2011年1月26日水曜日

東京都心部に定着するエナガ・新記録募集中

           

 体重9g、全長14㎝、その半分以上が尾という小さくかわいい小鳥・エナガ。九州以北の森や林で一年中ふつうに見られ、シジュウカラやヤマガラ、メジロ、コゲラなどと混群をつくり、枝や葉についた小さな虫や幼虫、卵など、木の実をつついたりしながら、ジュリ・ジュリと声を出しあい、木々の間を移動していきます。その姿を活写した中村登流著『森のひびき』(大日本ジュニアブックス)は名著として知られています。まだの方はぜひご一読を。
 全国的には普通種のエナガが、どうしたわけか戦後、東京の平地部にはまったく生息していませんでした。「東京には緑が少ない。森林性のエナガがいないのは当然」とあまり気にしていませんでしたが、1980年代から小金井市や府中などの平地の緑地で定着するようになり、21世紀にはいると、練馬や杉並、板橋などの23区内でも姿を見せ、繁殖するようになっています。昨年からは明治神宮(渋谷区)や自然教育園(目黒区)などの都心部にも進出してきました。〔地図・東京都の地勢とエナガの繁殖分布図中の白い△印〕。
 ヒヨドリ・コゲラ・ツミ・オオタカと、1970年代から森林性の鳥の進出・定着が次々に見られている東京の市街地。我々が思っている以上に「森の都」のようです。エナガの新記録がありましたら、日本野鳥の会東京・研究部あてにお知らせ下さい。

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