2026年1月26日月曜日

東京23区の猛禽類の状況・2026年1月の調査の様子

  

  


    日本野鳥の会東京・研究部では「猛禽類を中心とした東京23区での一斉調査」として、各区に調査地を1か所定め、それに多摩川と荒川に1か所ずつ設置した計25か所で、1月11日(1か所12日)の午前10時~12時に調査を行い、8種のワシタカ類を記録しました。

記録の多い順にトビ16か所・28羽)・オオタカ(8か所・8)ノスリ7か所9羽)・ハイタカ7か所・7羽)・ミサゴ2か所・2羽)・チョウゲンボウ2か所・2羽)ハヤブサ1か所1羽)という結果でした。(フクロウ類は記録されませんでした)

一番記録が多かったのは多摩川(大田区~世田谷区)の6種、次いで4種の葛西臨海海浜公園(江戸川区)、3種の小石川植物園(文京区)・東京港野鳥公園(大田区)・明治神宮(渋谷区)・哲学堂公園(中野区)・光が丘公園(練馬区)・浮間公園(北区)という状況でした。

 同じような調査を10年前の20161月に行いましたが、そのときはオオタカ【写真】が19羽記録されました。今回はその半分でしたが、10年前はオオタカが都内に侵入してきた初期の段階で、定着していない個体も多かったと思われます。今は23区の半分以上で繁殖が記録される状況になっています。一方、トビ13 羽(7か所)だったのが28羽(16か所)と確認数も記録場所数も2倍以上となっていました。これはカラス(とくにハシブトガラス)が異常に増える前の状態に戻ったためと考えられます。詳しくは会誌『ユリカモメ』の研究部レポートで紹介する予定です。                                                                                                〔川内 博〕

2025年12月30日火曜日

猛禽類を中心とした一斉調査の予備調査結果

  

  来月1月上旬、猛禽類を中心とした調査を東京23区の全区で実施する予定です。これは10年前に実施した類似の調査との比較を目的としたもので、今回はより精度を高めるため、多摩川・荒川を加え25か所で調査。午前10時~12時の2時間、一斉に探鳥形式で行い、それにより23区内での猛禽類〔タカ目・フクロウ目・ハヤブサ目〕の生息状況を把握しようというものです。前回はオオタカ19羽のほか、ノスリ・ハイタカ・ツミ・ミサゴ・トビ・ハヤブサ・チョウゲンボウの生息を認めています。

29日に予備調査として、予定地の1か所を午後2時~4時に踏査してみました。結果としてはオオタカ・ノスリ・トビ・ミサゴ・チョウゲンボウの5種を確認しました。オオタカはキジバトを襲って逃げられ、ノスリは水辺の枝に長々と止まっていました。トビはハシブトガラス2羽にモビングされていました【写真】。

時間帯を夕刻にかけて行ったのは「フクロウ類」をと思ったのですが、まったく空振りに終わりました。本番ではどんな成果が得られるか、興味あるところです。  
                       〔研究部・川内〕

2025年12月23日火曜日

カオグロガビチョウ進出か・三鷹市の住宅地にて

  

  

 今年に入ってから、東京都三鷹市内のある住宅地に新顔の外来鳥がたびたび出没しています。その存在に最初に気づいたのは、615日の夕方のことです。三鷹駅へ買い物に出かけた帰り道、住宅地にある苗木畑から「ピョウ!ピョウ!」という聞き慣れない鳴き声が響いてきました。笛のようによく通る声で、どこかで聞いた覚えはあったものの、その場では正体を思い出せませんでした。その後も9月、10月と断続的に自宅周辺で同じ声を耳にしましたが、鳴き声が聞こえるのは決まって屋敷林や社寺林の中で、姿を確認することはできませんでした。

