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2009年5月11日月曜日

夜の鳥?明らかにされつつあるミゾゴイの生態

  

 ここのところ東京都内で、ミゾゴイ観察の話題が重なっています。世田谷区の蘆花恒春園では、4月10日~4月23日までの10日間滞在しました。園内では日中行動し、背丈の低いササ藪の中を歩きまわり、落ち葉留めのような場所で、ミミズなどを採餌していたとのことです。驚くと木に飛びあがり、動かずじっとしているという行動が見られたようです。止まる木の高さは2.5~3メートル程度で、周辺に高木がある環境ですが、高い木には止まらなかったとのことです。また、新聞報道によると武蔵野・三鷹市の井の頭公園でも4月27・28日に観察されています。そのほか、23区内でも観察記録があるとか。東京都内では、一昨年にも4月に足立区舎人公園に現われて話題になりました。
 ミゾゴイは人目に付かない『夜の鳥』というイメージが強く、その生態はあまりわかっていませんでした。しかし近年、奥多摩での繁殖活動の詳細な記録が報告され、その実態が明らかにされてきました。夜間に活動が活発になると思われていましたが、実際は昼間にさかんに採餌をすること、5日間にわたってビデオカメラを設置した夜間観察によると、まったく採餌活動をしなかったことなど、興味深い話題が満載です。
 夏鳥・ミゾゴイの激減は全国的な問題です。少なくなったとはいえ、「まだ生息している」今の段階での対策が重要です。東京都では現在レッドデータブックの改定作業が行われています。まず、実態を把握してという段階ですので、ミゾゴイに限らず、保護が必要な鳥類についての情報をお寄せ下さい。
(写真は、世田谷区で観察されたミゾゴイ・宮森達雄さん提供)

2009年3月27日金曜日

東なぎさ・素敵なロケーション

  


3月19日(木)の午前中、東京都のRDB関係で、葛西臨海公園先の東なぎさの調査を行いました。ここはに入るのに許可が必要なことはもちろん、最大の難関は幅100m程度の運河を渡らなければならないこと。数万円かけて船を雇うこともできず、長年、西なぎさからその一部を見るか、クリスタルビューから遠望するかしかなく、一度も上陸したことがありませんでした。しかし、世界的な珍鳥・クロツラヘラサギが数羽、以前から見られているなど、東京湾最奥部の水辺環境としては重要な場所。しかし、その実態はあまり知られていません。東なぎさ・西なぎさはご存じのように、葛西臨海公園の中のひとつとして造成された「人工なぎさ」。西なぎさが一般開放されているのに対し、東なぎさは生物・とくに鳥類保護のために立ち入りが禁止されている場所で、釣り人などがときどき立ち入いるほかは、人気のない環境として保全されています。
19日は朝、他の調査に便乗して東なぎさに渡してもらい、端から端まで、3時間程度の探索をしてきました。その感想は、“東京湾最奥部にこんな素敵な環境が形成されているとは!”という、予想以上の驚きでした。上陸したときは小潮の干潮時、オオジュリンやツグミなどが飛ぶ、枯れたヨシ原を探索しながら東端に着くころには砂質の干潟があらわれてきて、ダイサギやアオサギ、ユリカモメ、ハマシギの群れが次々に飛来し、ミヤコドリも10羽以上が採餌するような状況になりました。なにより気分がいいのは広々とした干潟が形成されていること。人工なぎさの成功例ではないでしょうか。周りの景色も東京とは思えない、しかし、水族園の建物やディズニーランドが近くに見えたり、佃島の超高層ビルが遠望できたりするので、確かに東京は間違いないと確認するという、素敵なロケーションでした。
カンムリカイツブリ・スズガモの数1000羽の群れ、夏羽のハジロカイツブリの小群、シロカモメ、ミサゴなど26種類を数えました。鳥影はまだ少ないという印象でしたが、逆に、もっといい環境にして、とくにシギ・チドリ類が利用できるような工夫のしがいがある場所だとも思いました。
詳しくは4月15日(水)夜に予定している『日本野鳥の会東京支部・室内例会』で写真を交えて報告します。
近く研究部HPに案内を載せますので、ご来場ください。(川内博)

2009年3月22日日曜日

冬鳥の終認(しゅうにん)記録をとろう

  

