一つはこれまで“亜種オガサワラカワラヒワ”だったのが「オガサワラカワラヒワ」という独立種になったこと。この小鳥が棲んでいる場所は、東京本土から南に1000㎞離れた、太平洋上の小笠原。かつては各島にふつうに生息していたとのことですが、近年激減し、母島とその属島および硫黄列島でしか生息せず、個体数は200羽程度ではないかとされています。そのため「絶滅危惧ⅠA類」とされています。この鳥の幼鳥の写真が『ユリカモメ』2010年11月号の表紙に登場しています(三間久豊氏・同年7月7日母島で撮影)【写真左】 もう一つは、“亜種リュウキュウサンショウクイ”が「リュウキュウサンショウクイ」と独立種になったこと。今年、八王子市内でその営巣が観察され、その報告が『ユリカモメ』2024年10・11月号の研究部レポートに載っています。 〔研究部・川内〕
2024年9月27日金曜日
『日本鳥類目録 改訂第8版』が発行されました
2024年7月31日水曜日
イソヒヨドリの「営巣場所」を調査中・ご協力ください
「海辺の鳥」のイソヒヨドリが内陸部に進出し、繁殖をしている状況は全国的に見られていますが、“なぜ”という当初からの疑問に明解な答えはまだ出ていません。ムカデやカナヘビのような地上性の小動物【写真】のものから植物の漿果までなんでも餌とし、道に落ちているパンやお菓子なども食べ、はては酔っぱらいのはいた吐しゃ物を口にし、ゴミ箱漁りまでするという雑食性からは、これまで彼らが「岩礁」にへばりついていた理由を憶測することもできません。また、東京での「大繁殖地」が八王子一帯という事実も解せません。さらに、イソヒヨドリと生態的に競合するような鳥がいなくなったという話も聞いていません。
このような状況の中、現在力点をおいて追っているのは、「営巣場所」はどこかということです。海辺での彼らの営巣地は岩の割れ目など。海岸近くの人家への営巣も記録されていますが特に好んでということもないようです。市街地に進出してきた彼らの繁殖地は、駅前などけっこうにぎやかな場所。しかし、郊外のという例も増えています。また、繁殖場所はコンクリート造りの建物が多いという傾向はありますが木造の例もあり、どれ一つとっても解明への“決定打”がないという状況です。現在「営巣場所」の事例を集めています。興味ある方は下記にご連絡ください。
E-mail:hkawachi@Jcom.zaq.ne.jp 〔川内 博〕
2024年6月30日日曜日
新著紹介 『多摩川の鳥類 Ⅱ 2009~2023年の分布調査を中心に』
調査は、河口から13.3㎞の大田区田園調布4を起点とし、19.0㎞上流の世田谷区蒲田1の5.7㎞の間の左岸(東京都側)を上流に向かって歩き、そのあいだに目視した鳥を記録するというロードサイドセンサスを中心とし、さらに今回初めての試みとして、200m毎の標識を利用して調査地を設定し、より詳しく多摩川に生息する鳥の生息状況を明らかにし、どのような環境を利用するか・繁殖する種はどこかを明らかにしようと記録が取られています。
それらの成果は「種類構成とその変化」というコーナーで、カラーの一覧表やグラフで解説されています。また、「種別調査結果」では前作『多摩川の鳥類
Ⅰ』(2006年刊)や2006~2008年のセンサス記録、2008年のチョウゲンボウ繁殖調査記録なども加えられ、20目59科248種の記録がグラフや表などとともに簡潔にまとめられています。
〔3,300円・入手についてはホビーズワールド・電話03-3253-3077に問合せください〕
2024年5月31日金曜日
バンはいずこに・武蔵野の都立公園の近況
営巣場所は人の立ち入ることはできない池内の島で、のびのびと子育てにいそしんでいます。そのようすは岸から双眼鏡などで見ることができます。三脚の使用は禁止されていますので、カメラマンが居座っていることなくゆっくり観察できます。繁殖は盛りを過ぎていますが、コサギの飾り羽やヒナたちの親からの給餌の際の“大騒ぎ”などを楽しむことができます。石神井公園は大きな緑地で、付近には住宅はなく、「騒音問題・糞公害」とも無縁の世界です。
