2026年6月26日金曜日

東京23区の住人・オオタカの繁殖状況

  

 

日本野鳥の会東京・研究部では、東京23区内のオオタカの越冬期の状況調査を会報で発表しています(『ユリカモメ』№822823)。現在はその営巣状況を調べているところです。この地域での営巣はおもに大きな緑地で、皇居(千代田区)・明治神宮(渋谷区)・自然教育園(港区)などでの繁殖が公表されています。今年も、上記の区のほか、文京区・大田区・世田谷区・中野区・杉並区・板橋区・練馬区・足立区・葛飾区など23区の半分以上の場所でその繁殖の有無が調べられ、多くの場所で子育てが記録されています。 

ところで、「森の猛禽」というイメージのこの鳥が、日本でももっとも「都市化」された東京23区で、“ヒナに何を与えているのか”という問題が自然教育園での「ビデオカメラ」の記録を解析することでわかってきました。2023年の記録では、キジバト32%・ドバト19.3%・不明ハト類 10.0%・ムクドリ10.7%・スズメ8.0%、その他ヒヨドリ・メジロ・クマネズミ・ドブネズミなどとなっていて、ハト類がその半分以上を占めていることがわかりました(自然教育園報告 第56号)。 

  今春、新宿区のある公園で、捕えたムクドリを調理し、ヒナに与える一連のシーンを直接観察することできました【写真】。かつては「良好な自然環境の象徴」ともされていたオオタカが、なぜ「人間最優先」の大都会の住人になったのか、興味深い現象のひとつとして、研究部では今年の状況を追っているところです。                          〔川内 博〕