリの群れが集まり、「大声で鳴き騒ぎ」・「大量の糞をして頭や服を汚す」・「換羽のために羽毛が落ち不衛生」ということで、地元の住人や通行人から嫌われるというものです。
当初この事態は「初夏から秋」と期間限定の問題とされ、ねぐらとして好んでいいたケヤキの葉が散ると、いずこへかと飛び去り、とりあえず問題終結というパターンでしたが、21世紀にはいると、徐々に晩秋から初冬まで居残るようになり、ついには冬季にもいるようになり、越冬する群れが目立ちだしました。
 東京周辺で「越冬ねぐら」として知られているのは、千葉県市川市の東京メトロ東西線の行徳駅前や埼玉県朝霞市のJR武蔵野線の北朝霞駅前が知られていますが、今冬は東京都江戸川区の東西線西葛西駅でも見られるようになりました。

西葛西駅南口の1月の調査時点では数は300500羽程度で、秋の110程度ですが、南口のクスノキの大木を中心にねぐらを形成しています〔写真〕。今冬、「越冬ねぐら」を捜しています。ご存知の方はお知らせください。                     〔日本野鳥の会東京・研究部〕