2012年12月31日月曜日

探鳥の名所「高尾山」の鳥の本が出版されました

  

日本各地に「探鳥」の名所がありますが、東京地方の山系として、まず指を折る場所が高尾山であることはだれも異論はないでしょう。そんな高尾山の鳥について、1冊の本が出版されました。『高尾山野鳥観察史-75年の記録と思いで』〔写真〕。著者は、高尾山にこの人ありといわれてきた清水徹男さん。
ここには、高尾の鳥の歴史が多面的に網羅されています。戦前のようすや鳥相、探鳥地としての生い立ちから、かかわった人たちのこと。日本野鳥の会東京支部の高尾山探鳥会としての歴史、出現した鳥たちの記録・変化など、さまざまなデータや情報が積み込まれています。
高尾山に登るのにさまざまなルートがあるように、この本も、関わった人から読むのもよし、出現鳥の変遷を読み解くのもよし。以前を知っている人にはそのまとめとして、若い人にとっては入門書となるという作りになっています。高尾山に関する文献のひとつとして、貴重な内容が満載された本で、11月に出たばかりですが続編が期待されます。
B5判・277ページ、けやき出版、1500(税別)

2012年12月19日水曜日

東京の環境・シンポジウムへのご案内・12月22日

  

毎年1回開催しています「東京の環境を考えるシンポジウム」の第2回を、下記の要領で開催します。第1回は「高尾山」をメインに開きましたが、今年は東京湾。その中でも自然環境の優れている葛西臨海公園・海浜公園に焦点をあてます。
【日時】20121222() 午後1230分開場、1時~4
【会場】東京都立葛西臨海公園鳥類園ウオッチングセンター1階・レクチャールーム
【交通】JR京葉線葛西臨海公園駅下車・徒歩約20
【定員】先着70名 【参加費(資料代)300
【演者】《基調講演》1.葛西の歴史をたどる:飯田陳也氏(葛西東渚・鳥類園友の会) 2.葛西の野鳥たち:鈴木弘行氏(日本野鳥の会東京 3.西なぎさのコアジサシコロニーについて:大原庄史氏(NPO法人生態教育センター) 
《パネルディスカッション》上記講演者にくわえ、金井裕氏(日本野鳥の会)、北村亘氏(NPO法人リトル・ターンプロジェクト)、中村忠昌氏(NPO法人生態教育センター)、三間久豊氏(日本野鳥の会東京研究部)

2012年11月28日水曜日

日比谷公園・スズメ調査探鳥会へのお誘い

  

今週土曜日(121)に、東京都立日比谷公園で、6回目のスズメ調査探鳥会を開きます。
この探鳥会の目的は、最近スズメが減少しているという話を検証しようということと、参加した人が、科学的に野鳥調査をする方法をマスターするということで、春(5月)と冬(12)の年2回開催しています。今回で丸3年となります。
「科学的に調査をする」といっても、方法は簡単で、調査地図を準備することと、調査の方法をいつも同じにするということで簡単です。しかし、その方法を知らないと難しそうで手を出さない人が多いようです。一緒に歩きながら気軽にマスターしようという企画です。ちょっと空気の冷たい12月ですが、早朝の都心の緑地を味わいにおいでください。
【日時】2012121() 午前8時~1130
【場所】千代田区・都立日比谷公園・祝田門集合(皇居・桜田門にいちばん近い門)
【持ち物・服装】早朝に散歩できる服装・靴、双眼鏡などあれば持って来てください。
【参加費】無料、誰でも参加できます

2012年11月14日水曜日

「自然教育園・野鳥調査会」第1回ぶじ終了

  


都心のオアシスとして親しまれている目黒の自然教育園での「野鳥調査会」。1110()に、快晴のもと、15名の参加で、第1回を予定通りでぶじ終了しました。センサス調査だけでなく、マミチャジナイ、ヒガラ、ウソ(写真)、など、日ごろ都心では見かけない鳥も出てきて、参加者はバードウォッチングも楽しみました。ことしは冬鳥たちが多そうです。
自然教育園は、一般には「目黒の」といっていますが住所は港区です。これからも奇数月の第2土曜日に、ホームグラウンドとして、野鳥調査会を開催します。野鳥をしっかり記録して、役に立つデータづくりに関心のある方はご参加ください。次回は来年112()。ただし、来月1210日までに申し込みが必要です。詳しくは『ユリカモメ』12月号をごらんください。

2012年10月30日火曜日

東京都心をサシバは通過しているのか?         サシバの里物語に寄せて

  



“里山に響き渡る「ピックィー、ピックィー」という声。この声を聞かないと春は始まらない。”そんな文章から始まる、栃木県市貝町を舞台とした『サシバの里物語』は、東京ではほとんど見かけなくなった鷹、サシバが主人公です。しかし、その8割がたはカエルやヘビ、蝶、花、紅葉、農作業などの写真です。サシバが単独で生きているのではなく、里山のなかで子育てをしていることを物語る構成となっています。
秋、彼らは群れをつくり南の国へと旅立っています。東京の街なかも通過しているようですが、観察する人がいないのか、その情報はほとんど寄せられていません。
秋空の一日、新宿御苑や代々木公園、木場公園などの草原に大の字になって空を眺め続けたり、スカイツリーや東京タワー、都庁展望階などの高所で陣取って観察し続けていると、サシバやハチクマの雄姿が確認できるかも。情報をお寄せください。
※写真はNPO法人オオタカ保護基金編『サシバの里物語 市貝町とその周辺の里山の四季』随想舎(2012年刊・1800円)から