ここのところ荒川の彩湖に何度か訪れています。ヨシガモが近くに見られます(写真)。天気の良い日などには、独特のディスプレイなども観察でき、ヨシガモ・ウオッチのポイントのひとつ。また、この湖のセールスポイントであるカンムリカイツブリはほとんどが夏羽に換わっていて、以前の「白い鳥」から黒っぽい鳥に変身しています。また、オオバンが200羽程度越冬していて、群れで岸辺に上がって、ゆっくり採食している姿も見ものです。
これらの冬鳥たちは、間もなくこの地を去って行くでしょう。いつ姿を消したか、それを「終認」といい、その正確な日を知ることはけっこう難しいものです。なぜなら、いつも観察しておかなければならないからです。
今年の冬は、オオハクチョウが飛来したり、ヒクイナが越冬したり、オオコノハズクが長期滞在したりと、ギャラリーが押し寄せるような話題が続きました。3月下旬から4月いっぱいは、冬鳥と夏鳥の交替時期、鳥たちの動きにご注意を。(川内博)

2009年2月28日土曜日

冬場に夏鳥ヒクイナが生息・東久留米市黒目川で

  

1月末に新聞などで報道されていますのでご存じの方が多いでしょうが、関東地方では夏鳥のヒクイナが、真冬に東京都内の川で観察されるという珍事。場所は東久留米市幸町1丁目の黒目川。発見されたのは1月24日ごろ。それ以来ほぼ同じ場所で生息。私が観察したのは2月22日(日)。黒目川は街中を流れる石造りの護岸の川幅10数mの小河川。両側は人や自転車が走る遊歩道となっています。最近の珍鳥出現場所の定石通り、数十人のカメラマンとギャラリーが集まっていました。私もその中のひとりとなり、観察と撮影をしてきました。この地のヒクイナは人を恐れるようなそぶりは全くせず、岸辺の草むらを歩きながら、一所懸命餌探し。草むらが途絶えるとその場所は急ぎ足で通りぬけ、また、草むらに入ると、短い尾をピクピクと立てながら、歩きまわるという行動でした。ヒクイナの冬季の観察例は、たぶん、東京都内では初めてだと思われます。繁殖自体も激減していて、確実な繁殖事例は、1990年6月の狛江市多摩川までさかのぼらなくてはならないのではないでしょうか。(川内博)

2009年2月4日水曜日

清瀬市・柳瀬川で越冬ツバメ発見・情報をお寄せ下さい

  

「越冬ツバメ」の話題は昔からありました。とくに浜名湖畔の『お宿』は有名で、半世紀以上の歴史があり、1970年初めには140羽が定宿にして越冬していました。しかし、年を追うごとに減っていき、1984(昭和59)年2月7日に最後の1羽が飛び立ったきり帰ってこず、消滅したという記録があります。これほどの越冬ではなく、数羽の記録は東京でも多摩川をはじめ、いくつも観察されています。1975年発行の『東京都産鳥類目録』には、1961年1月1日6羽+、調布市多摩川(無事越冬)、翌冬も同地で2羽が越冬したようです。64年には浅川という記録もあります。その後も、1976(昭和51)年1月4日に西多摩郡(現あきる野市)五日市町、同じ冬には川崎市多摩区多摩川で数羽の越冬が記録され、新聞記事にもなっています。94年12月、96年1月にも多摩川で記録されています。さらに調べると、まだ記録があると思います。
ところで、今年は1月26日に、清瀬市柳瀬川1羽が観察され、撮影されました。発見した青木秀武さんによると、場所は城前橋上流100メートル付近で、川面や畑の上を飛び回り、陽のよくあたる護岸コンクリートの上や、ビニールトンネルの止まるなどの行動を繰り返したとのことです。このことをMLに流したところ、さっそく千葉県の小櫃川河口で、1月3日に1羽観察したという情報が、西方明雄さんから寄せられました。腹部が茶色っぽい個体だったとのこと。
これを機会に、首都圏の最近の「越冬ツバメ」状況をまとめてみようと思っています。ぜひ状況をお寄せ下さい。自分の観察だけでなく、確実と思われるご存じの記録を教えてください。また、文献などもご教示いただければ幸いです。
【情報提供先】研究部HPからお願いします。 http://homepage2.nifty.com/tokyo-birdstudy/
写真:水村豊次郎氏提供

2009年1月19日月曜日

カワセミ調査ありがとうございました

  