そして112日の朝、自宅近くの苗木畑から再び同じ鳴き声が聞こえてきました。苗木の陰には、地面をはねる鳥の姿がちらりと見えました。すぐに自宅へ戻ってカメラを持ち出し、撮影したのが掲載の写真です。その正体は、カオグロガビチョウでした。観察できたのは2羽で、木々の間を移動しながら、ときおり地面をホッピングして落ちている果実を採餌しているようでした。15分に一度ほど、2羽で「ピョウ!ピョウ!」と鳴き交わす以外は非常に静かで、終始、茂みの中を静かに移動していました。 

カオグロガビチョウは、東京都内では1970年代以降、世田谷区やあきる野市で定着が確認され、その後、青梅市や八王子市などでも記録されるようになっています。近年は多摩川流域を中心に分布を拡大していると考えられ、筆者自身も世田谷区、狛江市、府中市などで観察しています。しかし、北多摩地域では多摩川から離れると記録が少なく、三鷹市を含む周辺の都市公園や住宅街では、これまで確認したことがありませんでした。なお、国分寺市では一部で定着が見られる地域があるようですが、筆者は未確認です。 

本種は、雑木林や低木林などの明るい森林や、農地を含む開けた環境を好むとされています。そのため、屋敷林や苗木畑といった環境は、本種の生息地として適しているのでしょう。すでに2羽で行動していることから、来年以降に繁殖する可能性も考えられ、今後、周辺地域で個体数が増加することも否定できません。当地では、同様の環境で繁殖する鳥としてオナガやヒヨドリが挙げられます。カオグロガビチョウが新たに定着した場合、これら在来鳥にどのような影響を及ぼすのか、気がかりなところです。           〔鈴木遼太郎〕                                                               

2025年11月30日日曜日

東京都心部・神宮前交差点の秋のムクドリねぐら状況

  

  


 日本各地で続いている「ムクドリのねぐら(塒)問題」ですが、東京の中心部のJR山手線内では、以前からあまり大きなトラブルは生じていません。理由のひとつは集団ねぐらの発生が少ないこと、またその規模が大きくないこと、さらにねぐらをとる期間が比較的短いことなどです。そんななかで、渋谷区神宮の明治通りと表参道が交差する神宮前交差点は2010年代から続く場所で、規模が数千羽と大きく、興味をもって経過を追っています。

本ブログでは一昨年12月にその状況を紹介しましたが、今年は少し事情が違うようです。9月末に同地を訪れた時には2000羽以上と思われる群れが、ビル屋上の広告塔にびっしり止まり【写真上】、薄暗くなって定宿としているケヤキに流れ込みました。しかし、次に11月上旬夕刻に訪れたときは飛来がなく、定宿の真下となる地下道へのエレベーター付近の糞がきれいに掃除され、並木にはイルミネーションの豆電球が巻かれていました。下旬に2回夕刻に立寄ってみましたが、広告塔に姿がなく、また地面にも糞跡がないので塒形成をしていないようです。

 ムクドリのねぐらをとっている一帯は、国内外の有名ブランドが立ち並び、夕刻の歩道は外国人や若者で縁日の人出のような状況になっていますが、とりあえず今後どのような状況になるか、今後も機会をみて立ち寄ってみる予定です。                〔川内 博〕

2025年10月19日日曜日

秋晴れのなかでの小体験

  

  


 10月18日(土)今秋初めての秋晴! 早朝から自転車で“武蔵野三大湧水地巡り”を行いました。まず練馬区の石神井公園へ。三宝寺池では期待の水鳥の姿は少なく、カワセミも一声をきいただけ。ボート池もいつものキンクロハジロが渡来していないのか、8時から2つの池畔の40分の探鳥であわせて13種と寂しい状態でした。そこから約10分で杉並区の善福寺公園へ。上池・下池を一周し、ダイサギ、アオサギ、コサギ、カワウなどの姿がちらほら。カワセミは両池で声を確認。約40分の探鳥で同じく13種と低調でした。