2012年10月17日水曜日

新しい鳥類目録『日本鳥類目録改訂第7版』が出版

  

日本鳥学会からこの9月、12年ぶりに新しい鳥類目録『日本鳥類目録改訂第7版』〔写真〕が出されました。今回は、その分類に分子生物学の知見が組み込まれ、体系的に検討されたため、内容は大幅に変わりました。顕著な形としては、配列が従来とは全く違い、一番原始的とされるキジ目から始まり、下記のような順序となっています。とくに目新しいものとしては、タカ目からハヤブサ類が分離され、新たにハヤブサ目となり、しかもスズメ目の前に配列されるなど、まずは頭の切り替えが必要な内容です。今回はとりあえず第1報として、順次続報をアップしていきます。
【新しい配列順序】キジ目・カモ目・カイツブリ目・ネッタイチョウ目・サケイ目・ハト目・アビ目・ミズナギドリ目・コウノトリ目・カツオドリ目・ペリカン目・ツル目・ノガン目・カッコウ目・ヨタカ目・アマツバメ目・チドリ目・タカ目・フクロウ目・サイチョウ目・ブッポウソウ目・キツツキ目・ハヤブサ目・スズメ目

2012年10月10日水曜日

ヤマガラにご注目!近況をお知らせください

  

都市鳥研究会ホームページの「都市鳥最新情報」を見ていたら、今秋はヤマガラが各地に姿を現しているとか。そういえば、9月の明治神宮での調査でも、新宿御苑での探鳥でも、東久留米の黒目川沿いの探索でも、やけにヤマガラの声や姿を見たことに気づきました。皆さんのフィールドではいかがですか。
ヤマガラの生息分布は、繁殖期を含めて都内で広がっていることは、以前から指摘されています。要チェックの変化と思われます。今秋の状況とともに近況をお知らせください。(川内 博)

2012年9月19日水曜日

イソヒヨドリにご注目・ビルヒヨドリ増加中!

  
日本野鳥の会東京の事務所に、八王子・日野カワセミ会の会誌『かわせみ』第49巻が贈られてきました。今号のトップは「イソヒヨドリが八王子などの内陸への繁殖分布拡大中」というもので、海から40km以上内陸にある東京都八王子市内での繁殖が活発化していること、そして、内陸部への進出が全国的であるということが報告されています。 
イソヒヨドリは漢字では「磯鵯」と書き、日本では岩場の多い海岸線に生息する鳥というイメージですが、台湾やユーラシア大陸では以前から、とくに水辺に近いということはなく、遠く離れた森のなかや、2000m以上の山地にも生息していることが知られています。 
今回の調査結果を会長の粕谷和夫さんが、9月15~17日にかけて、東京大学で開かれた日本鳥学会大会でポスター発表をされていました〔写真〕。同じような現象は、北海道から沖縄まで見られているようで、新しい情報も多く、全国規模の調査へと発展しそうな状況です。 
ところで、インターネットを見ていたら、「ビルヒヨドリ」ということばが出ていました。天然の磯という岩場から、人工のビルという岩場へ移りすみつつあるこの鳥の新称としてピッタリか!? (川内 博)

2012年9月8日土曜日

紹介・ハチクマの渡りをWebで生中継

  
我孫子市鳥の博物館からのお知らせを紹介します。               こんばんは、鳥の博物館の時田です。今日はみなさんに秋の鳥の渡りを楽しんでいただこうというお知らせです。わたくしたちは長年ハチクマの衛星追跡をとおしてハチクマの渡り経路、越冬地を解明してきました。往復2万キロのハチクマの渡り、その驚きや喜びをみなさんと分かち合おうと、公開プロジェクトとして公開します。 このプロジェクトは、衛星追跡による渡りの状況をウェブ上で一般公開し、国内外の多くの人に見てもらうことによって、鳥の渡りや自然の仕組についての理解を深めてもらうことが目的です。まだハチクマは装着地である青森県内、山形県内におりますが、9月中下旬からこれらの繁殖地を出発し、近畿、中国、九州各地方を経て東シナ海を渡り、中国大陸に入ったのち、南下して東南アジア方面に渡る様子をリアルタイムでWebでご覧になれます。到着時期は、11月中~下旬と予想されます。ぜひご覧下さい。 ハチクマ渡り公開プロジェクトのURLはhttp://hachi.sfc.keio.ac.jp/

