2010年6月19日土曜日

18 年ぶり青ヶ島再訪・繁殖期の伊豆諸島・その5

           

八丈島・八重根魚港から「還住丸」(119t・定員45名)は朝10時30分出港。 乗客は2人。タバコ臭い船室へは避けて、甲板で鳥見。オオミズナギドリを100羽程度見ました。約2時間半で青ヶ島・三宝港へ。防波堤がなく、外洋に接しているので、漁船は港に帰るとロープウェイでぶら下げて岸に揚げる仕組みとか。出迎えてくれた民宿の軽ワゴン車も、100m近い崖地を一気にふかして登るという荒技が必要。18年ぶりに訪れた伊豆諸島最南端の有人島・青ヶ島。この島の入口の雰囲気は変わっていませんでした。
 変わっていなかったのはもうひとつ。カラスバト〔写真〕の多さ。島で“くろばと”と呼ばれるこの鳥は、タブやシイが生い茂る森の中を歩けば、ウッウルルー、ガルルルーという鳴き声があちこちから響いてきて、歩くと両脇の木々からバサバサと大きな羽音をたてて飛び立ちます。とくに島の中央部の池之沢にはたくさんいて、ラインセンサスをすると1/3程度を占める圧倒的な多さ。早朝のコーラスは三宅島・大路池畔ほどではありませんが、カラスバトに加えて、イイジマムシクイ、タネコマドリ、アカコッコ、ウグイス、メジロ、ヒヨドリ、ホトトギスの声が一斉に響き、迫力のあるレベルでした。例年6月は梅雨の時期。今年は遅いとかで、私が訪れた6月7日の前日までは連日晴。しかし、翌日からは曇のち雨・風。天気予報で悪天候を知り、前日からレンタカーを借りて、8・9日は朝4時半から行動開始。機動力と雨風よけに自動車の威力を再確認しました。
 「行きはよいよい、帰りはこわい」 乗る予定だった9日の船は波が高いために欠航、キャンセル待ち1番だったヘリコプターも強風で欠航。延泊を覚悟していましたが、夕方4時半に飛んできた臨時便のヘリコプターに乗ることができ、八丈島まで20分強で飛び、5時20分発の羽田行きのANK機の最終便に滑り込みました。最近は、欠航が多く予定が立てにくい船より、運賃は高くてもヘリコミューターをという流れらしく、9人しか乗れないヘリコプターは相当前から予約しておく必要があるようです。キャンセルが出るだろうと甘く考えていましたが時代は高速・便利の時代。実際、当日夜8時前には自宅のパソコンの前に座っていましたので、それを実感しました。〈続く〉(川内 博) 

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