2022年8月31日水曜日

普通種・セッカが東京都レッドリストで「絶滅危惧Ⅰ類」に!!

           

  2021(令和3)年4月に「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2020年版」が公表され、セッカ【写真】が区部ではもっとも絶滅の可能性が高い[ CR ]絶滅危惧ⅠA 類、多摩地域でも[ VU ]絶滅危惧Ⅱ類になっています。 

東京都は1998(平成10)年に「東京都の保護上重要な野生生物種 1998 年版)」を公表して以来、おおむね 10 年毎に改定作業が行われ、2020 年版には162 種の鳥類が掲載されています。 セッカは前回の2010年版ではまったく記載されていなかったのですが、 今回初めて掲載されました。30年以上バードウォツチングをしている人には、セッカは「普通種」の印象が強いと思います。「ヒッヒヒヒ、ヒッヒヒヒ、チャッチャッ」という独特な囀りは、夏の暑い盛りにもよく聞くことができました。最近は、確かにこの声を聞くことが少なくなったと感じていましたが、普通種と思っていた鳥が絶滅危惧種となってしまったのは衝撃でした。 

月例葛西臨海公園探鳥会でのセッカの出現状況を見ても、その急激な減少が明白です【グラフ】。
チガヤやススキなど、イネ科の植物が生える丈の低い草原を好み、クモの糸を使った巣を作るこの鳥にとって、鳥類園や東なぎさでのアシの繁茂が著しく、チガヤのような背の低いイネ科植物が少なくなったことが、激減した一因と考えられます。

当会の実施する月例探鳥会の鳥合せの記録は、鳥類の生息状況の変化を証明する上で重量なデータとなっています。    鈴木弘行〕                              

            

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