2010年7月15日木曜日

繁殖記録・6 大田区内の公園でのツミの繁殖

           

大田区の某区立公園で今年、ツミの繁殖を観察しましたので報告します。
4月中旬から公園付近をツミの雌雄が飛ぶ姿が見られ、4月下旬~5月上旬には求愛給餌、巣材運び、交尾と思われる行動が目撃されました。5月の中~下旬になると、雄がカラスを追うのが時々見られたものの、雌の方は姿を見せなくなったため、この頃から抱卵を開始したのではないかと思われます。
6月11日、遊歩道の上のごく限られたゾーンから巣が見えるのに気がつきました。クヌギの木の地上20メートルほどのかなり高い位置に木の枝や葉っぱ、コケなどを重ねた巣があり、抱卵中の雌の尾羽が見えていました。6月15日には雌が巣上でごそごそと頻繁に動いていたので、この頃に雛が孵化した可能性があります。6月25日には、雌も給餌の時以外は巣から離れているようでした。6月30日には雛が巣上に少なくとも2羽確認できましたが、いずれも頭や顔はまだ白色でした。
7月4日になると、雌が頭の白っぽい雛に給餌している時に、成長の早い別の雛が巣から1メートルほど離れた枝の上に立っていました。7月6日には巣から枝伝いに4羽の雛が移動して並んでいました。4羽とも頭は白さが少し残るものの顔つきは精悍で、背面は黒っぽく胸・腹には縞模様がしっかり入っていました。7月8日には写真のように雛1羽が巣から1メートルほど離れた枝の上に立っており、しばらくするとふわりと数メートル先まで飛んで見えなくなりました。おそらく巣立って初めての飛翔だったと思いますが、意外に軽やかで余裕があったのが印象的でした。
7月13日の時点では、巣の近くには親も雛も姿が見えなくなりました。ただ、樹上から親の声と雛のこまかい小声が時々聞こえるので、まだ公園内に留まっているようです。 (川沢祥三)

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