2009年4月6日月曜日

「サクラにスズメ」の相関図の謎

           

「梅に鴬」「竹に雀」は昔からの定番ですが、最近は「サクラにスズメ」が一般的になりました。ちょうどサクラの満開のころ。花見をしていると、サクラの花びらではなく、花がクルクルと回転しながら降ってくるのを見かけませんか。そんな時は必ず、スズメの声がしているはずです。よく見ると、スズメがくちばしで花を食いちぎっては、クチュクチュと噛んだあと捨てているのが原因だとすぐわかります。スズメは、花の蜜や子房を餌にしていると考えられています。しかし、同じ蜜を求めてサクラの花に来るメジロやヒヨドリと違い、彼らの行為は「盗食」です。花の蜜は、鳥や昆虫に花粉の媒介を頼むために発達したものです。そのためには、花の正面からくちばしを突っ込んで、くちばしや顔に花粉をくっつけてもらう必要がありますが、スズメのそれは、受粉には無関係のやり方だからです。東京あたりでは、外来種のワカケホンセイが同じ採食法をとります。
ところで、この「スズメの盗食」行為は、昔から見られたものではなく、一般化したのは1980年代です。スズメもサクラも、古くから日本にごく普通に存在している生物ですので、なぜ最近になってこのような行為が一般化したのは謎です。花吹雪ならぬ「花車」という風景も悪くはないのですが、春の風物詩となったこの現象。どなたか謎解きに挑戦してみませんか。

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