2024年5月31日金曜日

バンはいずこに・武蔵野の都立公園の近況

           

  吉祥寺の都立井の頭公園に続き、練馬の都立石神井公園でも「かいぼり」が進行しています。その影響からか、昨春、園内の三宝寺池にサギのコロニーができました。同公園にコロニーができたのは初めてのようです。営巣しているサギはコサギが一番多く、次いでゴイサギ、アオサギです。当地では3年前カワウが営巣しましたが、翌年からはアオサギが営巣。昨春にはコサギ・ゴイサギも加わりました。営巣数は正確にはわかりませんが、今春はコサギが10巣程度、ゴイサギは5巣程度、アオサギは3巣以上といったところです。

営巣場所は人の立ち入ることはできない池内の島で、のびのびと子育てにいそしんでいます。そのようすは岸から双眼鏡などで見ることができます。三脚の使用は禁止されていますので、カメラマンが居座っていることなくゆっくり観察できます。繁殖は盛りを過ぎていますが、コサギの飾り羽やヒナたちの親からの給餌の際の“大騒ぎ”などを楽しむことができます。石神井公園は大きな緑地で、付近には住宅はなく、「騒音問題・糞公害」とも無縁の世界です。 

ところで、井の頭・石神井の両公園で注意をしてみているのはバン。【写真】 石神井公園では数年前までは、数は少ないのですがその姿をたびたび見ていました。繁殖期には親子連れも確認していたのですが、ここのところバンそのものの生息が確認できていません。(繁殖は昨年1例記録されているようですが)

NPO法人バードリサーチ発行の『東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021』を見ていると、バンの繁殖は全都的に減少傾向にあるようです。さらにこの傾向は全国的にも見られているようです。原因等については今のところよくわかっていません。 

               〔日本野鳥の会東京・研究部〕

 

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