人からの給餌で暮らしていたドバトが、キジバトと同じ場所で採食している光景を見ることが多くなりました。【写真
左がドバト・右がキジバト 江東区の猿江公園にて】
ドバトは漢字では堂鳩または土鳩と書き、カワラバト由来の伝書バトやレースバトなどが野良化したものやその子孫です。一方、キジバトは漢字では雉鳩と書き、山鳩の愛称もある純粋の野生種です。街なかで見かける「鳩」はこの2種のどちらかです。一般にドバトは公園や駅前、神社・お寺など、人が多いところに群れでたむろしているのを見かけることが多い鳥です。それはお年寄りや親子連れ、観光客などが与えるパンや菓子などを主食としているからです。キジバトの主食は草の実や木の実、地中の小動物で、地面を歩きながらひとつ一つ啄んでいます。その違いのため、この2種がいっしょに採餌している姿を見かけることは、かつては少なかったのですが、ここのところ、公園やグラウンド、草地などを歩いていてよく見かけるようになりました.
東京都では、2000年ごろから“鳩や水鳥に餌をやらないで!”というキャンペーンを強化しています。その結果、台東区の浅草寺境内では2000羽を数えていたドバトが数十羽に減り、池袋や渋谷の駅前でのドバトへの餌やりは見かけなくなりました。また、水鳥のユリカモメ(百合鴎)も川の上流まで群れで飛んできていたのが激減しています。
人からの給餌が少なくなったドバトは活路を求めて、キジバトの餌場に進出してきているというのが、この2種を同じ場所で見るようになった真相です。“野良鳩”として、厄介者とされてきたドバトですが、この変化を見ると、いよいよ都市生態系の一員として認識しなければならない時期になってきたようです。 〔川内
博〕
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