2020年12月25日金曜日

東京の街にフクロウが・・・情報をお寄せください

  

 東京23区内にフクロウが棲み始めたようです。フクロウはカラスやオオタカと同じくらいの大型の猛禽類。食べ物はネズミやモグラ、鳥など生きた動物です。おもに夕方から夜間にかけて採餌活動をしているため、昼行性の人間の目に触れることが少なく、身近にいても気づかないことが多い鳥です。そんな夜行性の猛禽を、JR山手線の内側の場所で確認したとの情報がいくつも寄せられています。なかにはペアで行動する例もあります。【写真】

東京では、以前から奥多摩の山地の森林に棲んでいましたが、最近は、東京近郊での観察例が増えていますし、巣箱での営巣も知られています。

「棲んでいる」ということは「生活できるだけの食べ物がある」ということです。実際、都心部の緑地を歩いていると“モグラの土盛り”を見かけることが多くなっています。彼らが子育ても含めて「生活できる」食糧があるのではないかと考えています。

1月~2月にかけて、雄は“ゴロスケホッホ”と鳴き、雌はさかりのついたネコのような“ギャハャー、ギャー、ゲギャヤ”といった叫び声を出しますので、都内の緑地の近くに住んでいる方・勤めている方は、夕方~夜半にかけてご注意ください。

そんな鳴声を複数回聞くことがあるようでしたら、タイトルを[ 研究部宛・フクロウ]として下記のアドレスにメールをください。確認に出向きます。E-mail:office@yacho-tokyo.org 〔日本野鳥の会東京・研究部〕

 

 

2020年11月28日土曜日

東京のムクドリのねぐら・2 最新のねぐら情報  秋・ムクドリの群れはどこに?

  

都内のムクドリの集団ねぐら地が近県に比べ少ないことは、本ブログの831日付で紹介しました。この秋はどうなっているかということで、それらの地を複数回訪れてみました。JR中央線・八王子駅(八王子市)は以前から北口に形成されていて、1012日は1000羽程度が駅前ロータリーの街路樹にねぐらをとっていました。しかし1126日に調べたところ、街路樹は強剪定をうけ、ねぐらになっていず、ムクドリたちは街路樹ぞいのビル屋上の広告用ランプの金属製の腕木に群れていました。【写真】

京王線・聖蹟桜ヶ丘駅(多摩市)の京王電鉄本社前のねぐらは、917日には大ケヤキに3000羽以上が集結していましたが、1126日には常緑樹の並木に移っていました。京王線とJR南武線が交差する分倍河原駅(府中市)近くの大型ショッピングセンター前のねぐら地は、94日には5000羽程度の大規模ねぐらを形成していましたが、1126日に立ち寄ったところ、鎌倉街道ぞいのねぐらとなっていた街路樹は剪定・強剪定を受け、鳴声も糞跡もありませんでした。買い物客の自転車を整理していた男性に聞いたところ、数週間前に剪定され、その後は飛来していないとのこと。

数年前に知られるようになった東京メトロ副都心線・明治神宮(原宿)(渋谷区)は、102日には3000羽前後を確認しましたが、1113日・23日には姿も声も、また、糞で汚れていたエレベータ-前の手すりにも新しい糞跡がなく、飛来しなくなったようです。さらに、810日ごろに新発見された、東京メトロ有楽町線・平和台駅(練馬区)の環八通り沿いのねぐら地は、917日には街路樹は剪定され、電線に約3000羽が止まっていました。1012日に訪れた時は、以前集まっていたスーパーマーケット付近にはいず、そこから100300m離れた電線に分散して止まっていました。付近で何らかのムクドリ対策がとられ、不安定な状態になっていたと思われます。そして、1123日にはその姿は消えていました。ここ10年近く大規模ねぐらとなっていた東京メトロ東西線・西葛西駅(江戸川区)の南口は、ここのところその姿・声を確認できませんでした〔822日・102日・1113日〕。

ということで、少なくとも東京23区内で確認していたねぐら地からはムクドリがいなくなったという状況です。群れを解消したのか、どこに移ったのか不明ですが、冬の期間どのような状況になるか、機会をみて観察を継続する予定です。これらのねぐら地以外をご存知の方はお教えください。       〔日本野鳥の会東京・研究部・川内〕

