2021年4月29日木曜日

初めて見たコサギの「波紋漁法」・江東区の旧中川で

           

 

 コサギは池や川など都内の水辺でよく見かける水鳥です。街なかの個体は人慣れしているのか比較的警戒心が小さく、まぢかでその行動を見ることができます。先日、旧中川のカワセミの人工営巣地のようすを見に行ったとき、江東区の亀戸中央公園の川沿いで、「波紋漁法」と名づけられたコサギの採食行動を初めて見ました。

 川沿いの飛び石づたいに渡れる島の岸辺で1羽のコサギがうろうろしていました。そのうち、首を伸ばし、くちばしを水面に平行にして、まるで水をゴクゴク飲むような感じで水面に波紋をたてていました。場所を移動すると、今度はくちばしを水面に斜めに入れて、くちばしを細かに開閉して、やはり波紋をつくっていました。【写真】 波紋をつくって、そこに餌になるようなものがいると思わせて、小魚を集めている行動と見て取れました。

最初の約5分間では、2回小魚を捕らえていましたが、その後、場所をいろいろ変えながらの約20分間では1回しか捕らえられませんでした。 コサギのこのような採食法(bill-vibrating)は、日本では1990年代に広島から報告があり、東京でも2000年代に上野の不忍池でも観察されています。文献でしか知らなかったこの採食行動、この鳥の「足揺らし漁法」に比べると、効率はよくないように見えました。〔川内 博〕                                      

        

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