2010年12月31日金曜日

東京圏のカラスの新しいねぐらは?―ご協力ください―

  

2002~2003年度にかけて、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県のカラスの集団ねぐら(100羽以上)の所在地と集まる数を調べました。そのデータをもとに地図上にプロットしました〔地図・赤い点〕。調査の結果、東京駅から半径50㎞(直径100㎞)圏に、集団ねぐらは100か所以上あり、数は約14万羽という結果が出ました〔地図の大きな円〕。その後のようすを調べていますが、その範囲は東京都庁を中心とした半径30km圏です〔地図の小さな円〕。
現在、それらのねぐらの近況をアンケート方式で調べるとともに、新しいねぐらができていないか調べています。ここ10年内にできたカラスのねぐらをご存知の方は、下記にお知らせ下さい。
【調査項目】1.集団ねぐらの住所・地名 2.集まるおおよその数 3.ねぐらができた年 4.ご報告者氏名 5.連絡先(住所・電話・Fax・E-mailなど連絡しやすい方法を)
【送り先】日本野鳥の会東京・研究部カラス係(いずれかの方法で)
〒160-0022 東京都新宿区新宿5‐18‐16 新宿伊藤ビル3階
/ Fax.03‐5273‐5142 /E-mail:kyw06432@nifty.com

2010年12月29日水曜日

尾の白いシメ・石神井公園で

  

今年はこのブログで、きれいな部分白化のハシボソガラスや全身純白のチョウゲンボウの話が出てきました。白化個体については、一般に「アルビノ」(albino)という言葉で呼ばれますが、正確にはアルビノは先天性メラニン欠乏症で、目が赤いものをいいます。このブログに登場している白化個体は「白変種」と呼ばれるもので、シロクジャクや白馬などと同じ系列で、発生のメカニズムが違っています。ただ、これらの言葉は一般的に区別されず、混用されいて、白化個体=アルビノとなっているようです。
ところで、12月27日、練馬区石神井公園でたわわに実ったイイギリにヒヨドリがという古典的な(?)写真を撮っていたら、近くの木の梢にやけに尾の白いシメを発見〔写真〕。何枚か撮るうちに飛び去って行きましたが、その後ろ姿で、尾全体が白いことがわかりました。背面等は確認できませんでしたが、尾が白いためか、やけに頭がでかく見えました。
 白化個体のシメについては、過去に八王子市の例が『ユリカモメ№624』(2007年10月号)・「フォト東京の鳥・3」で紹介されています。(川内博)

2010年12月20日月曜日

東京湾の水鳥の現状を考える・月例会1月14日の案内

  

研究部が毎月第2金曜日、夜7時~9時に開いている「月例会」。次回1月14日は、日本野鳥の会東京が東京都に出した意見書の内容について、検討していきたいと思います。
8月に都環境局から、10月の羽田空港拡張にともない、東京港鳥獣保護区の縮小についての意見照会が来ました。会はこれに対して、5つの条件を出し、「賛」としました。〔『ユリカモメ』2011年1月号参照〕
その条件の要旨は、1.東京港鳥獣保護区内の葛西臨海公園、海浜公園東なぎさ・西なぎさ、森ヶ崎の鼻干潟、多摩川河口などを特別保護区に指定すること。 2.東なぎさ・西なぎさの定期的な鳥類調査の実施と人工なぎさの自然回復。 3.鳥獣保護区の管理計画策定。 4.新しい東京都産鳥類目録の作製。 5.自然保護関係の団体との連絡会の創設です。今回は、これらの中身を関係者が集まって、具体的に検討しようというものです。会員以外も参加を歓迎します。
【タイトル】東京湾の水鳥の現状を考える  【日時】2011年1月14日(金)午後6時30分開場、7時~9時  【場所】日本野鳥の会東京・事務所(会場への地図は本ブログ11月8日付を参照) 参加費等は無料。

2010年12月12日日曜日

都内のドバトが減った! 原因は?

  

多くの方がお気づきと思いますが、東京都内の市街地からドバトが減っています。ドバト(堂鳩。カワラバトを品種改良して、伝書鳩やレースバトとしたものが野良化したハト)は、神社仏閣の境内、駅前広場、公園などに群れて生活し、人が与えるパンくずや菓子、弁当くずなどを餌資源として生きています。かつては都内各地にたむろし、糞や鳴声が嫌がられ、また、病原菌媒介などが疑われ、「ハト公害」として社会的な問題となっていました。
 ちなみに、1978(昭和53)年に、日本野鳥の会東京支部・研究部が呼びかけて、都内各地で調べたところでは、台東区・浅草寺(2000羽±)、千代田区・日比谷公園(569羽)、台東区・上野公園(466羽+)・・・・となっていて、79か所で合計8,711羽以上という発表をしています。
 この秋、その3か所を訪れてみました。浅草寺(28羽)【写真・ハトの名所であった浅草寺境内の鳩ポッポの歌碑】・日比谷公園(約70羽)・上野公園(約100羽)。30年以上経た両者の調査は、どちらも計画的な一斉調査などではなく、単に出かけて行って何羽いたかという単純なものですが、同じレベルですので比較になります。同じような減少傾向は、都内各地で気づきますので、広範囲に起こっていると思います。逆に、公園の林床や河川敷の草原で採食しているドバトをよく見かけるようになったと感じています。
 原因は?東京都が呼びかけている「ハトに餌をやらないで」のキャンペーン・オオタカなどの猛禽が棲みついた・鳥インフルエンザで毛嫌いされ営巣しにくくなったなど、いろいろ考えられますが、いずれにしても、もっとも身近な鳥「ハト」に異変が起きています。身近でのようすをお知らせください。

