2021年10月19日火曜日

知りたいことが記されていた報告書『新砂貯木場の鳥類調査報告』

           

   “新木場”は東京メトロ有楽町線・JR京葉線・りんかい線の駅が一か所につながった鉄路の要所です。かつて深川にあった“木場”が埋め立てられ、新しく造られた貯木場がある場所ということで東京港沿いに造られ、いくつもの貯木場があります。周囲を堤防で囲まれ、人が近づけない「貯木場」という水辺は、水鳥たちにとって楽園で、以前から休息・採餌・繁殖の地として、彼らは利用しています。それらの貯木場には、かつては輸入されてきた大きな材木が水面いっぱいに浮かべられていましたが、いまは輸出先で「木材」とされ日本に運ばれてきますので、“貯木場”の役割は小さくなっています。そのなかで、荒川につながっている「新砂貯木場」は、1990年代初めから、“ヨット・ボートの基地”「夢の島マリーナ」として、新しい展開をしています。 

 この貯木場には、たくさんの水鳥が生息していて、研究部は「カワウの新営巣地」として注目していた場所です。しかし、他の貯木場と同じように外部から全体を見通せるような場所はなく、かつては小船で水路から調べたこともありました。しかし、2010年代の調査はマリーナ側の岸辺から双眼鏡や望遠鏡で覗くことしかできていませんでした。今回送られてきた報告書には、これまで情報が不足していた2010年代の状況が満載されていますので、これからその内容を読み取る予定です。

 『新砂貯木場の鳥類調査報告(201410月~20175月)』〔A4判・60ページ+資料編73ページ・20216月刊〕【表紙写真】は、東京都下水道局砂町水再生センターの協力を得て、敷地内からの調査が行われ、より正確な情報が多数掲載されています。報告書は、「NPO法人 ネーチャーリーダー江東」のホームページからダウンロードして、全容を知ることができます。

担当された荒川洋一さんは、当会会員で、区内の「仙台堀川公園」の保全活動でも活動され、当会の会誌『ユリカモメ』にも寄稿されたことがあります。                                  [日本野鳥の会東京・研究部]

 

    

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