2025年4月29日火曜日

自然教育園で「オオタカの繁殖記録」を公開中

  

  港区の自然教育園では419日~76日の間で、企画展「自然教育園のオオタカ~都会に生きる空のハンター~」が開催されています。

 自然教育園では2017(平成29)年6月に、園路の真上でカラスの古巣を利用して、オオタカが営巣を始めました。翌年には巣立ちも記録され、その後、営巣場所を変えながら2024年までに19羽のヒナ(幼鳥)が巣立っています。そのようすは、営巣を始めた初期からビデオ撮影されていて、抱卵やヒナへの給餌、ヒナの成長のようすなどが克明に記録されています。なかには真夜中にハクビシンやアオダイショウに襲われるシーンなども撮影されています。それらのようすは大型モニターで見ることができます【写真左】。 

 今回の企画展では、これまでの繁殖の記録がパネルで展示され、短時間で全貌を知ることができます。ところで大都会の環境の中で彼らが何を餌にしていたのか興味深いところですが、キジバトやドバトが6割・クマネズミやドブネズミが1割などと円グラフでわかりやすく示されていています【写真右】。また、それらのようすを記録した「機材」も紹介されていました。                             

  自然教育園は65歳以上・高校生以下の方の入園料は無料ですので、年齢証明できるものをご持参ください。

2025年3月25日火曜日

鳥影が薄い今年の冬・2 “キガオヒヨドリ”の群れを見て考える

  

 



  今年の冬はツグミやシメの姿や声に接することが少ないことを2月の本ブログにアップしました。その後の情報では、全国的な傾向のようで、各地から“少ない”という声が聞こえています。「その理由」は残念ながらよくわからないようです。しかし、3月に入ると、各地でツグミの声や姿を見かけるようなりました。ただ、シメの方は相変わらず少数しか確認できていません。先日、練馬区の都立大泉中央公園や隣接する和光市の県営樹林公園で久しぶりにイカル【写真・上】の10数羽の群れを見かけました。 多摩地区では留鳥だったこの鳥は、近年は「冬鳥」となっているようです。同時期に文京区の小石川植物園でも見たとの情報があり、移動の動きがあったようです。 

その小石川植物園では“キガオヒヨドリ” 【写真・下】の群れを見かけました。もちろんそんな名前のヒヨドリがいるわけではなく、ツバキの花に顔を突っ込んで、その花粉を大量につけて顔が黄色くなったヒヨドリです。彼らの行動を見ていると花の蜜を吸うだけではなく、花びらを食べています。そのため大量の花粉が顔につくようです。かつてはどうだったかと思い起こすと、以前から嘴付近が黄色個体は見ていましたが、顔までは少なかったような気がします。いかがでしょうか。 

ところで、“ヒヨドリの行動が昔と違う” という話は以前からありますが、その実態はまだ詳しくは調べられていません。ヒヨドリはいま日本では一番の“普通種”といえる鳥ですが、世界的に見れば、その分布はほぼ日本だけといえるほどです。我が国での本格的な研究を行う必要がありそうです。しかし、なかなか手ごわそうですね。                    〔研究部・川内博〕

2025年2月21日金曜日

ツグミ・シメのいない冬・情報をお寄せください

  

 今年の冬はツグミの姿や声に接することが少なく、その理由を捜していますが、今のとことろよくわかりません。皆さんのフィールドではいかがでしょうか。昨冬も年末までは少なかったのですが、年明けには姿を見せはじめ、いつもと同じように5月の初めごろは、グラウンドにたくさん終結するようすを見ることができましたが。

見かけないのは同じ冬鳥のシメ。【写真】 いないわけではないのですが、フュールドで見かける回数が極端に少ないといった状況です。ツグミやシメだけでなく“全体に鳥影が薄い”と感じられている人は多いようです。下町の緑地、水元公園からの私信では、ここ数年冬場に飛来していたアカゲラがみられない、また湿地のアシが刈られて、クイナやヒクイナ、オオジュリが確認できていないとのことです。

逆に、それらを狙う「猛禽類」は、各地で出会います。身近なフィールドでツミの声や姿、ハイタカの飛ぶ姿、ノスリの舞い、オオタカはいくつもの森で健在のようです。また、フクロウが定着している森も多くなっているようです。

各地の“冬のようす”をお寄せください。〔日本野鳥の会東京・研究部〕