2020年3月31日火曜日

鳥類繁殖分布調査に協力しよう・・・・・・・・2017年~2020年の記録

  

かつてはその子育てがよく見られていて、最近どうしたの?と思う代表種にバン〔写真〕がいます。1970年代には東京都内東部の低湿地帯、多摩川流域、それに杉並区の公園などで繁殖していましたが、2010年代の調査では今のところ杉並区内と多摩川の中流域だけのようです。同じように激減傾向を示しているのがゴイサギカイツブリイソシギコチドリなどの水系の鳥たちです。
 今春はNPO法人バードリサーチが中心となって行っている「東京都鳥類繁殖分布調査」・「全国鳥類繁殖分布調査」の最終年です。上記の鳥に限らず、近所やフィールドでの子育てのようすを調べてください。平地部(23区・多摩区)は5月初旬~6月下旬、奥多摩地区は5月下旬~7月下旬、伊豆諸島は5月中旬~6月下旬の記録が対象です。

しかし、今春野外で調査を行うには「新型コロナウイルス」の問題が立ちはだかっています。そこでこれまで記録を書き貯めていた「フィールドノート」から“宝”を掘りだし、「アンケート調査」に協力しましょう。
 アンケート調査は2016年~2020年までの記録が対象で、本年8月が締切りです。現地調査もアンケート調査も、対象種は外来種も含めて、日本に生息する全鳥類です。くわしくは「バードリサーチ・繁殖分布調査」で検索して“宝物”を送ってください。


2020年2月29日土曜日

越冬している「標識フラッグ付きミヤコドリ」   見かけたらお知らせください

  

東京湾の最奥部の千葉県船橋市の三番瀬〔ふなばし三番瀬海浜公園〕でフラッグ付きのミヤコドリが観察されたのは2019925日のこと。1024日に本ブログで“速報! 標識フラッグ付きのミヤコドリ発見”として、黒・黄色のフラッグに〔T6〕の刻印がついたミヤコドリの写真が添えられていました。そこでは触れられていませんが、初記録の2日後の927日には、伊勢湾の三重県津市の安濃川河口で、同じタイプで〔T7〕のフラッグを付けたミヤコドリが発見されていました。

1219日、環境省と山階鳥類研究所から、標識を付けたのは「ロシアのカムチャツカ半島の営巣地で、まだ飛べないヒナの状態で装着した3個体のうちの2羽である」ことが発表されました。以前から、“日本に来る群れはカムチャツカ生まれ”と推測されていましたが、この2羽の標識個体の発見で繁殖地が特定されたことになりす。

日本野鳥の会東京の会報『ユリカモメ』3月号には、地図などもまじえてその詳細が掲載されています。その記事には〔T6〕のフラッグを付けた新しい写真が添えられています。これは、三番瀬で22日に田中富夫氏によって撮られたもので“越冬している”という証拠となるものです【写真】。「個体識別」ができるこのミヤコドリを追っていくと、彼らの行動圏などを知ることができます。ミヤコドリを見かけたら“フラッグ”がついていないか気をつけてください。そして発見したら「場所と年月日」を、研究部あてにお知らせください。ミヤコドリ研究会〕

2020年1月30日木曜日

多摩川上流域でシノリガモ2羽を記録

  

昨年から実施されている「多摩川センサス」の担当している区分の1月分の調査を1月6日(月)に行いました。調査の終了直前に、拝島橋の約300m上流(昭島市拝島町地先)でシノリガモ2羽(雄若と雌型)を観察しました【写真】。昨秋の大雨の影響で川の流れはさまざまに変わっていますが、シノリガモがいたのは川幅が狭まって、急流のような流れになっている場所で、何度も潜っていました。餌を取っていたと思われます。

東京都でのシノリガモの記録は少なく、現時点のチェックでは多摩川での記録は見つかっていません。過去の記録としては、『東京都産鳥類目録』(1974年)によると、19151月に1羽採集記録があり、羽田での190521年の調査のなかで唯一の記録だそうです。その他の記録は大島・八丈島・三宅島などです。
『東京都産鳥類目録2000』(2009年)には江東区に記録がありますが、これは1996215日に東雲運河で観察された1羽雄の観察です。
その後は『東京の野鳥たち・2』(2018年)の「中央防波堤埋立地の鳥類記録」のなかに、201234月にかけての1羽雄の観察例が記載されています。
 
今回、シノリガモの記録を調べていたら、中央防波堤埋立地ではもう1例、201211月~20133月に1羽雌の観察記録があることがわかりました。この記録については、今回の多摩川での報告に加える形で『ユリカモメ』の鳥信に投稿予定です。これらのほかに都内での記録がありましたら、研究部までお知らせください。         〔川内 博〕

2019年12月13日金曜日

“多様性のあった”東京都の鳥たちの調査・研究・・・講演会の報告

  

