2011年7月29日金曜日

繁殖記録・1 大田区内でササゴイが繁殖 !

  

  本年6~7月に、大田区内の東京湾岸部で、ササゴイの営巣繁殖を確認しました。営巣環境は湾岸の公園の樹林地で、数年前から春~秋の季節に 付近の運河沿いの石積み護岸などで、複数個体の成鳥が観察されていて、繁殖の可能性があると推測していました。
  少なくとも3ペアが1つの場所で営巣していて、クロマツで2巣とケヤキで1巣、いずれも梢より少し下の、地上から約15mのところに掛けられていました。繁殖の段階はかなりずれがあり、6月中旬の時点で中程度の大きさのヒナがいる巣・抱卵中の巣・造巣途中の巣と言うようにばらばらでした。
  都市公園のため、ハシブトガラスの脅威が大きいらしく、親鳥が巣の近くで見張りをする行動も観察されました。7月下旬には巣立ち前後と思われる幼鳥が確認され、少しずつですが、繁殖に成功しているようです。(大塚豊)

2011年7月20日水曜日

第1回東京湾の水鳥の保護研究会の報告

  

 7月8日(金)夜、日本野鳥の会東京・事務所での「第1回東京湾の水鳥の保護研究会」には東京港野鳥公園、葛西臨海公園、森ヶ崎水処理センターなどにかかわられている方も含め、東京湾の鳥に関心の深い17名が集まりました。東京湾は、かつては世界に知られた水鳥の宝庫で、とくに六郷川(多摩川)河口や千葉の新浜は、カモやシギ・チドリの名所でした。1960~70年代は湾の最奥部には遠浅の干潟がまだ残っていました。しかし、経済成長とともに湾岸部は次々と埋立てられ、その間にさまざまな保護活動・運動が行われましたが、結局東京都に属する場所からは自然海岸はなくなり、その代償として、人工なぎさ〔写真・葛西海浜公園東なぎさ〕や水辺が造成されました。一連の流れの中で、シギ・チドリ類の減少はいちじるしく、種類・数ともかつてとは比べものにならない状態になっています。
しかし、沿岸部の海上には数万~10数万羽のスズガモや、数千羽のカンムリカイツブリ・ハジロカイツブリが越冬し、人工なぎさには春・秋には万単位のコアジサシ・コアジサシが羽を休め、年間を通して多数のカワウが餌場として利用しています。ほかにもミヤコドリをはじめ、珍しいヘラサギ類やサギ類、カモ類も生息していて、「水鳥の宝庫」は今も続いています。
このような環境を守るとともに、より良好な環境を創りあげていくことがこれから我々に課せられたということで、今後、息長くその保護研究を続けていくこととなりました。

2011年6月28日火曜日

東京港一帯の水鳥とその保護・保全活動を始めます

  

 日本野鳥の会東京・研究部では、今年初めに、月例研究部例会 (通称月例会) として、「フリートーキング・東京湾の野鳥調査の現状と将来を考える」(1月14日)、「いま東京湾の水鳥は-シギ・チドリ類報告会」(2月11日) をそれぞれ17名・16名の参加を得て開き、活発な討議を行いました。
 そして得た結論のひとつとして、とりあえず、東京湾のなかで東京都に属する区域 (東京港・葛西などで、この地域を「東京港一帯」とする ) の水鳥と水辺環境について、過去の記録も含めて集約するとともに、毎冬数千羽が越冬しているカンムリカイツブリ〔写真・川内博氏提供〕や数万羽が記録されているスズガモを中心に、その生息状況の記録と越冬地としての環境を整える作業をしようということになりました。
 とくにカンムリカイツブリ がこれだけの数が集結する海域は少ないのではないか、また、両種ともラムサール条約の登録基準を満たしているので、世界的にみても貴重な越冬地として、それなりの対処が必要であるという意見が出ました。これらのことを軸に、下記の予定で集まりを開催します。

【日時】2011年7月8日(金) 午後6時30分開場、7時~9時
【場所】日本野鳥の会東京・事務所〔会場地図は本ブログ2月3日に掲示〕
【内容】東京港一帯の水鳥と水辺環境の保護研究・今後の活動について

2011年6月18日土曜日

八王子市犬目の野鳥・20年間の観察記録を発表

  

八王子市犬目は、市の北に位置する丘陵地帯で、調査地は標高140~200m。ここ20年間に環境は大きく変化し、それにともなって生息鳥類も変化しています。著者・吉邨隆資氏は、学生時代のから、畑や雑木林、水田が残るこの地でロードサイドセンサスを続け、途中中断はあったものの現在も続けていて、このたび1989(平成元年)~2009(平成21)年までの記録をまとめ、A4判・40ページの報告書『八王子市犬目の野鳥 20年間の観察記録』として発行されました。
観察された野鳥は13目36科90種で、内容的には、優占順位の個体数では、ヒヨドリ>スズメ>メジロ>シジュウカラ>エナガ、出現頻度では、ヒヨドリ>シジュウカラ>スズメ>ハシブトガラス>メジロと、関東地方の郊外ではふつうの記録ですが、ここ数十年来、日本各地の都市近郊で起こっている環境変化と生物の関係が、20年間の時の流れの中で、具体的な数字としてとらえることができます。
たとえば、ガビチョウという中国原産の移入種が、いつの時期からこの地に現れ、その後勢力を増していくようすが記録〔表〕から読み取れます。また、「畑の鳥」といえるヒバリが1990年初めに姿を消したり、ホオジロが年を追うごとに数が減らしていくようすがわかります。さらに、まとめとして、個体数と種数の変化のグラフや土地利用の年代別変化の分析などもあり、この地の鳥相の変化を知ることもでき、重要な文献となっています。ところで、最近東京の市街地でホトトギスの記録が増えていると聞きますが、ここのデータでも表れています。ウグイスの平地進出と相関関係があるのではなどと、いろいろ深読みもできる貴重なデータ集です。

