2022年5月31日火曜日

文献紹介 報告書『中野区北東部の野鳥記録 2005年~2020年』(森の学級発行)

  

  中野区は、東京23区の西部に位置し、新宿や池袋といった副都心に近い都心部の区で、人口密度の高い地域のひとつです。武蔵野台地上に位置していますが、公園や緑地は少なく、一人当たりの公園面積は23区内で22位とされています。池といえる水辺はなく、荒川水系支流の神田川・妙正寺川などが流れています。 

今回紹介する報告書の活動の場は区の北東部にあり、中野区内で唯一まとまった森が残る地域で、調査の中心は「江古田の森公園」(国立療養所中野病院跡地)や「哲学堂公園」(東京都指定名勝)、「平和の森公園」(中野刑務所跡地)といった緑地です。

森の学級」はこれらの地で1999年から活動をされ、今回、中野区の環境変化を知る一つの資料として本報告書が発行されました【表紙写真】。 この地では、2005年~2020年までの間に92種が記録されていて、優占度はヒヨドリ・カワラバト(ドバト)・ハシブトガラス・スズメ・メジロ・シジュウカラ・・・といった順で、東京都心部の鳥相を知ることができます。なかには、コノドジロムシクイやオジロビタキなどの珍しい鳥も記録されています。[ 20222月発行A4判・44ページ] 

                         〔日本野鳥の会東京・研究部〕