2012年9月2日日曜日

研究部月例会のご案内・9月7日(金)・夜

  
日本野鳥の会東京・研究部では、毎月「月例会」を会事務所で開いています。今回はゲストとして、『多摩川 自然めぐり~美しい生きものたちとの出会い』の著者・藤原裕二さんをお招きして、東京の川・多摩川の最上流から河口まで、現地を歩いての話をお聞きします。本については、当ブログ6月9日付で紹介されていますのでご覧下さい。藤原さんは素敵な写真も撮られていて、そのひとつが多摩川最上流にあたる原生林でのコルリ。周辺の状況もおさめた力作です〔写真〕。そんな傑作写真も期待できる内容です。その他、今回の月例会では、11月から始まる「自然教育園・野鳥調査会」や12月に予定されている「東京の環境を考えるシンポジウム・第2回」なども話題になります。ご参加ください。                                 【日時】2012年9月7日(金)午後6時30分開場、7時~9時  【参加費】無料【会場】日本野鳥の会東京・事務所〔新宿区新宿5‐18‐16 新宿伊藤ビル3階〕

2012年8月29日水曜日

東京・清瀬市柳瀬川で白いツバメが飛んでいました

  
当地では、ここのところツバメの姿がめっきり減って来ました。渡りを前にして、集結が始まっているのでしょうか。8月27日に清瀬市の柳瀬川で全身白いツバメ1羽を発見しました。尾羽の長さから、若鳥であろうと推察できます。白いツバメは、3~5羽位の小さな群れと共に、川面や城前橋左岸に広がる畑の上を飛翔していました〔写真〕。この個体がいわゆるアルビノ(白子)なのか白変個体なのかはよくわかりませんが、電線に止まったときの写真をよく見ると、黒い目の奥にやや赤みがあるようです。 白ツバメは、上空に向かって反転飛翔する折などに、他のふつうの黒いツバメと小競り合いをすることがあります。小競り合いを仕掛けるのは黒の方です。こうした小競り合いは、ふつうのツバメ同士ではあまり見られませんので、黒ツバメが異質なもの(体色が白いという)に対して、排斥行動をしているようにも見えます。時々、川辺を離れてどこかに行きますがやがて戻って来ます。白ツバメは、時折小群から離れて1羽になってしまいます。以上ここ2日間の観察です。(青木秀武)

2012年8月20日月曜日

繁殖記録・5 東京・中野区でツミの繁殖・初確認

  
都内各地でツミの繁殖が確認されていますが、中野区でもやっと成功しました。営巣場所は2か所で、1か所は営巣行動が毎年見られたのですが、カラスに妨害されて失敗していました。今年も7月1日に雌が警戒しているのを確認していました。雛は4羽とのことですが、まだ不明の点もありますので、詳しくは別の機会に。                                    もう1か所は、幼鳥は3羽で、おそらく8月10日頃の巣立ちで、現在は巣の近くにいて親からエサをもらっています。また盛んにアブラゼミを捕らえて食べるようすも確認できました〔写真〕。かなり遅い繁殖なので自立できるかが心配です。                                    (吉邨隆資)

2012年8月8日水曜日

会合紹介 鳥の色シンポジウム「色・鳥どり」8月25日

  
「新進気鋭の鳥学者と世界でただ一人の“アートテラー”が送る 日本初!?『鳥の色』シンポジウム」といううたい文句の集まりが開かれます。 どうして鳥は色とりどりなの・鳥はどうやって色をだしているの・鳥はどんな色を見ているの・・・など、いままで疑問に思ったことがあると思います。今回その解答をえることができるかもしれません。 入場無料・申込み不要という催しものですので、暑気払いをかねていかがですか。会場は地下鉄南北線・東大前駅から至近。東京大学構内の緑陰もなかなかのものですよ。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆日時:2012年8月25日(土)13時~16時30分 場所:東京大学農学部 弥生講堂一条ホール 主催:日本鳥学会 企画委員会(くわしくはウェブサイトで)

2012年7月31日火曜日

繁殖記録・4 葛西海浜公園のコアジサシ・コロニーのその後

  
6月24日(日)、江戸川区の葛西海浜公園・西渚のコアジサシ・コロニーを見てきました。地元の鳥に詳しい飯田陳也氏によると、6月19日の台風4号では、コロニーの3分の2まで波がおよび、ほとんどの卵やヒナは流されてしまい、コロニーは継続されたものの、台風直後のコアジサシの数は、ピーク時の約70組から約10組となったそうです。 この日は約20組が抱卵または準備中で、元気な3羽のヒナが確認できました。その後7月18日(水)には、葛西海浜公園管理スタッフの石塚氏によると、ヒナは5羽巣立ち、6巣が抱卵中とのことでした。今年、このコロニーでは6月初旬のスタートから7月18日時点で計130巣以上が確認されています。 ところで、1巣には2~3個の卵があるのですが、コアジサシ自ら卵に穴を開けてダメにしてしまうという不可解な行動が30個以上もあったそうです。そして、ちょうどこの日のお昼頃に2羽のヒナが孵化しました。 20数年ぶりに私達の近くに戻って来てくれたコアジサシのヒナが、少しでも多く、元気に巣立つことを願ってやみません。〔成井〕