この冬に初めて実施しました東京都内のカワセミ調査は、1月11日(日)好天に恵まれて、無事終了しました。現在、記録が続々と寄せられています。渋谷区の明治神宮からは3羽(2♂・1♀)、文京区の六義園では1羽(♂)、練馬区の石神井公園からは、この冬は4羽越冬しているが当日は1羽(♂)確認とか。清瀬市の柳瀬川流域の金山調節池では3羽(2♂・1♀)、東久留米市の黒目川・落合川ではそれぞれ1羽ずつ。新顔としては、下町足立区の桑袋ビオトープ公園で1羽確認・・・・。この場所は有名だから、誰かがすでにと思わず、ぜひご報告ください。締切は1月31日です。

2009年1月9日金曜日

ハクチョウの飛来にご注意ください・餌やりや悪影響のある撮影の自粛呼びかけをお願いします

  


1月8日(木)夕方、オオハクチョウが石神井公園(練馬区)に4羽(成鳥2羽・幼鳥2羽)飛来し、本日9日(金)に確認・撮影され、テレビのニュースなどでも報道されました。9日は氷雨でボートは休業だったので一日中いたようですが、明日にも飛び立つかもしれません。また、2006年1月の善福寺池(杉並区)のように、しばらく定着する可能性もあります。飛び立った場合はどこに行くのかぜひご注意ください。また、定着した場合は、善福寺池での例のようにギャラリーが勝手にパンなどを多量に与えたり、マスコミが無理な撮影を試みたりする可能性があります。今冬は「鳥インフルエンザ」の関係から、従来給餌がさかんだった日本各地で、中止・自粛が広がっています。その影響は必ず出ると思いますので、東京へのハクチョウ飛来地が増えると考えられます。すでにこの冬、2008年12月16日に多摩川(世田谷区玉堤)で成鳥1羽・幼鳥1羽が観察されています(廣田行雄氏観察)。もし、身近なフィールドにハクチョウが飛来した場合、しっかり観察するとともに、ギャラリーや関係機関に呼びかけて、過度な餌やりや悪影響のあるような撮影になど対処してもらうような働きかけをお願いします。最近は、公園などでの野生動物やドバトへの餌やりの禁止が広まっていますので、個人で対応する場合はその流れをうまく利用して説得するのも一つの手と思います。(写真は石神井池のオオハクチョウ:西村眞一氏撮影)

2008年12月23日火曜日

皇居・桜田濠に注目 水鳥500羽・ヨシガモ5羽+

  

かつてヒドリガモの名所であった皇居西側の桜田濠にカモが復活。12月15日午後、桜田濠で水面一面に500羽前後の水鳥が散らばっているのを見た。この濠にこれだけの数を見たのは久しぶり。1970年代前半には、最高800羽のヒドリガモがいたが、ここ20年は東側の日比谷濠や馬場先濠などにカモの観察場所が移動していた。この日は、東側の池にはカモの姿は少なかったが、桜田濠には、ヒドリガモ200羽、キンクロハジロ200羽、ホシハジロ50羽、オカヨシガモ20羽、カルガモ20羽、そしてヨシガモが5羽以上(オス3・メス2以上)を認めた。なお、数はだいたいで正確ではない。その他、カワウ10羽以下、カイツブリ2羽以上、ユリカモメ1羽、コブハクチョウ2羽。いずれにしても、なかなかの見ものであった。なお、お隣の半蔵濠には、半蔵門あたりから見た限りにおいては水鳥の姿はなかった。

以前と少し変わったのは、三宅坂側の土手下から水がさかんに放流されていたこと(写真参照)。水質が変わった可能性があるので、今後のカモ類の動向に注意が必要だと思った。機会があったらぜひ観察してほしい。蛇足ながら、望遠鏡などで長時間見ていると、職務質問をされる可能性があるのでそのつもりで。(川内博)

2008年6月12日木曜日

カンムリカイツブリ越夏

  
 6月10日現在、多摩川の中流域、府中四谷橋と京王線鉄橋の間で、夏羽のカンムリカイツブリ1羽が滞在しています。どうやらこのまま越夏しそうです。
 カンムリカイツブリは、近年徐々に繁殖域を広げているようであり、越夏個体もしばしば観察されています。都内でも葛西臨海公園や多摩川河口でも観察記録があるようです。このような冬鳥の越夏記録も貴重です。

 東京都内のカンムリカイツブリや冬鳥のカモ類の越夏記録を、新鳥信システムでお寄せ下さい。 現在の情報に限らず過去の情報も重要です。フィールドノートに眠っている情報があれば、同様にお寄せ下さい。よろしくお願いいたします。
 もちろん。鳥に関する情報なら越夏記録以外でも何でも大歓迎です。