ところで、井の頭・石神井の両公園で注意をしてみているのはバン。【写真】
石神井公園では数年前までは、数は少ないのですがその姿をたびたび見ていました。繁殖期には親子連れも確認していたのですが、ここのところバンそのものの生息が確認できていません。(繁殖は昨年1例記録されているようですが)
NPO法人バードリサーチ発行の『東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021』を見ていると、バンの繁殖は全都的に減少傾向にあるようです。さらにこの傾向は全国的にも見られているようです。原因等については今のところよくわかっていません。
〔日本野鳥の会東京・研究部〕
2024年4月11日木曜日
ハシブトとハシボソの個体数逆転・東京のカラス事情・世田谷区の調査結果から
報告書では、2023年実施のデータと分析結果、また過去5年間の変化を知ることができます。その中の最後のページに「トピックス
ハシブトガラス・ハシボソガラスの個体数逆転」という紹介がありました。それによると、かつては調査地全体でハシブトガラス(ブト)の方が明らかに多かったのが2002年以降急減し、2015年時点では2種の個体数が逆転したとのこと。報告書ではその経過がグラフで示されていて、興味深い資料となっています。
2000(平成12)年前後、都内で増えすぎたカラスの状況は社会問題となり【写真】、当会主催の「とうきょうのカラスをどうすべきか」・「とうきょうのカラスをこうして減らす」というシンポジウムなどが功を奏し、今ではマスコミに登場することがほとんどなくなる状況となっています。
ところで、当時世の中を騒がしていたカラスは“ブト”の方ですので、 この報告書をみると隔世の感があります。しかし“ハシブトガラス急減”が、シンポジウム開催以後の「住民・行政による生ごみ類処理改善」と「都による捕殺作戦」だけでは説明しきれないような状況だとも思います。今後の調査・研究が必要と考えられます。〔研究部〕
2024年3月5日火曜日
東京23区の森にもアカゲラが・繁殖期にご注意を
3月2日の朝、そのウグイスのほか、ヒヨドリ・メジロ・シジュウカラ・コゲラ・キジバト・シロハラといった常連に加えて、池には久しぶりにカルガモが2羽池に浮いていました。そんな中で“キョ・キョ”というアカゲラの声が。ここでの記録は初めてですが、今冬は都心各地の緑地でその姿を見たという情報が流れています。【写真】
東京23区内でのこれまでのキツツキ類の生息は、コゲラが留鳥で普通種、アオゲラが数はごく少数ですが一部で留鳥。アカゲラは年によって冬期に少数飛来することがあるといった状況ですが、今冬は観察が多いようです。その理由のひとつには「ナラ枯れ病」の流行があると思われます。東京都の発表によると、都立公園のナラ枯れは2019年度に初めて約400本が確認され、22年度には21,600本に達したとのこと。都心の緑地でもその姿が目につきます。
アカゲラが好むものが“枯れ木”ですので、そのことと関係していると思われます。「営巣」という状況まではいかないと思いますが、繁殖期になっても声が聞こえるようあればご注意ください。〔研究部・川内〕
2024年2月16日金曜日
越冬期2024③ 東村山市・空堀川の鳥
今冬の調査は1月16日10時19分から12時59分までで、23種を記録しました。とくに目立つ鳥はいませんでしたが、カワセミを下流側で1羽、野口橋より上流で雄1羽見かけました。キセキレイを2か所で計2羽、コサギとセグロセキレイも2か所で2羽ずつ、ダイサギ1羽、カルガモ5羽、マガモの雌雄を1組・コガモの雌雄2組を確認しました。
空堀川は武蔵村山市の野山北公園を水源とする川で、かつては水が流れていたようですが、河川改修などで川底の粘土層がはぎとられ、砂礫層がむき出しになったため、雨が降っても吸い込まれて水が流れるような状態にならないと聞きます。その他確認した鳥は、キジバト・シジュウカラ・ヒヨドリ・メジロ・オナガ・ハシボソガラス・ハシブトガラス・ムクドリ・ツグミ・ジョウビタキ・スズメ・ハクセキレイ・カワラヒワ・シメ・ドバト。 〔東村山市担当・川内桂子〕