2020年10月27日火曜日

大都会の緑島・小石川植物園での写真集・『文の京の野鳥達』(井上裕由作品集)

  

「小石川植物園」は正式名を「国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園」といい、東京23区のほぼ真ん中の文京区に広がる約62haの緑地です。

その生い立ちは320年以上前の江戸時代の「小石川御薬園」で、“赤ひげ先生”の話で知られる「小石川養生所」があった場所です。その環境は、空から見るとコンクリートの海に浮かぶ緑の島(緑島・りょくとう)のように見えます。

 由緒あるこの緑島を、愛用のカメラをかついで歩いているのが井上裕由さん。今回の写真集は、2009年頃から現在に至るまでに撮影した写真の総集編であり、観察の時期および最近5年間・469回の観察における遭遇率も掲載されています。

2016年制作の前作『一期一会の野鳥アルバム(小石川植物園の野鳥達)』に直近の4年間で新規に観察できた20種以上を加えた93種を収録したとのこと。この9月にA4判・133ページのアルバムとして発行されました。

その中には、日本野鳥の会東京の月刊誌『ユリカモメ』の表紙を飾ったツバメ・ムギマキ・ミヤマホオジロ・コホオアカの写真も収めてあり、コウライウグイスやヤマシギ、フクロウなどの貴重な記録も含まれています。ページをめくるごとに、“大都会・東京に!!”と驚かれるでしょう。

 都内の緑島の多くが、常に人為的な手入れがなされているのに対し、自然をあまりいじっていない園の存在は貴重で、この記録は、研究部としても重要な資料といえます。                                        〔研究部〕                      ※   紹介の本は完売しました

2020年10月8日木曜日

「タカ ハヤブサ フクロウ ~荒川流域の猛禽類~」展を見て来ました

  

埼玉県大里郡寄居町の荒川沿いにある、県立川の博物館の秋期企画展「タカ ハヤブサ フクロウ ~荒川流域の猛禽類~」に行ってきました。博物館は東武東上線鉢形駅から徒歩20分。

埼玉県で記録されている猛禽類はミサゴ科1種・タカ科15種・フクロウ科6種・ハヤブサ科5種とのこと。展示では荒川の上流の山地、中流の丘陵地・台地、下流の低地・都市部で見られる猛禽類の生活をはく製や写真などとともにわかりやすく展示してありました。また、ライバル(カラスやサギ)や獲物、他の県で見られる猛禽も紹介してあり、北方系のオジロワシやオオワシの記録もあるとのことでした。入館料は410円。〔会期926日~1123日〕

人々と猛禽類の関係の展示では、同館所蔵の江戸後期の大名鷹狩絵巻があり、1115日(日)の午後には「放鷹観察会」が予定され、また、1114日(土)には学芸員による展示解説が行われるとのことです。スロープの鳥の写真展につられて進むと、昔の筏や船の運送や、水車の利用、洪水対策の水蔵などの展示もあり興味深く見てきました(来年の27日まで展示)。

見終わった後に、外に作られた荒川大模型で解説文や地名・橋名を見ながら歩くと鳥の目になった気分を味わえました。(川内桂子)

 

2020年8月31日月曜日

東京のムクドリのねぐら・1 最新のねぐら情報・東京メトロ・有楽町線平和台駅

  

東京のムクドリのねぐらについては、2015814日以来、「都内のムクドリのねぐらは?・・・探索にご協力ください」というタイトルで、2017723日付までに7回アップしてきました。この問題の発祥の地は1950年代の東京のど真ん中・千代田区ですが、その後、首都圏における人口のドーナツ化現象に呼応するように、周辺の千葉県や埼玉県、神奈川県へと広がり、今では全国化しています。
ところが、“東京にはムクドリのねぐらはどこにあるの?”と呼びかけるくらい他県に比べると少ない状態が続いています。これまでに認知しているねぐらは、23区内では西葛西駅前(江戸川区)、戸山公園(新宿区)、神宮前交差点(渋谷区)、多摩地区では、八王子駅前(八王子市)、聖蹟桜ヶ丘駅(多摩市)、分倍河原駅(府中市)です。

