2017年4月9日日曜日

エナガの話題・その2 千葉の「顔の白い]エナガ

           

  当ブログの前回(331日付)は「東京都心部でのエナガの繁殖・真っ最中」というタイトルで、山の手地域の緑地では広く繁殖するようになっていることを紹介しましたが、日本野鳥の会東京の月例探鳥地のひとつ、千葉県習志野市の谷津干潟周辺には「顔の白い」エナガが観察されています。日本野鳥の会千葉県の会誌『ほおじろ』4月号に、「顔白エナガ観察例 上」という記事が載っていました。

これは、昨年4月、同誌が観察記録の報告を呼びかけ、それに応じて県内各地から「顔の白いエナガ」の写真が寄せられたもので、4ページにわたって19点が載せられています。撮影場所は、千葉市、四街道市、松戸市、柏市、八千代市、我孫子市、佐倉市ですが、タイトルが「上」となっていますので、続きがあると思われます。「顔の白い」エナガが千葉県内のどのあたりまで生息するのか興味深いところです。

写真を見ると、その「顔白」の度合いはさまざまで、北海道にすむ「シマエナガ」並みの個体の写真もあります。私が谷津干潟や松戸の江戸川沿いで見たものもさまざまで、同じ群れの中に、普通のエナガと同じパターンのものと白っぽいものも混じって行動していました〔写真〕。東京都内では、今のところ、「顔白」タイプは見ていません。

そもそもこの顔白エナガがなにものなのかは、まだよくわかっていません。とりあえず、北海道に分布する別亜種シマエナガに模して“チバエナガ”と命名していますが、その解明にはDNA解析など専門的な研究が必要のようです。

それにしても、東京では武蔵野から広がっている「生息分布拡大」と、お隣の千葉での「顔白」個体の発見経過は同じような時期で、エナガの世界になにか起こっている可能性もあります。

東京のエナガの分布拡大は、近いうちに下町まで広がると思われ、そのうち、千葉の顔白エナガと接触する可能性があります。今後どんな話に発展するか、これも興味深いところです。     〔川内 博〕                                                                                                 

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