大田区北部の公園では今年オオタカが初めて営巣し、3羽の幼鳥を無事に巣立たせることに成功しました。その過程を観察しましたので報告します。
3月下旬、オオタカのケッケッケッの声が頻繁に聞こえ、雌雄が公園内の松の枝で仲良く寄り添う姿が見られました。4月上~中旬には松の木の高所に作られた巣上に雌の尾羽が見え、また目障りなカラスを雄が激しく追い回すシーンもありました。4月下旬になると目立つ声や行動が少なくなり、カラスもおとなしくなりました。5月上旬には雌が巣の横で伸びや羽繕いをする姿が見られ、5月10日に巣の方向からピーピーという細い声が聞こえました。これはふ化したヒナの声だったようです。6月1日には初めてヒナの白い頭が巣上に見えました。給餌は順調に行なわれ、6月22日に2羽の幼鳥が巣から10mほど離れた松の木まで飛びました。巣にはまだ頭に白い毛の混じった3番目のヒナが残っていて、雌が給餌に飛んで来ました。発育の差が大きくて心配でしたが、6月29日には成長の遅かったヒナも巣から出て近くの枝に止まり、ピエーピエーとしきりに声を出していました【写真1】。そして7月5日、3羽の幼鳥が松の枝にそろって立っているのが見られました【写真2】。幼鳥はその後も親から給餌されたエサを地上で食べる姿などが観察されています。
今年この公園でのオオタカの営巣には散歩の人やバードウォッチャーなどかなりの人たちが気づいていましたが、繁殖行動の邪魔になるような状況にはならず、3羽の無事な巣立ちにつながりました。来年以降も人と鳥の良好な関係を保っていきたいと思います。 〔川沢祥三〕
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