南方系の水鳥・シロハラクイナ(白腹水鶏)が今年の4月26・27日に、新宿御苑(新宿・渋谷区)の玉藻池で、池の周りの土手で歩いたり、水を飲んだりする姿が1羽観察されました【写真・長嶋俊行氏撮影】
東京都内では、2002(平成14)年12月に、大田区の東京港野鳥公園で1羽観察されたのが初めてと思われます。その後2004年4~5月に練馬区の光が丘公園・バードサンクチュアリで1羽が確認され、また、同年6月には江戸川区の葛西臨海公園・上の池で観察されています。また、島しょ部でも三宅島・八丈島、父島、母島で記録されています。
この鳥は、日本ではかつてはおもに沖縄県に留鳥として生息する鳥とされていましたが、1980年代になると鹿児島県や高知県でも繁殖が確認され、2006~2007年にかけて、埼玉県では越冬・繁殖が記録されています。そのほか、日本各地で生息や繁殖が記録されているようです。同じ南方系のリュウキュウサンショウクイの生息・繁殖地の北上傾向が顕著ですが、シロハラクイナも北上傾向が高いと思われます。 〔研究部・川内〕