2012年6月9日土曜日

東京の自然の豊かさに驚く・新刊紹介

           
藤原裕二著『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』の終わりに「多摩川の最上流から河口まで、高山、森林、渓流、丘陵、里山、河原、公園、干潟など、いろいろな場所を歩き回り、そこで様々な体験をし、たくさんの生き物や光景と出会った」と記されています。この本の真価はまさにここで、著者が自分の足で歩いて、体験したことをもとに、その地の実態や現状、その時の出会い、感想が、写真をまじえてまとめられています。そして、読後には「東京」にはこんなに豊かな自然が息づいているのかということに、改めて気づかされます。 東京はややもすれば「街」だけがクローズアップされますが、多摩川という一水系を縦糸として見ただけでも、様々な横糸が連なっていて、すばらしい自然の宝庫であることを本書は語っています。私はまだ多摩川の源流まで行ったことがありませんが、これを機会にぜひ歩いてみたいという気持ちになりました。本書はさまざまな「東京の自然」を知るきっかけとなる本といるでしょう。巻末に「関係自然関係団体」一覧が掲載されていて、連絡先が記されているのは、今後情報を得るのに便利と思います。 『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』藤原裕二著、A5判・231pp.けやき出版、1500円(税別)         (川内 博)

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