2025年12月30日火曜日

猛禽類を中心とした一斉調査の予備調査結果

  

  来月1月上旬、猛禽類を中心とした調査を東京23区の全区で実施する予定です。これは10年前に実施した類似の調査との比較を目的としたもので、今回はより精度を高めるため、多摩川・荒川を加え25か所で調査。午前10時~12時の2時間、一斉に探鳥形式で行い、それにより23区内での猛禽類〔タカ目・フクロウ目・ハヤブサ目〕の生息状況を把握しようというものです。前回はオオタカ19羽のほか、ノスリ・ハイタカ・ツミ・ミサゴ・トビ・ハヤブサ・チョウゲンボウの生息を認めています。

29日に予備調査として、予定地の1か所を午後2時~4時に踏査してみました。結果としてはオオタカ・ノスリ・トビ・ミサゴ・チョウゲンボウの5種を確認しました。オオタカはキジバトを襲って逃げられ、ノスリは水辺の枝に長々と止まっていました。トビはハシブトガラス2羽にモビングされていました【写真】。

時間帯を夕刻にかけて行ったのは「フクロウ類」をと思ったのですが、まったく空振りに終わりました。本番ではどんな成果が得られるか、興味あるところです。  
                       〔研究部・川内〕

2025年12月23日火曜日

カオグロガビチョウ進出か・三鷹市の住宅地にて

  

  

 今年に入ってから、東京都三鷹市内のある住宅地に新顔の外来鳥がたびたび出没しています。その存在に最初に気づいたのは、615日の夕方のことです。三鷹駅へ買い物に出かけた帰り道、住宅地にある苗木畑から「ピョウ!ピョウ!」という聞き慣れない鳴き声が響いてきました。笛のようによく通る声で、どこかで聞いた覚えはあったものの、その場では正体を思い出せませんでした。その後も9月、10月と断続的に自宅周辺で同じ声を耳にしましたが、鳴き声が聞こえるのは決まって屋敷林や社寺林の中で、姿を確認することはできませんでした。

そして112日の朝、自宅近くの苗木畑から再び同じ鳴き声が聞こえてきました。苗木の陰には、地面をはねる鳥の姿がちらりと見えました。すぐに自宅へ戻ってカメラを持ち出し、撮影したのが掲載の写真です。その正体は、カオグロガビチョウでした。観察できたのは2羽で、木々の間を移動しながら、ときおり地面をホッピングして落ちている果実を採餌しているようでした。15分に一度ほど、2羽で「ピョウ!ピョウ!」と鳴き交わす以外は非常に静かで、終始、茂みの中を静かに移動していました。 

カオグロガビチョウは、東京都内では1970年代以降、世田谷区やあきる野市で定着が確認され、その後、青梅市や八王子市などでも記録されるようになっています。近年は多摩川流域を中心に分布を拡大していると考えられ、筆者自身も世田谷区、狛江市、府中市などで観察しています。しかし、北多摩地域では多摩川から離れると記録が少なく、三鷹市を含む周辺の都市公園や住宅街では、これまで確認したことがありませんでした。なお、国分寺市では一部で定着が見られる地域があるようですが、筆者は未確認です。 

本種は、雑木林や低木林などの明るい森林や、農地を含む開けた環境を好むとされています。そのため、屋敷林や苗木畑といった環境は、本種の生息地として適しているのでしょう。すでに2羽で行動していることから、来年以降に繁殖する可能性も考えられ、今後、周辺地域で個体数が増加することも否定できません。当地では、同様の環境で繁殖する鳥としてオナガやヒヨドリが挙げられます。カオグロガビチョウが新たに定着した場合、これら在来鳥にどのような影響を及ぼすのか、気がかりなところです。           〔鈴木遼太郎〕