2012年7月25日水曜日

繁殖記録・3 ツバメの繁殖記録をお送りください

  
日本野鳥の会(本部)では、今年から「消えゆくツバメをまもろう」というキャンペーンを始めています。自然環境の変化、社会環境の移り変わりに対応できず、ツバメは全国でその数を減らしています。どのような保護策があるのか、将来はそんなことまで考えなければならない状況です。その第一歩として、ツバメの営巣状況を全国的に集めはじめています。詳しくは、日本野鳥の会のHPにアクセスしてください。日ごろの身近な観察が役に立つと思います。 ところで、日本野鳥の会東京でも、それに呼応して、ツバメの繁殖記録を集めています。ただし、本部と違い、一つひとつの事例ではなく、東京都内である程度調査がまとまったものを報告してもらうというものです。発表されたもの、未発表のものに関わらず、どこでどんな状況かということを収集し、まとめたいと思っています。また、興味ある事例については、当ブログや『ユリカモメ』などで発表します。研究部宛てにお願いします。

2012年7月9日月曜日

講演会のご案内・カワセミの子育て・7月13日に

  
自然教育園のカワセミといえば、矢野亮先生。VTRなども使って、長年の詳細な観察・記録によって、日本のカワセミの繁殖生態の多くが先生によって解明されました。今回は調査中の苦労話をまじえて、カワセミの子育ての全貌を写真や図、資料・データなどを使って、わかりやすく紹介していただきます。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 題名:カワセミの子育て 講師:矢野亮・自然教育園名誉研究員       主催:日本野鳥の会東京     日時:2012年7月13日(金)午後6時開場、6時30分~8時〔講演終了後、情報交換会〕     場所:渋谷区立神宮前隠田区民会館;東京メトロ明治神宮前下車・7番出口すぐそば、JR原宿駅からは徒歩6分〔地図参照〕   定員:先着40名   参加費:300円      ※どなたでも参加できます。

2012年6月29日金曜日

繁殖記録・2 エナガとキビタキの都心部繁殖は?

  
本ブログの4月29日にエナガ、5月18日にキビタキの都心部繁殖の可能性を伝えましたが、実際、今年ある森で繁殖が記録されました。エナガは4月の中旬に巣と食べ物をくわえた親鳥を確認、キビタキは6月の中旬に、食べ物をくわえた雌と巣があると思われる場所が発見されました。現時点では場所や細かい状況は明らかにできませんが、予想通りといったところで、いずれも1例です。他の場所で確認された方はお知らせください。今回と同じように、情報を伏せて発表することができますので、ぜひご協力ください。〔写真は、都心部におけるエナガの営巣環境〕(川内博)

2012年6月18日月曜日

繁殖記録・1 葛西海浜公園でコアジサシのコロニーが

  
昨年、22年ぶりに繁殖が成功した、江戸川区の葛西海浜公園・西なぎさに、コアジサシが戻ってきて、子育てを始めました。6月17日時点では、観察個体数は約250羽、抱卵が60~70か所、孵化4か所(飯田陳也氏調べ)。コロニーの状況やロープによる保護地設置などは昨年同様で、コアジサシたちは元気に乱舞しています。 一般に、このようなコロニー(集団営巣地)の公開は慎重にすべきですが、この地は、一般の人が自由に往来できる場所なので、多くの人が訪れて、みんなで子育てを見守って、カラスや犬、野猫などの加害を防ぐのが得策ではないかとも考えられます。 しかし、いま台風4号の本土上陸が予報されています。実際台風がきたときに、彼らがどう対応するのか気がかりです。もっとも、浜辺や河川敷などに営巣する鳥。きっとがんばってくれると思います。

2012年6月9日土曜日

東京の自然の豊かさに驚く・新刊紹介

  
藤原裕二著『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』の終わりに「多摩川の最上流から河口まで、高山、森林、渓流、丘陵、里山、河原、公園、干潟など、いろいろな場所を歩き回り、そこで様々な体験をし、たくさんの生き物や光景と出会った」と記されています。この本の真価はまさにここで、著者が自分の足で歩いて、体験したことをもとに、その地の実態や現状、その時の出会い、感想が、写真をまじえてまとめられています。そして、読後には「東京」にはこんなに豊かな自然が息づいているのかということに、改めて気づかされます。 東京はややもすれば「街」だけがクローズアップされますが、多摩川という一水系を縦糸として見ただけでも、様々な横糸が連なっていて、すばらしい自然の宝庫であることを本書は語っています。私はまだ多摩川の源流まで行ったことがありませんが、これを機会にぜひ歩いてみたいという気持ちになりました。本書はさまざまな「東京の自然」を知るきっかけとなる本といるでしょう。巻末に「関係自然関係団体」一覧が掲載されていて、連絡先が記されているのは、今後情報を得るのに便利と思います。 『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』藤原裕二著、A5判・231pp.けやき出版、1500円(税別)         (川内 博)

