2015年5月6日水曜日

東京の平地部の緑地で“ホーホケキョ”と鳴いていませんか?

  

ウグイス(鶯)〔写真・川内博氏撮影〕のさえずりは、“法・法華経”と聞こえ、早春を感じさせる美しい鳴声です。気象庁もその初音を「生物季節観測」のひとつとしています。
 東京の街なかの緑地(明治神宮、自然教育園、小石川植物園など)でも、3月初め~4月中ごろまではその声を楽しむことができますが、5月には、丘陵や山地に行かないと聞くことができません。
  しかし、少し前から小金井市や府中市、調布市などの多摩地区の平地部の緑地で、ひと夏中その声が聞かれているところがあります。ヤマガラ(山雀)とともに、その分布を広げているようです。
日本野鳥の会東京・研究部では、その実態を調べています。東京の平地部で、57月にかけて、ウグイス・ヤマガラがいつもいる場所がありましたら、下記にお知らせください。

【連 絡 先】メールoffice☆yacho-tokyo.org〔送信の際には☆を@にしてください〕 Fax03-5273-5142 手紙:〒1600022 新宿区新宿51816 新宿伊藤ビル3階 日本野鳥の会東京・研究部あて。お名前・連絡先を忘れずに

2015年4月30日木曜日

“不思議の鷹・ツミ”の謎に挑んだシンポジウム終わる

  
4回目の東京の環境を考えるシンポジウム「東京郊外・北多摩の自然 “武蔵野”の自然の今と昔・そして未来」(日本野鳥の会東京・NPO法人バードリサーチ・都市鳥研究会共催)は、419日(土)渋谷区立千駄ヶ谷区民会館で、36名の参加のもと無事終了しました〔写真・大塚 豊氏撮影〕。今回は、北多摩が主生息地のツミを切り口としましたので、内容は「ツミ・シンポ」となりました。
かつては“幻の鷹”とまでいわれたこの鳥は1980年代半ば、武蔵野の森に棲みだすと、大きな声が目立ち・人をあまり恐れず・街路樹にも営巣するという、予想もしなかった生態を見せています。
シンポジウムでは、この“武蔵野のタカ”の全貌を明らかすることをテーマとし、基調講演トップはバードリサーチの植田睦之氏による「武蔵野のツミの昔と今」で、北多摩地区での生態を中心に、カラスやオナガとのバトルも語られました。次いで、日本野鳥の会東京の吉田 巧氏は「写真で見る市街地でのツミの繁殖のようす」として、昭島市での繁殖生態を紹介。そして、都市鳥研究会の川内 博氏は「東京および近郊での営巣状況の推移」ということで、東京圏における状況を報告されました。後半には、パネリストとして青梅自然誌研究グループの御手洗 望氏、いたばし野鳥クラブの栗林菊夫氏も加わり、参加者全員で“ツミはなぜ武蔵野で繁殖するようになったのか”をディスカッションしました。
残念ながらその明確な答えは出せませんでしたが、多くの知見を共有でき、これからの研究の新展開が期待できる集まりとなりました。

2015年4月13日月曜日

「ツミ・シンポジウム」で“謎解き”しませんか

  

小型のタカ・ツミ〔写真・川内博氏撮影〕の、東京での繁殖が記録されてから30年経ちますが、未だにわからないことのひとつに“なぜ市街地で繁殖するの?”ということがあります。その場所で繁殖する第一の理由が「食べ物があるから」ということは自明の理です。しかし、彼らの主食である「スズメおよびスズメ大の小鳥」が市街地で増えたのでしょうか? また、彼らがもともと生息していた環境が悪くなったので「逃げ込んできた」ということもよくいわれますが、もともといた場所がどんなところかわかりませんが、“幻の鷹”とよばれ、かつては数例しか営巣例が知られていない鳥がなぜ、人間臭い“市街地”で好んで営巣するのか? さらに、これまでの調べでは、彼らは「山の中では営巣していない」ようです。彼らの生態には、さまざまな“謎”が秘められています。
同じハイタカ属のオオタカについては、プロ・アマの研究者・アセスメント関係者が長年調べていますが、ツミについては、今まであまり注目されてきませんでした。
もしかしたら「ツミ・シンポジウム」は日本で初めての集まりかもしれません。日曜日の午後、そんな謎解きに来ませんか。

【日 時】2015419日(日)開場1315分、1330分~16時まで
【会 場】渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・会議室                                                 〔会場地図は、本ブログ324日付参照〕
【参加費】300円  【定 員】事前申し込み不要・先着70