今夏8月、練馬区で、新ねぐらの発見がありました。場所は東京メトロ有楽町線平和台駅近くの環状八号線沿いで、11日と22日に現地で状況を調べたところ、数は1000羽程度。スーパーライフの入り口付近から100m程度の街路樹(ケヤキ)と電線でした。スーパーの店長や警備員、家族連れの主婦に状況を聞いたところ、ねぐらができたのは3年前くらいのようです。同駅を使っている知人にも聞いたところ、そちらの出入り口とは反対の改札口を使っているので、ムクドリのねぐらについては知らないとのこと。現時点では、それほど大きな問題にはなっていないようです。                          〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2020年7月31日金曜日

「東京の野鳥たち」を撮ろう! そして表紙を飾ろう!!

  
『ユリカモメ』は日本野鳥の会東京の月刊会報誌。その表紙は、19951月号から、会員によって撮られた、都内や東京近郊の野鳥の写真が載せられています。8月号にはこれまでの掲載のようすが紹介されています。それによると、登場した鳥は192種。登場回数の多い鳥は、カワセミ〔8回〕 ツバメ〔7回〕 ルリビタキ〔6回〕、ジョウビタキ〔5回〕 アオサギ・キジ・コサギ・ツミ・ヤマガラ(亜種を含む)〔4回〕などとなっています。 撮影者は137名。掲載回数が一番多い人は14回。

今後も表紙写真は“東京で撮られた”野鳥の写真が優先されるとのこと。東京都には2000m級の雲取山から、太平洋上を1000㎞南下した小笠原諸島まであり、亜高山性の鳥~森林の鳥~市街地の鳥~水辺の鳥~島の鳥~海洋性の鳥と、その種類は多種多様で、撮りがいのある地域ですので、今後どんな鳥が登場するか楽しみです。
ちなみに8月号の表紙写真は、八丈島沖で撮られた“アオツラカツオドリのダイブ”シーン。夏にふさわしいショットです【写真】。

これまで200種近くが登場していますが、アカゲラ・イソシギ・イワツバメ・ウミネコ・オオセグロカモメ・オオミズナギドリ・オカヨシガモ・カワウ・キアシシギ・キンクロハジロ・スズガモ・セグロカモメ・トビ・ハマシギ・マガモ・ムナグロなどの普通種がまだ登場していないとのこと。これらの写真は掲載が優先されるようです。
『ユリカモメ』は読むだけ・見るだけでなく、傑作作品を発表する場ともなります。これまでどんな鳥がいつ登場しているかは、本ホームページのトップページに[ユリカモメ表紙写真検索ツール]というソフトがリンクされています。また、応募をと考えている方は、同じトップページの[ユリカモメ表紙募集]のボタンをクリックしてください。

2020年6月30日火曜日

夏鳥の繁殖は今・・・コアジサシの繁殖状況をお知らせください

  

コロナ禍のなか、興味深い話を耳にしました。川の中州や海岸の砂浜、埋立地などで繁殖する夏鳥のコアジサシ(若鳥)【写真・川内 博氏撮影】が、休業中の企業やテーマパークの駐車場で営巣しているとのこと。コアジサシが駐車場で営巣することは以前から知られていて、人や車が来ない、ジャリや小石が敷き詰められて、草木が生えていない裸地は、本来の営巣地に似ていて営巣可能な場所だからです。
東京都内の営巣地は、かつては東京湾岸の埋立地地、多摩川の中州などいろいろ知られていましたが、埋立地には建物が建ち、未利用の場所は草木で覆われて、広い裸地を好むこの鳥は繁殖できなくなっています。
現在知られている営巣地は、大田区大森の森ケ崎の水再生センターの屋上と中央防波堤埋立地、葛西海浜公園などです。今年は“臨時”で適地が増えた可能性があります。具体的な観察例がありましたらお知らせください。 E-mailoffice@yacho-tokyo.org <コアジサシ係> 
                (日本野鳥の会東京・研究部)

