2021年8月2日月曜日

東京・繁華街のカラスはどこへ

           


 「コロナ禍・緊急事態」の中ですが、オリンピックが開催されている今朝、感染防止に配慮しながら、銀座と渋谷、それに代々木公園のカラスの状況を調べてきました。銀座は1997年以来、年4回の定期調査を実施しています。渋谷は時々、銀座での調査の後に立ち寄っています。代々木公園はここのところ、機会を見つけては探査しています。 

調査の詳しい内容は別の機会に紹介するとして、今朝の状況を簡単に報告しますと、かつては150羽を数えていた銀座での観察数は1羽。植え込みの陰に置かれた生ごみの袋をハシブトガラスがつついていました【写真・中央に小さく映っています】。傍若無人に生ごみをあさっていた渋谷・道玄坂~センター街でもハシブトガラスの声を1回聞いただけです。代々木公園は、日中にも多数(数千羽)のカラスがたむろし、来園客の残飯類を食べたり、池で飲水や水浴びをしたりしていて“カラス天国”でしたが、近年減少傾向が見られ、最近はハシボソガラスの姿や声が目立つようになっています。今朝の調査はその感を深める状況でした。 

研究部では、1999年~2003年にかけて「とうきょうのカラスをどうすべきか・とうきょうのカラスをこうして減らす」というタイトルで、5回にわたってカラス・シンポジウムを開いてきました。その趣旨は、東京で社会問題となっているカラス問題を解決するのに“カラスを駆除せよ”という意見があったからです。野鳥関係者は、カラスが悪いのではなく、街なかに放置されている生ごみが主因であるとして“カラスを殺さず・生ごみを減らせ”と主張してきました。

今朝の銀座の通りは整然として、お店などから出されるごみ類はきちんと管理されていました。渋谷の生ごみ類も、以前に比べれば絶対量が減っているのは一目瞭然でした。しかし、東京都によるカラスの殺処分を目的とした“捕獲”は今も続いています。「家庭や事業所からの生ごみは、きちんと管理して回収すればカラスは減る」。従来からの研究部の主張を実感した一日でした。〔日本野鳥の会東京・研究部・川内〕

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