2008年11月20日木曜日

第1回東京の鳥シンポジウムの開催

           

 日本野鳥の会東京支部では、研究部主催で、第1回東京の鳥シンポジウムを11月15日(土)に、渋谷区立千駄ヶ谷区民会館で開催しました。今回は、いま進行中の「自治体別鳥類目録」作成を眼目に、メインテーマは「東京の鳥の変遷を探る」。基調講演は環境変化にともない東京の鳥相が一変したことを示した「『1970年代』を境に東京の鳥は変質した」、次いで目録の大切さを解説した「『生物インベントリ』の重要性」、そして、ミシュランにも登場した東京の名所・高尾山の鳥の変遷をまとめた「高尾山の『鳥歴』を追う」の3編。それぞれ詳細な資料をもとに、興味深い内容でした。
 右の表はその際示されたもので、東京都心部の明治神宮でのカワセミの生息のようすです。縦軸は年、横軸は月。黒く塗りつぶされたところがカワセミが確認された月。1947(昭和22)年から毎月第3日曜日に開催されている探鳥会(バードウオッチング)の記録から作成されたものです。この表から、カワセミが東京オリンピック(1964年開催)の影響を受けて、都心部から姿を消したこと、そして、1980年代に復活したことが明確にわかります。
 「鳥は環境の表現型」という面でみると、東京の環境の変遷の一部をものの見事に示したものといえるでしょう。今回のシンポジウムは第1回。2回、3回と開催される予定です。研究部のHP、ブログで事前に開催を告知しますので、ぜひご参加ください。

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