
6月12日(金)、東京・奥多摩の御岳ビジターセンターを訪れ、最近のようすをお聞きした後、大岳山(1267m)へ登りました。梅雨入り宣言が出ると晴れるのジンクス通りの好天。山頂からは丹沢の山並の先に、白い帽子をかぶった富士山がうっすら見えていました。繁殖の最盛期、キビタキ・オオルリ・コルリ・マミジロ・センダイムシク・ホトトギス・ジュウイチ・ツツドリ・・・と夏鳥のさえずりも一通り聞こえるものの数が少なく、静かな山行で、日本の森の先行きが心配といった状態でした。
そんな中、馬頭刈尾根から白倉へと下りる路で、初めての体験をしました。午後3時ごろのこと、ひたすら歩いていると、右手の藪からガサゴソという音が聞こえ、トラネコのような茶色い動物が見えました。その動物は目の前に飛び出してきて、左翼を広げ、傷ついたようなしぐさを見せ、笹藪へともぐり込みました。最初は近くに巣があるのかと思いましたが、目の前のササ藪が一直線に揺れ、何かが動くようすが見とれました。「ヒナが逃げているのだ!」ヤマドリの雌の擬傷だったのだと気付きました。姿は見えなくなっても、シューシューという、まるで怪獣が吐くような威嚇の声は続き、その迫力にタジタジ。子を守ろうという親の姿に感動を覚えました。
同じような体験は、1週間前に東京都心の日比谷公園でも経験しました。こちらはハシブトガラス〔写真〕。園内を巡回するガードマンへの威嚇行動を取材中に、巣立ちビナの近くで写真を撮っていた私への怒りのようすは、今回のヤマドリと同質のもの。ごめんなさいと謝って、そうそうに引き上げました。
今は野鳥たちの繁殖期、東京都内でのいろいろな鳥の近況をお寄せ下さい。子育ての妨害にならないよう、節度をもって発表します。(川内博)