2012年6月29日金曜日

繁殖記録・2 エナガとキビタキの都心部繁殖は?

  
本ブログの4月29日にエナガ、5月18日にキビタキの都心部繁殖の可能性を伝えましたが、実際、今年ある森で繁殖が記録されました。エナガは4月の中旬に巣と食べ物をくわえた親鳥を確認、キビタキは6月の中旬に、食べ物をくわえた雌と巣があると思われる場所が発見されました。現時点では場所や細かい状況は明らかにできませんが、予想通りといったところで、いずれも1例です。他の場所で確認された方はお知らせください。今回と同じように、情報を伏せて発表することができますので、ぜひご協力ください。〔写真は、都心部におけるエナガの営巣環境〕(川内博)

2012年6月18日月曜日

繁殖記録・1 葛西海浜公園でコアジサシのコロニーが

  
昨年、22年ぶりに繁殖が成功した、江戸川区の葛西海浜公園・西なぎさに、コアジサシが戻ってきて、子育てを始めました。6月17日時点では、観察個体数は約250羽、抱卵が60~70か所、孵化4か所(飯田陳也氏調べ)。コロニーの状況やロープによる保護地設置などは昨年同様で、コアジサシたちは元気に乱舞しています。 一般に、このようなコロニー(集団営巣地)の公開は慎重にすべきですが、この地は、一般の人が自由に往来できる場所なので、多くの人が訪れて、みんなで子育てを見守って、カラスや犬、野猫などの加害を防ぐのが得策ではないかとも考えられます。 しかし、いま台風4号の本土上陸が予報されています。実際台風がきたときに、彼らがどう対応するのか気がかりです。もっとも、浜辺や河川敷などに営巣する鳥。きっとがんばってくれると思います。

2012年6月9日土曜日

東京の自然の豊かさに驚く・新刊紹介

  
藤原裕二著『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』の終わりに「多摩川の最上流から河口まで、高山、森林、渓流、丘陵、里山、河原、公園、干潟など、いろいろな場所を歩き回り、そこで様々な体験をし、たくさんの生き物や光景と出会った」と記されています。この本の真価はまさにここで、著者が自分の足で歩いて、体験したことをもとに、その地の実態や現状、その時の出会い、感想が、写真をまじえてまとめられています。そして、読後には「東京」にはこんなに豊かな自然が息づいているのかということに、改めて気づかされます。 東京はややもすれば「街」だけがクローズアップされますが、多摩川という一水系を縦糸として見ただけでも、様々な横糸が連なっていて、すばらしい自然の宝庫であることを本書は語っています。私はまだ多摩川の源流まで行ったことがありませんが、これを機会にぜひ歩いてみたいという気持ちになりました。本書はさまざまな「東京の自然」を知るきっかけとなる本といるでしょう。巻末に「関係自然関係団体」一覧が掲載されていて、連絡先が記されているのは、今後情報を得るのに便利と思います。 『多摩川自然めぐり 美しい生きものたちとの出会い』藤原裕二著、A5判・231pp.けやき出版、1500円(税別)         (川内 博)