121日(日)午前11時からの講演会「東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情」には54名の参加者がありました。演題は3つ。各40分程度の講演でした。
トップはバードリサーチの佐藤 望さんから、2017年から始まった「東京都鳥類繁殖分布調査」の途中経過が紹介されました【写真】。この調査は1970年代・1990年代に東京都で実施されたもので、20年後の2010年代の今回はNPO法人バードリサーチが中心となって、民間の資金で進められています。これまで調査がなかった伊豆諸島・小笠原諸島でも同じ方法で実施されたとのことです。
具体的な繁殖分布の変化については、増加している鳥としてキビタキとメジロなど、逆に減っている鳥としてバンとヒバリなどのメッシュ地図が示されました。この種の調査の元祖であるイギリスにも負けないくらいの精度だそうです。
二番手は、都市鳥研究会の鈴木遼太郎さんから、同会が現在全国展開している「イソヒヨドリはなぜ内陸部に進出するのか」の東京バージョンが紹介されました。イソヒヨドリの東京でのメッカ・八王子の状況や、鈴木さんが見ているJR中央線武蔵境駅付近でのようすを語られました。駅近くではここ数年来、番いのイソヒヨドリが見られていて、繁殖の可能性が高いとのことでした。都内では、渋谷や銀座などの繁華街でもその姿が見られていて、全域に広がる勢いです。“Why・なぜ?”という視点でこの現象の解明に取り組んでいるとのことです。
最後は、日本野鳥の会東京から水村春香さんが、「オオタカの東京都心部への進出状況」ということで、今では明治神宮や自然教育園でも営巣するようになったオオタカについて、同会が実施している月例探鳥会10か所のデータを分析し、山地から平地部・都市部へ分布を広げていったこと、現在では越冬期には全部の場所に定着していること、そしてこの鳥にとって林縁が重要であることなど語られました。とくに分析の結果、土地利用では「林縁長」のみがオオタカの出現頻度と正の相関があったとのことです。
 日本野鳥の会東京・バードリサーチ・都市鳥研究会共催でのこの講演会、同じ「調査・研究」といっても、それぞれの団体のコンセプトの違いがあり、“多様性”のある発表会となりました。予定通り11時に終了。講師の皆さまと末尾ながら会場を提供いただきました(株)細田工務店様に感謝します。

2019年11月16日土曜日

  

講演会のご案内・12月1日(日) 東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情 

  
最近キビタキの囀りをあちこちで聞くことはありませんか。しかも平地の森や林で。サンコウチョウも以前に比べると特徴のあるあの声を耳にすることが多くなってきました。また、都心部ではまったく見かけなかったエナガがJR山手線の内側の緑地でもふつうになっています。最大の変化はオオタカ・ツミといった“森のタカ”が23区内で何番いも繁殖しています。一方、ヒバリやセッカの声が寂しくなったと思いませんか。コサギ・ゴイサギも以前に比べるとめっきり見かけなくなりました。身近な鳥・オナガも生息分布に変化があるとか。

講演会は日本野鳥の会東京・バードリサーチ・都市鳥研究会の共催で、それぞれ都内全域を対象とした「鳥類繁殖分布」や猛禽類の生息調査が行われ、さらに“新顔”イソヒヨドリの話などが登場します。[グラフはオオタカの明治神宮での出現状況]

講演  東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情

(1)こんなに変わった東京の鳥たち・・・東京都鳥類繁殖分布調査から
                            佐藤 望氏(バードリサーチ)

(2)イソヒヨドリが東京の街にやって来た
                      鈴木遼太郎氏(都市鳥研究会)

(3) 東京のオオタカたち         
                          水村春香氏(日本野鳥の会東京)
 

明治神宮におけるオオタカの出現頻度の長期的変化。赤線は繁殖期(49月),緑は非繁殖期(103月),水色は合計の出現回数を示す。


日 時121日(日)1030分開場、11時~13 

会 場:東京・杉並・細田工務店2階会議室【地図参照】
   
【会場案内】

細田工務店[東京都杉並区阿佐谷南3-35-21]【交 通】JR中央線「阿佐ヶ谷駅」下車徒歩3分、
東京メトロ丸の内線「南阿佐ヶ谷駅」下車徒歩7

【入場無料・申し込み不要】定員100

なお、同じ会場で午後には「野鳥写真の楽しさ」の講演会が開かれ、また、同店1階では写真展も開催されています。まる一日お楽しみいただけます。

2019年10月24日木曜日

速報・三番瀬で標識フラッグ付きのミヤコドリを発見

  

 先月の925日、千葉県船橋市の三番瀬で調査中、ミヤコドリの群れの中に黒と黄色の標識フラッグをつけたミヤコドリを発見しました。フラッグには「T6」と記されていていました。【写真】
山階鳥類研究所に知らせたところ、黄色の標識であるならばカムチャツカでバンディングされたものとのことでした。
以前から日本へ越冬のためにくるミヤコドリの繁殖地はカムチャツカではないかといわれていましたが、今回の発見はそれを裏付ける貴重な観察となりました。詳しいことは、山階鳥類研究所から正式発表が出てからお知らせします。              〔田久保晴孝〕

  このフラッグ付きのミヤコドリを観察された方は、発見日時・場所・状況などを日本野鳥の会東京・研究部あてにお知らせください。