2012年5月30日水曜日

東京・世田谷区内のツバメ繁殖数調査の報告書を発行

  
私達、(財)世田谷トラストまちづくり 野鳥ボランティアは10年前の1997年~2001年までの5年間、世田谷区民の皆様の協力を得て、ツバメの繁殖分布調査をしました。その結果は「世田谷のツバメ5年間の記録」として報告書を発行いたしました。 今回は、それから10年、世田谷区内のツバメは減ったか? また、区内、では何羽、の雛が巣立っているのかをテーマに2009年~2011年の3年間調査し、その結果をまとめました。結果は、10年前に比べ営巣数はほぼ横ばいという意外なものでした。 報告書は財団のホームページからpdf形式でダウンロードして読むことができ、保存もできますので、ご関心があればご一読ください。 http://www.setagayatm.or.jp/trust/research/tsubame/ 昨年12月に、世田谷区鳥類目録の第2集として「世田谷の鳥2010」を発行いたしました。2010年までの約60年間の世田谷区内の野鳥観察記録をまとめたものです。こちらも財団のホームページからダウンロードできます。19万件にのぼる観察記録のデータベース(Excel)もダウンロードが可能です。 http://www.setagayatm.or.jp/trust/research/birdslist/  (平 俊雄)

2012年5月18日金曜日

平地林のキビタキにご注意を

  
渋谷の明治神宮の杜では、4月末以来、キビタキ〔写真〕がさえずり続けています。また、バードウィーク中の同苑での調査では、全域で10羽くらいが記録されました。 夏鳥の減少傾向はいまも同じですが、ことキビタキに関しては、見かける機会が増えています。飛来数そのものが増えたのか、人目につくような場所に出てきたためかは現時点ではわかりません。ただ、昨年の日本鳥学会大会(大阪市大)でも話題になりましたが、山地林の鳥と認識してきたキビタキが、全国的に平地の森や河川敷の林のような環境で繁殖をし始めているようです。 都心部の人工林である明治神宮の杜で繁殖するようなことがあれば、興味深い事態ということになります。身近なフィールドでも気をつけて観察をお願いします。〔川内博〕

2012年5月8日火曜日

日比谷公園でスズメの数をかぞえよう・5月12日(土)

  
5月10日からはバードウィーク。野鳥たちが子育ての真っ最中です。最近身近な鳥・スズメの数が減ったということが話題になっていますが、東京都心の日比谷公園ではどうだろうかということで、2年前から春と冬にその数をかぞえています。今回は5回目ですが、過去4回右肩下がりの状況です。今回の調査結果を含めて近く分析する予定です。 この調査は、日本野鳥の会東京主催の「スズメ調査探鳥会」といい、実際はスズメだけでなく、出現する鳥全部を記録する「ロードサイドセンサス」となっています。今回はこれに加えて、シジュウカラの「テリトリーマッピング」調査も加える予定です。初夏の朝のバードウォッチング、数を調べることにこだわった探鳥会です。身近な場所で、簡単にできる調査法があることを知る機会ですので、気軽にご参加ください。 とき:2012年5月12日(土)午前8時下記に集合、午前11時ごろ現地解散  ところ:東京都立日比谷公園・祝田門  参加費:無料  持ち物:双眼鏡・筆記用具  ※だれでも参加自由です。

2012年4月29日日曜日

東京都心部でのエナガの繁殖にご注目を

  
東京都心部の緑地(明治神宮・新宿御苑・自然教育園・東御苑など)にエナガが越冬していることを以前お知らせしましたが、繁殖期も生息しています。そろそろ巣立ちビナが見られるころです。上記以外の緑地でも姿をあらわす可能性があります。ぜひ観察をお願いします。このエナガの繁殖地拡大現象は、東京だけでなく、埼玉や千葉の平地部でも見られていますので注意ください。とくに、習志野市の谷津干潟周辺の森では定着しているようですので、ぜひ記録をお願いします。〔写真は4月の明治神宮で撮影〕(川内博)

2012年4月14日土曜日

見て楽しいカラー写真満載の『水元鳥類目録』

  

葛飾区にある水元公園は江戸川を境に千葉県と接する、東京の最東端に位置する都立公園。「小合溜」(こあいだめ)という水辺に沿って広がる面積は約86ha。その広大な敷地のなかには、水生植物園やメタセコイヤの森などとともに、バードサンクチュアリがあり、自然好きの親子が一日楽しめる場所となっています。
そこをフィールドとしているのが「みずもと自然観察クラブ」で、野鳥からトンボ、クモ、植物などを対象とした観察会を土・日に開催するとともに、隔月刊で、きれいな写真を満載した会報『かいつぶり』を発行しています。
昨年3月に、同会から1987年~2011年までの記録をまとめた『水元鳥類目録』が発刊されました。きれいなカラー写真主体とした体裁で、とくに、8ページのコサギの群飛の写真は、日本画を思わせる秀逸の作品です。
「鳥類目録」としては、もう少し情報がほしいといったところですが、見て楽しい本となっています。日本野鳥の会東京に寄贈いただきましたので、来所の際には、ぜひご覧ください。B5判・65ページ・2011年3月31日発行。送料込みで2,500円。購入を希望される方は、同会事務局にお問い合わせください。Tel/Fax:03-3600-0371(田中広さん方)

2012年4月7日土曜日

月例会は“八丈島”特集・興味のある方もどうぞ

  

