2015年4月30日木曜日

“不思議の鷹・ツミ”の謎に挑んだシンポジウム終わる

  
4回目の東京の環境を考えるシンポジウム「東京郊外・北多摩の自然 “武蔵野”の自然の今と昔・そして未来」(日本野鳥の会東京・NPO法人バードリサーチ・都市鳥研究会共催)は、419日(土)渋谷区立千駄ヶ谷区民会館で、36名の参加のもと無事終了しました〔写真・大塚 豊氏撮影〕。今回は、北多摩が主生息地のツミを切り口としましたので、内容は「ツミ・シンポ」となりました。
かつては“幻の鷹”とまでいわれたこの鳥は1980年代半ば、武蔵野の森に棲みだすと、大きな声が目立ち・人をあまり恐れず・街路樹にも営巣するという、予想もしなかった生態を見せています。
シンポジウムでは、この“武蔵野のタカ”の全貌を明らかすることをテーマとし、基調講演トップはバードリサーチの植田睦之氏による「武蔵野のツミの昔と今」で、北多摩地区での生態を中心に、カラスやオナガとのバトルも語られました。次いで、日本野鳥の会東京の吉田 巧氏は「写真で見る市街地でのツミの繁殖のようす」として、昭島市での繁殖生態を紹介。そして、都市鳥研究会の川内 博氏は「東京および近郊での営巣状況の推移」ということで、東京圏における状況を報告されました。後半には、パネリストとして青梅自然誌研究グループの御手洗 望氏、いたばし野鳥クラブの栗林菊夫氏も加わり、参加者全員で“ツミはなぜ武蔵野で繁殖するようになったのか”をディスカッションしました。
残念ながらその明確な答えは出せませんでしたが、多くの知見を共有でき、これからの研究の新展開が期待できる集まりとなりました。

2015年4月13日月曜日

「ツミ・シンポジウム」で“謎解き”しませんか

  

小型のタカ・ツミ〔写真・川内博氏撮影〕の、東京での繁殖が記録されてから30年経ちますが、未だにわからないことのひとつに“なぜ市街地で繁殖するの?”ということがあります。その場所で繁殖する第一の理由が「食べ物があるから」ということは自明の理です。しかし、彼らの主食である「スズメおよびスズメ大の小鳥」が市街地で増えたのでしょうか? また、彼らがもともと生息していた環境が悪くなったので「逃げ込んできた」ということもよくいわれますが、もともといた場所がどんなところかわかりませんが、“幻の鷹”とよばれ、かつては数例しか営巣例が知られていない鳥がなぜ、人間臭い“市街地”で好んで営巣するのか? さらに、これまでの調べでは、彼らは「山の中では営巣していない」ようです。彼らの生態には、さまざまな“謎”が秘められています。
同じハイタカ属のオオタカについては、プロ・アマの研究者・アセスメント関係者が長年調べていますが、ツミについては、今まであまり注目されてきませんでした。
もしかしたら「ツミ・シンポジウム」は日本で初めての集まりかもしれません。日曜日の午後、そんな謎解きに来ませんか。

【日 時】2015419日(日)開場1315分、1330分~16時まで
【会 場】渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・会議室                                                 〔会場地図は、本ブログ324日付参照〕
【参加費】300円  【定 員】事前申し込み不要・先着70

【主 催】日本野鳥の会東京・NPO法人バードリサーチ・都市鳥研究会