【主 催】日本野鳥の会東京・NPO法人バードリサーチ・都市鳥研究会

2015年3月24日火曜日

猛禽ツミのシンポジウムを開きます・4月19日(日)午後

  
東京の環境を考えるシンポジウム 第4

 北多摩の自然 “武蔵野”の自然の今と昔・そして未来  

 《主催:日本野鳥の会東京・NPO法人バードリサーチ・都市鳥研究会》

日 時:2015年4月19日(日) 開場1315分 講演1330分~16
会 場:東京都渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・会議室〔定員80名〕《地図》
交 通JR山手線「原宿駅」下車・徒歩8分、東京メトロ副都心線「北参道駅」下車・徒歩5分、千代田線「明治神宮前駅」下車・徒歩10分   参加費300                                                                          ※どなたも参加できます!     
【基調講演】

1.ツミはなぜ武蔵野で繁殖をするようになったのか(仮題)   
              植田睦之氏(NPO法人 バードリサーチ) 

2.写真で見る市街地でのツミの繁殖       
                            吉田 巧氏(日本野鳥の会東京)

3.ツミの東京および近郊での営巣状況の推移
               川内 博氏(都市鳥研究会)

【パネルディスカッション】

鳥が変わったのか?武蔵野が変わったのか? ツミ繁殖の謎を追う

2015年3月12日木曜日

東京23区に今冬オオタカは9羽、ノスリは7羽以上が生息

  

日本野鳥の会東京・研究部が111日(日)に東京23区を対象として、オオタカ・ノスリの一斉調査を呼びかけたのに対し、24日までに17区・25か所の緑地から報告が寄せられました。その結果、オオタカは6か所で計9羽、ノスリは5か所で計7羽が生息していたことがわかりました。対象地域には緑地が50か所以上ありますので、もっと生息していると思われ、2ケタの数が定着している可能性があります。
ところで、今回の調査で話題になったのは、オオタカがハトやカモ、サギなどを捕えて食べているのはよく見かけるが、ノスリ〔写真・高橋嘉明氏撮影〕は何を食べているの?ということでした。体が大きいためか、オオタカが食べているのを横取りする光景はしばしば見ますが、そんな生活をしているのか、独自の餌を調達しているのか興味あるところです。
 今回の調査では、この2種以外にも、ハイタカ・ツミ・チュウヒ・チョウゲンボウ・ミサゴ・トビといった猛禽類が観察されています。トビ以外は生きた動物を捕える鳥ですので、東京23区にそれらを養える量の動物がいるということなります。

この調査は、今後もいろいろな形で継続しますので、参加できるときはぜひご協力ください。

2015年2月11日水曜日

東京・カラスの集団ねぐら・観察事例

  
  最近東京都区内のカラスが少なくなったという声が聞こえてきます。東京都のホームページを見ると、「カラス対策」(トラップで捕えて殺処分)の取組状況として、都内約40か所で調べている、都内のカラスの集団ねぐら場所に集まる数は、調査初年度の2001(平成13)年度が36,400羽、2008(平成20)年度が21,200羽、最新データは2013(平成25)年度で13,300羽と発表されています。そこには、13年間の捕獲数が182,000羽であること(年平均14,000羽が殺処分されている)また、都庁に寄せられたカラスに関する苦情数は、2001年度が3,754件だったのが、2013年には318件となっていることなどが示されています。
  ところで、都の調査とは別に、毎冬「カラスのねぐら」の状況を順次見ていますが、井の頭公園付近(武蔵野・三鷹市)の“集団ねぐら”は消失したようです。しかし、上記40か所の調査対象になっていない品川区の都立大井ふ頭公園のねぐらは拡大し、1,000羽規模になっているようです〔写真。2015131日調べ〕。

  日本野鳥の会東京では、〔公財〕日本野鳥の会とともに、カラスの数を減らす対策として、捕殺をせず、彼らが利用している「生ごみ類」の徹底的な管理で“兵糧攻め”をと主張しています。各家庭、町内会、自治体での「ゴミ対策」が進んでいる今日、“邪魔だから殺す”という下策は考え直すべきではないでしょうか。          〔川内 博〕

2015年1月21日水曜日

東京23区のオオタカ・ノスリ一斉調査・中間報告

  

東京23区を対象に、オオタカノスリ〔写真・川内博氏提供〕が冬期に何羽くらい生息しているかを調べる初調査。1月11日(日)午前10時~12時に実施しました一斉調査は快晴のもと無事に終了しました。現時点までに17区の23か所から情報が寄せられ、オオタカは6か所で計9羽、ノスリは4か所で計6羽が記録されました。ご参加された皆様に感謝いたします。
今回の調査は、「特定の日時に一斉に」ということがミソで、このことにより、重複せずに何羽生息しているかが判明しました。ただ、現時点ではまだ未回収の記録もあり、中間報告とします。同じ日時で調査された方の情報も募集しています。最終的な記録は日本野鳥の会東京機関誌『ユリカモメ』に掲載予定です。

オオタカ・ノスリの情報募集中:東京都内で1月中に観察された方は、場所・日時をお知らせください。他の猛禽類の情報も集めています。・・・・提供・問合せ:officeyacho-tokyo.org;送信の際は☆を@に変更してご利用ください。〔締切〕2015131
                    日本野鳥の会東京・研究部