研究部月例会は、4月13日(金)午後7時~9時の予定で、日本野鳥の会東京・事務所で開きます。今回は5月実施の八丈島探鳥会の説明会を兼ねて、“八丈島”の魅力を紹介します。話はアカコッコ・イイジマムシクイ・オーストンヤマガラ・海鳥などの鳥だけでなく、その自然や観光にも広がる予定です。探鳥会では、3~4時間のフリータイムを予定しています。温泉にゆっくり・島の歴史探訪・独自の探鳥とその時間の使い道は人それぞれという企画です。そのための情報集めにも利用してください。八丈島探鳥会への参加は、これから申し込まれても大丈夫ですので、迷っている方も月例会場にどうぞ。      〔写真は、八丈富士の雄姿〕

【八丈島探鳥会のあらまし】 5月18日(金)夜9時に東京・竹芝桟橋集合、「大型旅客船」に乗り、船中1泊。翌朝は9時ごろに八丈島港。川沿いに探鳥しながら八丈植物園へ。昼食後午後2時ごろにホテル着の予定。夕食までフリータイム。夜、地元のネイチャーガイドさんからの話。翌朝、有志で「アカコッコ調査」。朝食後9時ごろ乗船。20日夜9時竹芝桟橋着・現地解散。
開催日:2012年5月18日(金)夜~5月20日(日)夜  参加費:31,500円
宿泊先:八丈ビューホテル  旅行社:佐渡汽船                   〔くわしくは『ユリカモメ』3月号をご覧ください〕

2012年3月26日月曜日

身近な野鳥の繁殖を記録しよう

  

今年の日本野鳥の会東京・研究部の繁殖調査のメインは「エナガ」と「カワセミ」ですが、昨年から始めた「身近な野鳥」も継続中です。昨年はバードウィークの5月11日に、室内例会「身近な野鳥・スズメとツバメの物語」を開催しました。今年は皆さんの観察記録を中心にと企画をねっています。
庭にかけた巣箱にシジュウカラが、藤棚にキジバトが、勤務先の会社の玄関にツバメが・・・。以前はマンションのベランダの植え込みで、ヒヨドリが子育てをした記録もあります。マイ・フィールドでのカルガモやカイツブリなどの記録も、また、エナガやカワセミの観察も大歓迎。詳細は、4月半ばに発表しますが、今年の観察も含めてご準備ください。〔写真:巣材を運び込むシジュウカラ 青木秀武氏撮影〕

2012年3月12日月曜日

紹介・東京都心の観察記録『千代田の鳥類』

  

東京都の中心部、千代田区の鳥類目録『千代田の鳥類-東京都心の観察記録-1998年~2003年』〔A4判・272ページ・2011年11月〕が発行されました〔表紙〕。千代田区は皇居をはじめ、その一部である東御苑、隣接している北の丸公園や日比谷公園などの緑地が広がり、皇居の周りにはお濠がぐるりと取り巻き、また外堀もあるという水辺豊かな地です。一方、霞が関の官庁街や丸の内・大手町のビジネス街が続き、日本橋・神田などの商店街が広がる繁華な一帯で、どんな鳥が、どのように生息しているにか興味あるところです。
記録された種は、ドバト・コクチョウなども含めて97種で、その概要とともに、種ごとにカード形式で報告された観察記録が載せられていて、使い手(読者)が興味のあるものをチェックしながらデータとして利用できるようになっています。たとえば、私が都心部のことで調べているカモ類の生息状況やタカ類の出現状況などを垣間見ることができますし、いま都心に進出しているエナガの記録はと見ると、当時は記録自体がないこともわかり、情報源となります。
現在、新しい東京都産鳥類目録を作成途中ですが、このような詳細な報告書が各地で発行されると、内容が充実されます。一般書店では取り扱っていないので、興味のある方は、「千代田の野鳥と自然の会」http://www.chiyoda-birds.netにお問い合わせください。〔川内 博〕

2012年3月4日日曜日

カワセミの繁殖を記録しよう・3月研究部月例会の案内

  

3月の研究部月例会は、新・東京都産鳥類目録の今後の作成について、話し合いを行います。とともに、下記のように、今春の目標を設定したいと思っています。
かつて“幻の鳥”とも評されたカワセミは、いまでは水辺の普通種。とくに冬季は、都心部の公園の池や濠、運河などでもその姿を見ることができ、ちょっとありがたみがなくなった感もありますが、バードウオッチャーやカメラマンには抜群の人気の鳥です。また、一般の方でも、背中のコバルトブルーを一度見れば、一生忘れないインパクトを持っています。
しかし、その繁殖状況については、不明な点が多く、よく調べられていません。営巣地の調査は、保護の面からいえばトラブルの原因になることがありますが、その実態を科学的にきちんと押さえておく必要があります。
そこで、都内全域を対象として、営巣地の分布を調べたいと思っています。この調査では、巣自体を見つけるのではなく、繁殖の確証を得るもので、例えば「小魚をくわえて飛んで行った」「給餌を受ける巣立ちビナを見た」「繁殖期にいつも雄雌が見られる」などのレベルで記録したいと思います。もちろん、集めた記録はきちんと処理し、繁殖地が特定されないような形で発表します。この調査に興味のある方は、研究部宛てにご連絡ください。

