「T6」は三番瀬や葛西海浜公園(東京都江戸川区)一帯を生活の場とし、2020年は越夏し、11月5日までは同地で観察されていましたが、12月25日に、伊勢湾で野鳥を観察している久野正博さんから、「T6」が安濃川河口に来ているとの情報が寄せられました。東京湾と伊勢湾との距離は約260㎞。数千㎞の渡りをするこの鳥にとってはたいしたことではないかもしれません。2021年1月25日には三番瀬に戻ってきていることが確認されました。
一方「T7」は、翌年の春からのゆくえがわかりませんでしたが、2020年7月15日~19日の間、北海道の道南、渡島半島の八雲町で観察されています(日本野鳥の会三重・『しろちどり』107号)。その「T7」が、2021年10月23日に伊勢湾の雲出川河口に帰ってきたとのメールが、久野さんから寄せられました。【写真・「T7」の足環をつけたミヤコドリ・久野正博氏撮影】
しかし「T6」の方は、1月25日に確認されて以来“ゆくえ不明”。「T6」発見者の田久保晴孝さんによると、ことし越夏した40羽の中にはいず、10月25日に調査した時も、約400羽の群れの中に「足環付」の個体は見つけられなかったとのことでした。今回、久野さんからの続報に、この春「T6」が伊勢湾にいたと記されていました。
フラッグ(足環)個体の観察情報が集まる山階鳥類研究所に問い合わせたところ、「T6」は2月~5月まで伊勢湾で複数の観察者により確認されていて、5月に釣り糸で負傷をしたとの報告が最後とのことでした。詳細はわかりませんが、無事に再発見されることを祈っています。 〔日本野鳥の会東京・研究部〕
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