2015年6月3日水曜日

図書紹介 “オキノタユウ”って鳥、ご存じですか?

           
“オキノタユウ”を漢字で「沖の大夫」とかけば、ある程度見当がつくかもしれません。標準和名をアホウドリ(信天翁)という大型の海鳥で、一度は絶滅宣言が出されましたが、伊豆諸島・鳥島で再発見され、国の特別天然記念物(そのおもな生息地・鳥島も天然保護地域)、国内希少野生動植物、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている、国際的にも貴重な鳥です。

今年1月号の『ユリカモメ』(日本野鳥の会東京機関誌)に、その保護・研究の第一人者の長谷川博さんが、巻頭言と近況報告を書かれています。巻頭言のタイトルは「アホウドリをやめて、オキノタユウに」で、長谷川さんの長年の主張です。
このたび長谷川博さんが『オキノタユウの島で 無人島滞在“アホウドリ”調査日誌』(偕成社、1800円+税)を出されました。
鳥島での孤軍奮闘の保護研究活動は国を動かし、今では環境省や山階鳥類研究所も加わって、オキノタユウは絶滅の危機を脱し、5000羽を超える勢いです。

この書には、長谷川さんの鳥島での生活も紹介されていて、小学校上級生以上なら、楽しく読めるような内容で、オキノタユウの最新情報が満載です。(川内 博)

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