3つ目の三鷹市の井の頭公園には10時過ぎに到着。まず目についたのが七生橋のたもとにそびえたっていて、カワウが20巣ほど営巣していた針葉樹が大きく剪定され、巣がなくなっていたことです【写真上】。人通りの多い道の真上で繁殖していたので、糞害などの対応ができなくなったのでしょうか。ここでの観察も1時間で13種。噴水池・ボート池の水が緑色になっていたのが気になりました。ただ、上空で10羽のカラスがオオタカをモビングするようすが観察できたのが唯一の収穫でした【写真下】。

ところで帰途で初めて立ち寄った杉並区立井草森公園では、1157分~127分の10分間という短時間で、エナガ・コゲラ・シジュウカラ・メジロ・ヒヨドリ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ハクセキレイ・キジバト・カルガモ・ドバトの11種を見かけました。面積的にも前出の都立3公園とは比較にならないほど小さな区立公園で、日ごろ見かける鳥たちばかりでしたが、探鳥的には楽しい時間を過ごしました。〔川内 博〕

2025年9月30日火曜日

デジタル版野生生物目録「東京いきもの台帳」への協力

  

  

 東京都環境局が2023年から始めた「東京いきもの台帳」は身近な場所での生きものの情報を、スマホを使って送ってもらい、都内に生息する生物を記録しようという活動です。本会もこの活動に協力することとなり、まず会誌『ユリカモメ』のバックナンバーや月例探鳥会の記録をまとめた『東京の野鳥たち』、鳥信データなどを提供しています。 

 『ユリカモメ』1011月号に『デジタル版野生生物目録「東京いきもの台帳」作成の取組について』という環境局からの案内を載せています。その概要は、生物多様性保全や回復に向けて、過去から現在までに都内で記録された野生生物の情報を網羅的に収集・発信するデジタル版野生生物目録をめざしたもので、標本情報、文献情報に加え、市民科学情報を収集し、台帳として整備し、これらをデジタルマップに表示し、種や年代ごとの検索が可能なシステムを構築するとなっています。  

 現在は、トンボ・セミ・クモ類の目録が公開されていて、917日からは鳥類の調査【写真:黒目川のカワセミ・川内博氏撮影】、10月から多くの分類群の調査が開始されるとのこと。生きもののコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」を用いて、写真を撮影し投稿するだけで協力することができるというものです。将来は自然環境デジタルミュージアムの開設をめざしているとのことです。〔日本野鳥の会東京・研究部〕

2025年8月21日木曜日

新宿中央公園でのハヤブサの観察

  

 

  まぢかに東京都庁がそびえたつ新宿中央公園。812日の午後440分、園内での用事をすませて帰ろうとしたとき、曇り空をバックにカラス大の鳥影を見かけました。翼動がカラスなどと違ってあまり羽ばたかず、高層ビルと同じくらいの高さを何回も旋回。その姿は下からは黒いシルエットで、ハヤブサと思いましたが確信は持てず、カメラでその姿を追いました。しばらくすると、その鳥よりやや小さい鳥が現われ、2羽が空中で交差するような行動も見られました。【写真・上】 新宿西口の高層ビル街といえば、以前からハヤブサを見たといううわさや熱心に観察された方がいるという話は聞いていましたが、今までその姿を見たことがありませんでした。 

  市街地でのハヤブサ情報といえば、新潟や石川、大阪などの高層ビルでの繁殖が話題となっています。しかし東京での繁殖は奥多摩での崖地での調査報告はありますが、高層ビルでの確実な営巣記録はないようです。(ご存知の方はぜひ研究部あてに情報をお寄せください)15分くらい経って、大きい方が都庁第一庁舎の屋上のアンテナ〔地上250mくらい〕に止まり、何かを食べているしぐさをしていました。【写真・下】 

『ユリカモメ』の「鳥信」に掲載された過去の記録をチェックしたところ、意外にも新宿西口の超高層ビル街からの情報は1件しかありませんでした。その検索途中で、私自身の池袋駅西口での20233月の報告を見つけました。ちょっとした記録でもいつの日か意味のある「データ」となるかもしれません。ぜひご投稿ください。    〔研究部・川内 博〕