2020年5月19日火曜日

急報!「全国鳥類繁殖分布調査」の報告をYoutube で・5月22日夜8時から

  
佳境を迎えた全国鳥類繁殖分布調査。フィールドノートからの“お宝探し”作業は順調でしょうか。
「コロナウイルス禍」というハプニングの渦中ですが、その調査報告会をWEBで行うという知らせが届きました。実施は今週の金曜日22日という喫緊なかですがお知らせします。

日時:522日(金)20002030  [全国鳥類繁殖分布調査で見えてきた、全国的な鳥の変化] YouTubeライブ https://youtu.be/n-fswx9PeU4

従来、調査報告会は、秋~冬にかけて、全国各地で実施されていましたが、今年は実施できるか予断を許さないという状況で、WEBでの実施を試みるようです。
内容は、全国の主要な結果をざっと紹介する形で、改善点などの意見や質問などのコメントを書き込めるようで、発表後の質問時間に答えてくれるそうです。
なお、先々は、北海道版、沖縄版など、地域ごとの特徴についても行う予定があるようです。

2020年4月30日木曜日

“カラスのケンカ”・食糧源が減った都内のカラスの動向を注視しよう

  


 オオタカの繁殖状況の確認で都心部の緑地を訪れたとき、“カラスのケンカ”現場に遭遇しました。2羽のハシブトガラスが取っ組み合って、上に乗った個体が下の個体のくちばしの根元あたりを何度もつついていて、そこからの出血も見られました 〔写真〕2羽の間に力の差があり、攻撃は一方的でしたが、数分後組み敷かれていた個体が、掴まれた脚を振りほどいて逃げ去り、ことは収まりましたがなかなかの迫力でした。
 
ところで、東京都区内のカラスが減ったと思いませんか。都市鳥研究会が5年ごとに実施している都心部3か所(明治神宮・自然教育園・豊島岡墓地)の調べでは、最大の時期(2000年・18,664羽)と比べ、2015年は、4,816羽と約1/4に減っているとのこと。また、東京都環境局のサイトによると、都内全域でのカラスの「捕獲数」は開始初年度(2001年)が36,400羽だったのに対し、2019年は8,800羽と、都心部のねぐら調査と同じ約1/4に減じていると発表されています。

研究部では20年前に“東京のカラス問題”を提起し、「東京のカラスをどうすべきか」・「東京のカラスをこうして減らす」などのタイトルで、5回のシンポジウムを開きました。
 その当時もっとも力点をおいたのは、路上に放置された家庭や飲食業者から出される「生ごみ」で、人の食べるものなら何でも口にするカラスの習性から、「早朝、だれも見ていない路上に食べ物が置かれていたら、それを食べるのは当然」・「食べ物が豊かであれば、子供が増えるのは当然」として、「生ごみ」の適切な処理を訴えました。
 都では、「トラップ捕獲及び大規模ねぐらでの巣の撤去を継続実施」と「エサやり防止・ごみ対策等において、区市町村と連携して対応」を続けていて、「都庁によせられた苦情相談件数の推移」グラフを見ると往時の1/10以下になっているようで、シンポジウム開催の意義の一部が実っているようです。〔カラスの捕獲には反対を続けています・それについては別項で〕

YouTubeを見ていると、数羽のカラスが1羽を執拗に攻撃している画像がアップされています。なかには明らかに“共食い”と思われるような映像もあり、この鳥の食生活の一面を知ることができます。いま、新型コロナウイルス禍で、都内の多くの飲食店が閉店し、公園なども閉鎖され、彼らの食糧源のひとつである「生ごみ」や「落とし物」が激減しています。
オオタカが営巣している緑地の広大な芝生地では、30羽以上のハシブトガラスが、一面に下りて地面をつついていました。新たな“東京のカラス問題”が発生しないか、一緒に注視してください。  〔川内 博〕
 

2020年3月31日火曜日

鳥類繁殖分布調査に協力しよう・・・・・・・・2017年~2020年の記録

  