2010年11月25日木曜日

12月4日・第2回スズメ調査探鳥会 in HIBIYA を開催

  

今春バードウィーク最終日に、東京都心の日比谷公園で実施したスズメを中心とした調査探鳥会。その2回目を初冬の12月4日午前中に行います。調査はロードサイド・センサスというもっともポピュラーな調査法で、一度やってみればどこででも応用できるものです。土曜日の朝、冬の公園で野鳥たちの数をかぞえてみましょう。春と冬、種類や数にどんな違いがあるか、それがどんなことを意味しているのか、知ったり・考えたりする探鳥会です。
【日時】2010年12月4日(土)午前8時集合・11時ごろ終了  【集合場所】東京都千代田区日比谷公園・祝田門(東京メトロ・桜田門に近い門)    【参加費】無料・初心者歓迎  【主催】日本野鳥の会東京・研究部

ちなみに、第1回の結果は下の通りです。なお、肝心のスズメの数が当日の仮集計のものと違っています。今回発表しているものが正しい数字です。  さて、スズメの数が予想より少なかったのは、繁殖期であったことが第一で、読み違えです。意外と少なかったのはメジロ。次いでドバト。キジバトが1羽も記録されなかったのはなぜか。ネコの数はもっと多いようにも思うのですが。いずれにしても、何回か続けてみないと現時点では何ともいえないということろです。冬場のスズメは300羽いるか。興味あるところです。
2010年5月15日(土)8:50-10:20 ( )内は調査を3回実施した平均数
スズメ(115)アオサギ(1.3)カルガモ(2)コゲラ(2.7)ツバメ(2)ハクセキレイ(1)ヒヨドリ(4.7)シジュウカラ(18)メジロ(4)ムクドリ(2.7)オナガ(4.3)ハシブトガラス(35)ドバト(33) 以上13種 ・番外ネコ(12)

2010年11月19日金曜日

中野区初記録・哲学堂公園でフクロウが。しかし・・・

  

中野区の哲学堂公園にフクロウが現れました。2010年10月31日(日)午前8時半頃、公園内でカラスが異様に騒がしいので探したところフクロウでした〔写真〕。10羽ほどのカラスが繰り返しちょっかいを出していましたが動じる様子無く、1時間ほど見ていて雨が降り出したので避難し、再び11時半ごろ見に戻ったときにはいませんでした。周辺を探しましたが見つからず、飛び去ったか?人の立ち入れない部分に入り込んだのだろうと思っていましたが、11月3日に発見場所の近くで死んでいるのを公園管理者が見つけました。
聞いたところでは特に外傷も無く足輪も無かったそうです。発見時にも特に衰弱した様子は見られず、動じないとはいえ威嚇する様子も見られましたので死因は不明です。鳥類目録まとめの段階でも中野区でフクロウの記録は無く、少なくとも1975年以降初記録です。
ところで、同公園には再びカワセミが訪れる様になりました。また、近くの江古田の森公園(旧中野療養所)では10月31日・11月7日にマミチャジナイが見られました。                            (吉邨隆資)

2010年11月10日水曜日

柳瀬川・金山調節池にヨシガモ初登場か

  

先日、葛西臨海公園鳥類園に行った折、スタッフの方からヨシガモを見かけたら事務所まで連絡してほしいとの話がありました。鳥類園でもヨシガモは稀なる鳥かと思っていたところ、10月29日9時半ごろ、マイ・フィールドとしている清瀬市・柳瀬川流域の金山調節池でヒドリガモの観察中に、様子の違うカモ♂・♀各1羽を発見しました〔写真〕。
四角な頭の形と顔の色、風切羽・・・「もしやナポレオン?」と内心色めき立ちました。タイミングがよすぎることもあってやや不安。ヨシガモであれば当地では初記録です。換羽途中のようですので、見続ける予定です。なお、この周辺ではコガモ・オナガガモ・ヒドリガモ・オシドリ、アオジ・ジョウビタキなど冬鳥たちがそろいつつあるところです。                (青木秀武)