2021年7月15日木曜日

『小笠原諸島〜伊豆諸島 ツバメの渡り調査 2021』観察記録大募集!

  

   小笠原諸島や伊豆諸島を経由して飛来するツバメの生態を島民や島への旅行者の観察者の方達と協力して調べています。標識調査の結果などからツバメの越冬地は東南アジアで、南西諸島を経由して日本各地へ渡ってくることが明らかになっていますが、小笠原諸島、伊豆諸島を経由する渡りについては明確なことはわかっていません。 

この調査は日常の暮らしの中での目視での観察記録による調査なので、越冬地や渡りの正確なルートは明らかにすることはできませんが、春の渡りでは2018年からの2021年までの母島から大島までの11の島から届いた観察記録から、南に位置する島ほど初認される日が早い傾向にあることがわかりました。このことから越冬地は不明ですが、ツバメたちは太平洋の島々をつたって北上していると考えられます。 

また、今年は伊豆諸島で繁殖しているツバメの様子を調査しています。小笠原諸島ではツバメの繁殖の記録はありません。伊豆諸島では、御蔵島や八丈島以南の島では、現在はツバメの繁殖の報告はなく、三宅島以北の島で繁殖していることがわかりました。伊豆諸島で繁殖をしているツバメたちはどこからきてどこへいくのでしょう? 

繁殖を終えたツバメたちは越冬地へ向けた秋の渡りを開始します。島のツバメたちの秋の渡りについても調べていきたいと考えています。この調査はツバメには全く迷惑がかからず、観察記録が多く集まるほどツバメたちのようすが見えてくる楽しさがあります。島でツバメを観察したら「いつ、どこで、何羽、誰が、状況」の5項目を記録して是非メールで連絡をください。 https://oga-izu-swallow.jp/     〔重原美智子

2021年7月9日金曜日

『東京の野鳥たち・3』の配布と『東京の野鳥たち1・2』の頒布

  

 日本野鳥の会東京が毎月開催している10か所の探鳥会(月例探鳥会)の観察鳥類とその個体数をまとめたのが『東京の野鳥たち』。19952014年度の20年間をまとめた2冊の報告書(『東京の野鳥たち~月例探鳥会7か所・20年間の記録~』〔通称『東京の野鳥たち1』〕、『東京の野鳥たち~月例探鳥会3か所・20年間の記録 および 明治神宮・高尾山・新浜の長期記録~』[通称『東京の野鳥たち・2』])の続巻として、20152020年度の記録(データ)を収めた『東京の野鳥たち・3』をCD-ROM版で発行しました。【写真】内容は、19954月~20202月までの約25年間のデータを収録したものです。(折からのコロナ禍で、探鳥会そのものが20203月以降中止となりました。) 

『東京の野鳥たち・3』には25年間の月例探鳥会での出現鳥類の全データが収められていますので、さまざまな検証ができます。その一例として、10か所の探鳥地[葛西臨海公園・東京港野鳥公園・清澄庭園・明治神宮・多磨霊園・高尾山・多摩川・新浜・谷津干潟・三番瀬]の出現状況をメッシュグラフにして並べていますので、知りたい鳥の№(日本産鳥類目録第7版に準拠)を入力すると、それらを一覧し、出現状況を知ることができます。それをどう処理するかはそれぞれの人の興味でいかようにも分析できるようになっています。また、膨大なデータを駆使して、別の分析もできると思います。 

今回出版しました『東京の野鳥たち・3』はデータ集ですので、状況を把握するには報告書『東京の野鳥たち1・2』とセットでの利用を想定しています。『東京の野鳥たち・1』(1,000円)・『東京の野鳥たち・2』(700円)+ 郵送料で頒布しています。『東京の野鳥たち・3 』はセットとして付いています。なお、すでに『東京の野鳥たち1・2』をお持ちの方には郵送料だけでお送りしますので、日本野鳥の会東京あてお申し込みください。詳しくは下記にお問い合わせください。

E-mail:office@yacho-tokyo.org 「東京の野鳥たち」係

研究部では今後さまざまな検討を行いますが、ぜひ皆さんも手元において、分析作業にご協力お願いします。〔日本野鳥の会東京・研究部〕