2011年5月26日木曜日

日比谷公園のスズメ調査・昨年とほぼ同じ数

  

昨年5月15日(土)に第1回を開催した、東京・日比谷公園でのスズメ調査探鳥会。今年も同じ時期の5月14日(土)に同じ時刻・コースで2回目の探鳥会を実施しました。結果は、昨年が115羽だったのに対し、今年は106羽とほとんど同じといえるものでした。一方、同時にカウントしているネコは、前回が12匹だったのに対し、今回は6匹と半減。ただし、本当に減ったか否かについてはこれだけでは不明。
ところで、今回のトピックはキビタキとの出会い。この時期には同じ夏鳥のセンダイムシクイやオオルリ、サンショウクイなども、都心の緑地で出会えることがあります。今年は季節が1~2週間遅いようで、例年4月中下旬がピークなのに対し、やや後ろにずれているようで、バードウィークに素敵なキビタキの囀りと美しい姿が見られたというわけです。〔写真:川内博氏提供〕
探鳥会解散後は、有志でスズメの営巣場所捜しを実施し、交通標識や照明塔の穴、建物の屋根の下の穴など、人工物に営巣する事例を観察しました。中からはヒナの声が聞こえ、親鳥がさかんに餌運びをしていました。

2011年5月23日月曜日

八丈島でアカコッコのセンサス調査を実施

  

 4月下旬、東日本大震災の影響で中止になった八丈島探鳥会と同じ日程で、八丈島でのアカコッコの状況調査を有志で実施しました。参加者は日本野鳥の会東京会員の川端一彦・川沢祥三・川内桂子・川内博・久保賢一と地元の岩崎由美・森由香の各氏で、4月24日(日)早朝4時~6時30分に、自然環境の良好な場所(鴨川林道)、樹林地の中の道(八丈ビューホテル近く)、緑の多い住宅地(都道神湊八重根港線)、翌朝には、緑の少ない住宅地(三根)の計4か所でのロードセンサスを実施しました。
天候は全体的にはよくなく、23日は渡り途中のツバメの群れが、アパートのベランダに逃げ込むほど〔写真〕でしたが、翌朝は曇りながら雨は降らず、予定通り実施できました。
 調査は3時起きで、4時15分から調査開始、1㎞のルートを時速2㎞で1往復半(3回実施)。4か所中、一番アカコッコが出たのが「緑の多い住宅地」で、アカコッコが鳴きはじめたのは4時22分。そこから30分間に記録した鳥は6種26羽。その中でアカコッコは19羽で、全体の73%を占めていました。しかし、次の30分間には10種53羽中10羽で19%に、さらに日の出後の5時15分からの3回目には7種40羽中17.5%とその出現個体数の減少とともに優占率は急降下しました。
 次いで興味深かったのが島の中で「自然環境良好」という鴨川林道。現地に着いたのは4時。あたりはまだ真っ暗で車から降り立つと5か所からトラツグミの声が同時に響いていました。1回目は5種17羽を記録。アカコッコの声が聞こえたのは4時24分。ただし調査範囲外からでした。2回目は10種49羽。アカコッコは1羽で地鳴きでの確認。3回目には記録ゼロ。ちなみに一番声が響いていたのはイイジマムシクイ。同行いただいた森さんの話では、今年は夏鳥の渡来が1~2週間遅いとか。最盛期にはにぎやかとのことでした。
6月10日(金)の研究部月例会で、詳しい報告をします。ご参加ください。

2011年5月12日木曜日

第3回 スズメ調査探鳥会 in HIBIYA ・5月14日開催

  

昨年から春と冬の年2回実施しています東京・日比谷公園でのスズメの個体数調査「スズメ調査探鳥会」を、5月14日(土)朝に開催します。初心者の方も参加できますので、バードウィークの1日、都心での初夏の朝を堪能してみてはいかがでしょうか。
スズメが減っているということは最近話題となっていますが、その実態をきちんと検証するデータはあまりありません。ただ、東京一帯の場合は、1970・80年代からの長期間の定期調査が数か所で行われていて、その結果から明らかに減っている状況がわかっています。最近では、神奈川県の箱根での1978年と2010年の調査比較検討が発表され、激減の実態が解明されています〔 有田一郎 (2010) 箱根におけるスズメの繁殖分布 -32年経過後のトレース調査結果-.Urban Birds 27:2-26 〕。このほかにもスズメの減少が東京だけの話ではないことが徐々に明らかにされています。
日比谷公園での状況は、まだ春・冬1回だけの記録しかありませんが、昨年5月15日(土)は115羽、12月4日(土)は141羽でした。今回実施すれば、とりあえず比較ができるといった段階です。スズメ以外にも春は12種、冬は21種を記録していますので、バードウオッチングとしても楽しめます。ちなみにこの調査では「ネコ」の数もカウントしています。野外生活をしているネコ(野良猫)が野鳥に及ぼす加害は大きいのではないかと考えています。その実態も合わせて研究しています。
【日時】2011年5月14日(土)午前8時集合・11時ごろ終了 
【場所】都立日比谷公園・祝田門〔地図右上の黄色い丸印が集合場所〕
【持ち物】双眼鏡、メモ用具など 
【参加資格】参加費無料・どなたでも自由に参加できます

2011年5月3日火曜日

バードウィーク・スズメとツバメの物語・5月11日開催

  

今年もバードウィークの季節となりました。1947(昭和22)年に始まった「バードデー」がその始まりとか。今年も5月10日からの1週間がその期間です。
日本野鳥の会東京ではこの期間に3つの探鳥会と1つの講演会を開催します。そのうち、研究部が担当するのは5月11日(水)の講演会「身近な鳥・スズメとツバメの物語」と5月14日(土)の「スズメ調査探鳥会 in HIBIYA・3」の2つです。谷津干潟と明治神宮の探鳥会については、会の公式ブログをご覧ください。また、スズメの探鳥会の件は、本ブログで別に紹介します。
5月11日に開催する講演会は、「バードウィーク企画」と銘打っていて、スズメやツバメといった身近な鳥の生態や行動を観察することにより、野鳥の世界へご招待しようというもので、日ごろバードウォッチングや自然観察に興味はあるけど、野鳥の会などに入るのはちょっとと思っている人を対象としたものです。近いしい方で、そんな仲間をご存知の方はご案内ください。開催時間も、平日の午後の2時~4時というゆっくりできる頃ですので、原宿でお食事をして、夕方には家に帰りつける絶好のタイムと思います。
【日時】2011年5月11日(水) 午後1時半開場、2時~4時。 
【場所】渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・1階会議室〔地図参照〕 
【定員】先着50名〔最新・野鳥5月号進呈〕 【参加費】300円