題名:日本野鳥の会東京・3月研究部月例会
日時:2012年3月9日(金)午後6時30分開場、7時~9時
会場:日本野鳥の会東京・事務所 〔地下鉄「新宿三丁目」から徒歩約5分〕
内容:新・東京都産鳥類目録作成の今後の動き
   今春の活動・カワセミの繁殖分布地図をつくろう

【目録作成関係者以外の方の連絡先】
E-mail:kyw06432☆nifty.com (メールの際は、☆を@に変換してください)
Fax:03-5273-5142  会場地図は、研究部HP・ブログをご覧ください。

2012年2月21日火曜日

エナガが繁殖活動を始めています

  

東京都心部に進出してきたエナガ。昨日(20日)、渋谷区の明治神宮の境内で巣材のクモの糸を取っているところを見かけました〔写真〕。エナガの繁殖の時期は早く、2月下旬ごろから巣作り行動が見られ、3月には営巣に入ります。東京での繁殖状況についてはよくわかっていませんので、この時期にエナガが定着しているところでは注意して、観察とともに記録をとってください。新宿御苑、自然教育園などでも可能性が高いと思われます。(川内 博)

2012年2月12日日曜日

矢根保氏が遺したもの・人柄を表した心やさしい図鑑

  

今年1月半ば、一冊の本が送られてきました。『楽しいバードウオッチング』というB6判184ページのカラー写真を使った野鳥の図鑑で、著者は矢根 保氏〔写真〕。矢根さんは現在進行中の新しい東京都産鳥類目録作成の伊豆諸島・青ヶ島担当者として、お願いしている方でした。青ヶ島は東京からみると“鳥も通わぬ八丈島”からさらに南へ約70kmも離れた孤島で、人口は200人程度の伊豆諸島最南端の有人島です。東京都といえど、私もまだ2度しか行ったことのない場所で、そこに棲む鳥の情報はあまりありません。矢根さんは小学校の先生として、1996~97〔平成8~9〕年度に同島で勤務され、その間の観察記録を月刊誌『バーダー』の1998年7月号〔12巻7号〕に10ページにわたって報告されています。
2009年6月に、青梅市立河辺小学校の校長室へ、鳥類目録作成のお願いに伺い、快諾をいただいたのが唯一の出会いでしたが、校長のご名刺とともに「日本鳥学会会員・日本自然保護協会自然観察指導員・元尾瀬自然保護指導員」と記された名刺もいただきました。
今回お贈りいただいたご著書に載せられている写真は、身近に見られる鳥だけでなく、北は北海道から南は沖縄・与那国島、そして青ヶ島など日本中で撮られたもので、それぞれに特徴や生態の解説もついています。
本の送り主は実兄にあたる方で、お手紙には昨年七月にご病気で亡くなられたことが記されていました。生前に出版を企画され準備されていたものです。カワセミの幼鳥が表紙を飾っているのは、教師として、児童・生徒たちへのメーセージと思われます。また、鳥の目がやさしいのも、矢根さんの子どもたちとの日ごろの接し方が表れているのでしょう。鳥が主役の図鑑ですが、そんな人柄も垣間見られる力作です。
出版社で購入に対応いただけるとのことですので、ご希望の方は下記にご連絡ください。末尾ながら、故矢根保氏のご冥福をお祈りします。
〒113‐0033 文京区本郷2‐22‐4(株)三誠社 (電話)03‐3812‐0241 (Fax)03‐3811‐2062  定価800円(税込、送料込)        〔川内 博〕

2012年2月3日金曜日

第4回東京湾の水鳥の保護研究会のご案内

  

ツグミなどの冬鳥の姿がなかなか見られなかった今冬。記録的な寒さが続くようですが、1月に東京港一帯で実施しました、水辺の基礎調査の結果を中心に、今冬の越冬鳥の状況の意見・情報交換を行い、今後の活動について話し合っていきたいと思います。
今年はスズガモが葛西沖に来るのが遅く、心配されましたが、ここのところは例年並みの生息状況になったようです。【写真】

日時:2012年2月10日(金)午後6時30分開場、7時~9時
会場:日本野鳥の会東京・事務所 〔新宿伊藤ビル3階〕
交通:地下鉄・新宿三丁目/東新宿から徒歩約5分
    JR新宿駅から徒歩約15分

ところで、このブログでも宣伝しました1月22日(日)のイベント「カンムリカイツブリ・スズガモの数をかぞえる」は、あいにくの悪天候で実施しませんでした。2月ないしは3月の日本野鳥の会東京・定例・葛西臨海公園探鳥会時に実施を予定しています。「参加賞」を用意していますので、家族連れでどうぞ。詳しくは、このブログなどでご案内します。

2012年1月28日土曜日

山梨・甲府駅前にカラスのねぐら・東京近郊の話題

  