2011年6月6日月曜日

第1回アカコッコの保護研究会を開催します・6月10日

  

東日本大震災のために延期していました「アカコッコの保護研究会」の1回目を、6月10日(金)午後7時~9時に、日本野鳥の会東京の事務所で開きます。4月下旬に八丈島でのアカコッコの生息調査も実施しましたので、今回はその報告会もかねています。保護研究といっても、まだ何をすべきか・何ができるのかといった段階ですので、参加された方からの経験やアイデアなどを柔軟に組み入れながら、方向性を決めていきたいと思っています。
ところで、今回八丈島を訪れて、いまさらながら気づいたことは、「八丈島は伊豆諸島の主」ということ。野鳥の面からいえば「三宅島が宝庫」と思いがちですが、八丈島のほうが大きいだけに、島内にさまざまな環境があり、見どころが多いということです。アカコッコの数も三宅島に匹敵するのではないかという印象を持ちました。〔写真は島内でもっとも自然環境が良好な鴨川林道〕
今回の研究会では、もう一つ、「八丈島と三宅島のアカコッコの囀りが違うという問題」にも触れたいと思っています。
八丈島や伊豆諸島の鳥や自然に興味のある方はご参加ください。
【日時】2011年6月10日(金)午後6時30分開場、午後7時~9時
【会場】日本野鳥の会東京・事務所〔新宿・花園神社近く・明治通り沿い〕
    ※2月3日付けの本ブログに会場案内地図を掲載  

2011年5月26日木曜日

日比谷公園のスズメ調査・昨年とほぼ同じ数

  

昨年5月15日(土)に第1回を開催した、東京・日比谷公園でのスズメ調査探鳥会。今年も同じ時期の5月14日(土)に同じ時刻・コースで2回目の探鳥会を実施しました。結果は、昨年が115羽だったのに対し、今年は106羽とほとんど同じといえるものでした。一方、同時にカウントしているネコは、前回が12匹だったのに対し、今回は6匹と半減。ただし、本当に減ったか否かについてはこれだけでは不明。
ところで、今回のトピックはキビタキとの出会い。この時期には同じ夏鳥のセンダイムシクイやオオルリ、サンショウクイなども、都心の緑地で出会えることがあります。今年は季節が1~2週間遅いようで、例年4月中下旬がピークなのに対し、やや後ろにずれているようで、バードウィークに素敵なキビタキの囀りと美しい姿が見られたというわけです。〔写真:川内博氏提供〕
探鳥会解散後は、有志でスズメの営巣場所捜しを実施し、交通標識や照明塔の穴、建物の屋根の下の穴など、人工物に営巣する事例を観察しました。中からはヒナの声が聞こえ、親鳥がさかんに餌運びをしていました。

2011年5月23日月曜日

八丈島でアカコッコのセンサス調査を実施

  

 4月下旬、東日本大震災の影響で中止になった八丈島探鳥会と同じ日程で、八丈島でのアカコッコの状況調査を有志で実施しました。参加者は日本野鳥の会東京会員の川端一彦・川沢祥三・川内桂子・川内博・久保賢一と地元の岩崎由美・森由香の各氏で、4月24日(日)早朝4時~6時30分に、自然環境の良好な場所(鴨川林道)、樹林地の中の道(八丈ビューホテル近く)、緑の多い住宅地(都道神湊八重根港線)、翌朝には、緑の少ない住宅地(三根)の計4か所でのロードセンサスを実施しました。
天候は全体的にはよくなく、23日は渡り途中のツバメの群れが、アパートのベランダに逃げ込むほど〔写真〕でしたが、翌朝は曇りながら雨は降らず、予定通り実施できました。
 調査は3時起きで、4時15分から調査開始、1㎞のルートを時速2㎞で1往復半(3回実施)。4か所中、一番アカコッコが出たのが「緑の多い住宅地」で、アカコッコが鳴きはじめたのは4時22分。そこから30分間に記録した鳥は6種26羽。その中でアカコッコは19羽で、全体の73%を占めていました。しかし、次の30分間には10種53羽中10羽で19%に、さらに日の出後の5時15分からの3回目には7種40羽中17.5%とその出現個体数の減少とともに優占率は急降下しました。
 次いで興味深かったのが島の中で「自然環境良好」という鴨川林道。現地に着いたのは4時。あたりはまだ真っ暗で車から降り立つと5か所からトラツグミの声が同時に響いていました。1回目は5種17羽を記録。アカコッコの声が聞こえたのは4時24分。ただし調査範囲外からでした。2回目は10種49羽。アカコッコは1羽で地鳴きでの確認。3回目には記録ゼロ。ちなみに一番声が響いていたのはイイジマムシクイ。同行いただいた森さんの話では、今年は夏鳥の渡来が1~2週間遅いとか。最盛期にはにぎやかとのことでした。
6月10日(金)の研究部月例会で、詳しい報告をします。ご参加ください。