2019年6月27日木曜日

都心部のカワセミは住宅難! ~造成中の土の壁面に巣穴・川の水抜き穴で繁殖!!

           
写真1
写真2


写真3 
10日間の大型連休中の53日、新宿御苑での定期センサス中に、玉藻池で2羽のカワセミの鳴き合いを耳にしました。この時期に2羽ということは近くで繁殖しているはず。池の周辺を探したところ、園の塀の外に造成中の場所があり【写真1】、工事現場の壁面に巣穴を発見しました。しばらく見ていたら巣穴からカワセミが飛び出しました。
“さて困った事態に”というのが最初の感想でした。造成地の掲示版には許可を得て工事を実施している旨が記されています。カワセミが営巣しているので工事をストップというわけにはいかないだろうとは思いましたが都の鳥獣管理員に知らせました。担当の方にはしかるべき対応をしていただきましたが、残念ながら連休明けから工事が再開され、6月下旬には立派な擁壁が完成していました【写真2】。造巣に適した場所がない都心部で、土の崖地を見つけてラッキー!と新宿御苑のカワセミ夫婦は繁殖行動に励んだのでしょうが、残念な結果でした。
土の崖地がないのならということで、川の堤防の水抜き穴で繁殖しているカワセミもいます。今年も昨年と同じところで営巣しているとの情報で、現地を訪れたら、前日巣立ったとのこと。餌をくちばしにした親鳥【写真3】と、若鳥の元気な声がきこえてきました。東京都心部のカワセミは今、どんなところで「繁殖」しているか調査中です。
                 [日本野鳥の会東京・研究部]

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