山梨県の県庁所在地・甲府。そのJR甲府駅前から南へ通じる大きな道路が平和通り。通りに面して県庁や市役所、銀行などが軒を並べています。そして立派なケヤキの並木が、両脇に数百メートル続いています。
街なかのカラスといえば東京ですが、甲府駅前にカラスのねぐらがあるということで1月25日、状況を調べに行きました。夕方の3時半ごろからカラスは集まりだし、1000羽近くがビルの屋上に終結。確認できた個体はすべてハシボソガラス。午後5時過ぎ、暗くなってから、平和通り沿いのビル屋上に移り、5時半ごろからケヤキの木に止まりだしました【写真】。
歩道を歩くと、身近に「ペシャ」という音が次々に。今のところ苦情は来ていないとのことですが、ムクドリですら大問題なのに、カラスの糞はその数倍。問題が大きくなると思われました。
まだなぜ街なかにねぐらをとるようになったのか原因はわかっていないようですが、ムクドリのような現象ですので、今後東京でもと考え紹介します。同じような光景をごらんになった方は、研究部までお知らせください。〔川内 博〕

2012年1月26日木曜日

杉並区「水鳥の棲む水辺」シンポジウムの案内

  
杉並区では善福寺川を、『区民が創る、カワセミが棲む自然豊かな水辺』にするために、善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業を展開しています。その一環として今年の1月14日(土)に、善福寺川の水鳥一斉調査を行いました。私もこの事業に係わっていて、9時30分より12時まで善福寺公園で、区立井荻小学校の児童保護者と一緒になって、水鳥を含む野鳥の調査を行いました。同日、和田堀公園周辺の善福寺川でも調査を行いました。
1月28日(土)午後1時から、善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業シンポジウムを、杉並区立勤労福祉会館で開催します。(独)国立科学博物館付属自然教育園名誉研究員の矢野 亮氏による『カワセミの繁殖生態』についての基調講演があります。お出かけください。(西村眞一)

2012年1月22日日曜日

がんばれ!1本指のセグロセキレイ君

  

東京・板橋区と北区にまたがる都立城北中央公園は私のフィールド。そこを流れる石神井川の一角を毎冬なわばりにする、脚指がほとんどないセグロセキレイがいます。この冬も頑張っています。
彼(?)がこのブログに初登場したのは2009年11月21日付。セグロセキレイは、2008年の冬からこの地で越冬するようになった新顔ですが、2009年秋に戻ってきたときは、どんなアクシデントがあったのか、左脚の指はなく、右脚に1本の指を残すだけという状態になっていました。しかし無事に冬を越し、翌シーズンにも元気な姿を見せ、2011年2月23日付で再登場しています。
そして今シーズンも帰ってきました。そんな彼(?)は、1本指で器用に頭掻きをしていました〔2011年10月9日撮影〕。            (土橋信夫)

2012年1月19日木曜日

葛西臨海公園探鳥会のイベントに参加しよう

  

 今週末の日曜日・22日に開催される、日本野鳥の会東京主催・定例葛西臨海公園探鳥会で、「カンムリカイツブリ・スズガモの数をかぞえる」というイベントが予定されています。
 これは、同会の「野鳥の保護研究」の一環として行われるもので、日本有数の水鳥の飛来地・東京湾の環境をみようというもので、探鳥会の昼休みに、参加者に呼びかけて、数千羽いると思われるカンムリカイツブリ〔イラスト〕と、数万羽と予想されるスズガモの数を、望遠鏡をのぞきながら、カウンターで数えてもらおうというイベントです。
 イベントですので、もちろん全部をかぞえるとか、その記録をというものではありません。カウントのおもしろさとたいへんさを体験してもらうのが趣旨のようです。チャレンジャーには参加賞も用意されているとか。お知り合いにも声をかけて、冬の海辺で一日を楽しんでください。どなたでも参加できます。

集合:2012年1月22日(日)午前10時 JR京葉線葛西臨海公園駅下 
    解散は午後3時ごろ
用意:防寒具と雨具。弁当・飲み水 
参加費:200円(野外活動の保険を含む)

2012年1月11日水曜日

「野鳥の父・中西悟堂と善福寺池」展へのご案内

  

杉並区立郷土博物館分館にて開催されています、「野鳥の父・中西悟堂と善福寺池~野鳥保護に捧げた生涯~」展は、昨年の12月11日で閉会の予定でしたが、大変好評に付き2月5日(日)迄、延長されました。
中西悟堂氏は、昭和9年に日本野鳥の会を創設しました。本展示では、中西氏の著作、草稿、蔵書、写真などの未公開の品々や、戦前の野鳥誌全冊など300点余りの資料を通して、中西氏の野鳥保護に捧げた生涯を展示しています。また、戦前に住んでいた杉並区善福寺池周辺の古地図、古絵葉書なども展示してあり、当時の自然環境が読み取れます。
1月15日(日)13時30分からは、西村眞一による第3回目の「中西悟堂と善福寺池」の講演会が行われます。ぜひ、お出かけください。(西村眞一)

杉並区立郷土博物館分館『野鳥の父・中西悟堂と善福寺池』展
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/histmus/event/index.asp?event=15964