かつてはその子育てがよく見られていて、最近どうしたの?と思う代表種にバン〔写真〕がいます。1970年代には東京都内東部の低湿地帯、多摩川流域、それに杉並区の公園などで繁殖していましたが、2010年代の調査では今のところ杉並区内と多摩川の中流域だけのようです。同じように激減傾向を示しているのがゴイサギカイツブリイソシギコチドリなどの水系の鳥たちです。
 今春はNPO法人バードリサーチが中心となって行っている「東京都鳥類繁殖分布調査」・「全国鳥類繁殖分布調査」の最終年です。上記の鳥に限らず、近所やフィールドでの子育てのようすを調べてください。平地部(23区・多摩区)は5月初旬~6月下旬、奥多摩地区は5月下旬~7月下旬、伊豆諸島は5月中旬~6月下旬の記録が対象です。

しかし、今春野外で調査を行うには「新型コロナウイルス」の問題が立ちはだかっています。そこでこれまで記録を書き貯めていた「フィールドノート」から“宝”を掘りだし、「アンケート調査」に協力しましょう。
 アンケート調査は2016年~2020年までの記録が対象で、本年8月が締切りです。現地調査もアンケート調査も、対象種は外来種も含めて、日本に生息する全鳥類です。くわしくは「バードリサーチ・繁殖分布調査」で検索して“宝物”を送ってください。


2020年2月29日土曜日

越冬している「標識フラッグ付きミヤコドリ」   見かけたらお知らせください

  

東京湾の最奥部の千葉県船橋市の三番瀬〔ふなばし三番瀬海浜公園〕でフラッグ付きのミヤコドリが観察されたのは2019925日のこと。1024日に本ブログで“速報! 標識フラッグ付きのミヤコドリ発見”として、黒・黄色のフラッグに〔T6〕の刻印がついたミヤコドリの写真が添えられていました。そこでは触れられていませんが、初記録の2日後の927日には、伊勢湾の三重県津市の安濃川河口で、同じタイプで〔T7〕のフラッグを付けたミヤコドリが発見されていました。

1219日、環境省と山階鳥類研究所から、標識を付けたのは「ロシアのカムチャツカ半島の営巣地で、まだ飛べないヒナの状態で装着した3個体のうちの2羽である」ことが発表されました。以前から、“日本に来る群れはカムチャツカ生まれ”と推測されていましたが、この2羽の標識個体の発見で繁殖地が特定されたことになりす。

日本野鳥の会東京の会報『ユリカモメ』3月号には、地図などもまじえてその詳細が掲載されています。その記事には〔T6〕のフラッグを付けた新しい写真が添えられています。これは、三番瀬で22日に田中富夫氏によって撮られたもので“越冬している”という証拠となるものです【写真】。「個体識別」ができるこのミヤコドリを追っていくと、彼らの行動圏などを知ることができます。ミヤコドリを見かけたら“フラッグ”がついていないか気をつけてください。そして発見したら「場所と年月日」を、研究部あてにお知らせください。ミヤコドリ研究会〕

2020年1月30日木曜日

多摩川上流域でシノリガモ2羽を記録

  

昨年から実施されている「多摩川センサス」の担当している区分の1月分の調査を1月6日(月)に行いました。調査の終了直前に、拝島橋の約300m上流(昭島市拝島町地先)でシノリガモ2羽(雄若と雌型)を観察しました【写真】。昨秋の大雨の影響で川の流れはさまざまに変わっていますが、シノリガモがいたのは川幅が狭まって、急流のような流れになっている場所で、何度も潜っていました。餌を取っていたと思われます。

東京都でのシノリガモの記録は少なく、現時点のチェックでは多摩川での記録は見つかっていません。過去の記録としては、『東京都産鳥類目録』(1974年)によると、19151月に1羽採集記録があり、羽田での190521年の調査のなかで唯一の記録だそうです。その他の記録は大島・八丈島・三宅島などです。
『東京都産鳥類目録2000』(2009年)には江東区に記録がありますが、これは1996215日に東雲運河で観察された1羽雄の観察です。
その後は『東京の野鳥たち・2』(2018年)の「中央防波堤埋立地の鳥類記録」のなかに、201234月にかけての1羽雄の観察例が記載されています。
 
今回、シノリガモの記録を調べていたら、中央防波堤埋立地ではもう1例、201211月~20133月に1羽雌の観察記録があることがわかりました。この記録については、今回の多摩川での報告に加える形で『ユリカモメ』の鳥信に投稿予定です。これらのほかに都内での記録がありましたら、研究部までお知らせください。         〔川内 博〕